「ロールアイスってなんだ??ロールケーキみたいなやつか?」
「食べた事ないの? 放課後行く?」
「イイのか!?」
剛陣君はキラッキラッに瞳を輝かせて拳を空に突き上げた、こんな事でこんなに喜ぶなんて 本当に小さい子供みたいで可愛い。
放課後サッカー部の練習を終えた彼は、私の待つ校門までダッシュで来てくれた。キラキラと輝かせる瞳を私に向けて、行こうぜ!と大きい声を出す剛陣君。
「綿あめ食べたいなぁ、後 電球ソーダ!」
「で、電球ソーダ...!?」
「知らない?普通のソーダなんだけどね、コップが電球なんだ 面白いでしょ」
それってどうやって光るんだ?
と真面目な顔して考え出した剛陣君に「早く飲みたいね」って言えば、私の大好きな顔で笑ってくれた。
▽
「30分も並んだな...!」
「ね、人気の店だから...でも平日だからいつもよりは空いてる方なんだよ?」
「そ、そうなのか!?」
ロールアイスのカップを片手に剛陣君は、どこから食べるかなとクルクルとカップを回し ホイップや苺やクマの形をしたクッキーと睨めっこをしてる剛陣君にくすりと笑ってしまった。私は チョコアイスの上部分にちょこんと乗っているホイップを小さなプラスティックのスプーンですくった。少し粗めのホイップは舌にのせたら軽くじゅわっとも溶けた、私の気持ちのようだ。剛陣君はクマのクッキーをホイップに沈めて溺れてるクマを口に運んでた。
「おお!〇見ろよ!クルクルだ、これがロールアイス...!」
「さっき冷たい鉄板でくるくるしてたの見たじゃんー」
「そういえば...!」
綺麗に巻かれたロールアイスにスプーンをいれてぱくりと食べた。
「次は 電球ソーダが飲みたいぞ」
「連れてくから安心して」
初めての味を覚えてしまった剛陣君、2口目3口目とぱくぱくと早く食べ切ろうとする。そんな彼の姿になんだか寂しくなってきた。
▽
「はー!今日も食った食った!」
もう遅くなってしまった、寄り道でこんなに食べちゃったから晩ご飯無理そうだな...。カラフルな綿あめを二人でつまみながら 帰路につく。
「どう?今回も美味しかった?」
「ああ、初めて食べるもんばっかりで 楽しかったぜー」
「...よかった」
楽しそうに今日行ったお店を思い出しながらお喋りする剛陣君は 本当にキラキラしてて眩しい、綿あめでべたべたになった唇を動かして 私はこんな事を言ってみた。
「剛陣君が沢山の事を知っていくのは嬉しいけど、なんか 寂しくなっちゃうかなぁって 不安なんだ」
電球ソーダをごくごくと飲みながら、私の言葉を不思議そうに聞く剛陣君。彼はきっと私の言った意味なんて分かってないだろうけど...彼の無邪気さとか純粋さが 無くなっちゃったらと考えたら胸が締め付けられる、だけど 彼の初めてを私が全て与えれるなら いいかもしれないなんて...。
「〇?」
「なーんて...冗談 また今度、違うところ遊びに行こーね」
「...?おう!」
初めてのものに出会う時のワクワクした彼の顔を、あと何回見れるかな。
20180422