「任せたよ 西陰」
「はい」
野坂君の背中が小さくなっていく。
西陰君は私の腕を掴むとひんやりと冷たい壁に私を押し付けた、汗ばむ二の腕が 壁にぺとっと張り付く。
うんと背の高い西陰君、中学生とは思えない程鍛えられた腕、狼みたいな目。全部私の好きな野坂君とは真逆だ。
「私、野坂君に用があるんだけど」
「近付くなと言ったはずだが」
「西陰君には関係ない!」
「関係ある」
短く そう言えば、彼は私の顎を掌を使って掴んだ。ごつごつとした手で私の顔をしっかりと固定して 顔を近付けた、ドキッとしてしまう 私は口を薄く開いてしまった。
その隙間に狙いを定め 唇を重ねてきた西陰君の唇は思ったよりも柔らかくて、熱かった。
「んんっ...ねぇ、なにする...!」
「誰でもいいんだろう」
「やっ、私は 野坂君がいいの」
「...本当にそうか?」
顎から手を離し、滑らすようにして私のブラウスのボタンに手をかけた。少し湿った下唇で私の耳たぶを撫でると 熱い息がかかった。
んっ と恥ずかしい声が出ると、すかさず私の耳たぶを噛んだ。感情の無い瞳が「やっぱり 誰でもいいんだろう」って言いたげに細められた。
「んっ やだっ...!やだったら!」
こんな誰か来るかもしれない場所で、ブラウスのボタンを外され 薄いピンク色のブラジャーが露になった。
耳を舐められ、噛まれるたびに声が出てしまい 西陰君の腕にしがみついた。
「ねぇ、やっ...だよ...」
全然喋らない彼は、淡々と作業でもしてるみたいに 私のブラジャーの中に指を入れて 敏感な部分を痛い程につねった。耳から首にちろちろと 器用に舌を動かしながら 首に吸い付いた。
彼が何をしようとしてるか気が付いた私は、
「っあ、やだ...やめっ だめソコ 見えるのに、っ!」
「煩い女だ」
口に指を二本捩じ込まれて 苦しい私は、鼻で息をする。少しずつ 移動しながらキスマークをつける、野坂君にこんなの 見られたくないのに...!
そんな気持ちとは裏腹に、スカートの中の大切な場所は どうしようもないくらいに濡れていた。内腿を湿らせる西陰君、腰と膝が動いてしまった。
そんな私に気が付いたのか、スカートの中に手を入れてきた。下着の上から1本の線を描くように 触れた。
「っひ、ゃ...あ」
「情けない顔だ」
下着の隙間から一本指が入ってくる、ゾワゾワと背筋に稲妻が走り ビクリと身体が跳ねた。気持ちイイ...もっと、深い所を押し潰すようにされたい...。
甘い声が漏れた その直後。
ゴツゴツとした指と、デオドラントの爽やかな匂いが遠くなった。
「え、?なんで...やめるの?」
「誰でもいいんだな」
「...違うけど、」
「素直に言えば 続きをする」
無表情で無言の彼は ポケットティッシュを取り出し指を拭いた、腐った人間だと思われてもいいから 私は この熱い体をどうにかして欲しい。
「野坂君じゃなくても、いい...西陰君お願い...」
「だそうです」
ポケットから取り出したスマホに向かって、静かに言い放つ西陰君。相手は 野坂君だってすぐに分かった。
小さく聞こえる 「そう やっぱりね、好きにしなよ」 って声にも、全然色が無くて。彼らのせいで 色彩が失われたような気がした。
「続き するか?」
野坂君は酷い男だし、西陰君は嫌な男だけど 私は有名でカッコイイ男の子と初体験が出来ればそれでいい 馬鹿な女なので西陰君の問いに 笑顔でうなずいた。
20180418