aquarium


「土門君 電車の中って一番涼しいよね」

「空いてる時限定だけどな」



涼しい電車に揺られて私達は 水族館に向かってる、がらんとしてる電車の中は随分と気持ちが良くて土門君の肩に自分の頭を乗せてふあっと欠伸をしてみた。



「◎、もうすぐ着くから寝るなよー」

「はあい」

「あーあ もう寝る気じゃんか こっち見てみ?」



土門君の声に少しだけ顔を上げれば、ぎゅーっと鼻をつままれた。



「っん!!!なにす、!」

「可愛い顔しちゃって」

「キスしてくれるのかと思ったのに...」

「んー?まだダメ」



唇に 人差し指を押し当てて ウィンクしてくる土門君にぶーっと唇を鳴らせば、彼は優しく私の頭を撫でた。










水族館に着いて俺達は水族館の前でとりあえずスノーで写真を撮ってSNSにアップ、これをしないと次に進めなくなっちゃうのが 現代病ってやつ?なんて 馬鹿な事を考えながらチケットを買って、入り口に。



「水族館なんか久し振りに来た」

「俺も 8歳くらいの時」

「うー 寒い...!」

「...◎ 何でそんなに薄着できたんだよー、俺の上着きとけ」



デニムシャツを脱いで肩にのせれば嬉しそうに笑う◎、その顔を見れただけで 満足満足。



「クラゲの水槽エリア、暗いから気ぃつけろってさ」

「本当だ 足元見えないじゃん...」

「そういう時の 俺でしょ◎チャン、ちゃんと俺に掴まっとけよ」

「最高の男過ぎて泣くんだけど」



グイッと俺の腕に掴まってきた彼女が可愛くて、頭のてっぺんにキスしてみた。

彼女はくすぐったそうに笑って ゆらゆら揺れてるクラゲに吸い寄せられるようにして水槽に近寄る。









ペンギン、イルカ、アシカ、カピバラの水槽を通り過ぎればメインの大きい水槽に来た。

青い光が 俺達の顔を照らす、エイやジンベイザメがゆっくりと泳いでるその水槽に近付いてみた。



「...綺麗だね」



手のひらをぺったりと水槽にくっつけて魅入る彼女の後ろに、寄り添うように立つ。右手を重ねて恋人繋ぎにすれば 俺の方を見て「見て、大きなエイがこっちに来た」と笑う。



「...なんかさ、俺達 今海の中にいるみたいだよな」



大きなジンベイザメが上の方で優雅に踊る、それを煌めく瞳で眺めてる彼女の目尻にキスをして「こっち向いて ◎」と囁く。



「土門君」

「なんだか、人も居ないし チャンスかなーって」

「本当だ さっきのフロア結構人居たのにね」

「キス、してもいいよな」

「うん...」



海の中にいるみたいな ゆらゆら揺らめく青に包まれて、俺達は唇を重ねる。何度も角度を変えてしてる内に、どうしょうもなく彼女に触れたくなってしまって 一歩後ろに下がった。



「◎、今日 俺ん家泊まる?」

「..私も キスしてる時にその事考えてた」

「じゃあ 決まりだな」



グイッと彼女の腰を抱いて、出口に急いだ。





20180707〔七夕〕

なつみかん様 この度はリクエスト頂きありがとうございます、遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした...!

夏ってなんだか水族館に行きたくなるなぁなんて考えてた時に思い付いたシチュエーションです、海外ドラマみたいなセリフをぽんぽこ吐いてくれそうな土門を書いてみました。

次回のリクエスト募集は12月ですが、またどうぞ 宜しくお願い致します。改めまして ありがとうございました。平成最後の夏を楽しみましょー!