君の愛で日焼けしちゃう


夏らしい事がしたいとねだる◎に負けて、今日は二人で海に行くことになった。サンサンと俺らを照らす太陽に「あちぃな クソ」と悪態つけば、◎の「口悪いんだからー」という楽しそうな声。



「早く水着見せろよ」

「ちょっと待って...!」



この間 胸に手を持っていったら 母親が帰ってきたせいでお預けになっちまって、ずっとムラついてやがる自分に 嫌気がさすぜ。

薄手のワンピースの奥に薄らと見えるビキニは 想像していたよりも明るい色みたいだ、◎を連れてちいせぇテントを張ってその中に潜り込んだ。



「お前そう言えば 日焼け止め塗ってんのか?」



ミルクっぽい独特の匂いしねぇから ◎の腕を掴んで嗅いでみれば、恥ずかしそうに「犬みたい」なんて笑いやがる。



「塗ってないよ 忘れてた」

「持ってきてんのかよ」

「うん!」

「塗ってやるから 早くそれ脱げって」

「えっ やだ、恥ずかしいし」

「日焼けしたら 辛いのお前だろうが」



恥ずかしがって脱ごうとしない◎のワンピースを掴んで下におろせば焦った声で静止する◎、無視して床にうつ伏せに寝かせた。



「不動く、ん??」

「黙って塗られとけ」



遠くで流れてる 馬鹿っぽい夏の歌聴きながら、◎の白い肌に日焼け止めを伸ばした。マッサージするみたいに 少しだけ体重をかけて背中を撫でていく、気持ちいいのか 苦し気な声を漏らして「不動くんー」と甘ったるい声を出す◎。



「マッサージしてくれてる...?」

「気持ちいいか?」

「うん すごく気持ちいい、」



マッサージされてる時の声が アレの声だって、どっかの馬鹿辺見が言ってたな。コイツは そういう事する時、こんな声を出しやがんのか?



「お前 声可愛いよな」

「え、急に何...?」


「別に」










おかしい...もう充分日焼け止め塗れたはずなのに一向に私を解放してくれない不動君、なんだかこの間の事を思い出してしまって 頬に熱が集まる。



「...不動くん、もう大丈夫」

「知ってる」

「じゃあなんで」

「お前に触っときたいんだよ、って お前顔赤すぎ この間の事でも思い出したか?」



ドキッ 図星過ぎて無言になれば、後ろから小悪魔みたいな意地の悪い笑い声が...。



「お前って本当に恥ずかしがり屋だな」

「...だって、うー もうだめ!」



がばっと勢いよく起き上がれば 驚いた不動君は手から日焼け止めを落とした。



「泳ぎに行こ...!」

「ちっ 分かったよ」



着ていたシャツを脱ぎ捨てて シンプルな海パン姿になった不動君はテントから出て私の手を引っ張り 海へと向かう、潮風が気持ちいい 不動君のせいで火照っていた体が冷やされていく。



「私ずっと夢だったんだ 好きな人と二人で海に来るのが」

「...ライオコット島じゃ 行けなかったしな」

「たしかに」



ぴちゃり ぴちゃりと音を立てて海に足を踏み入れた、冷たくて「んーっ」と声を出せば「いつまでエロい声出してんだよ」なんて言われてしまった。今日の不動君 欲求不満なの?っていいたくなるくらい 男の子が全開で笑ってしまう。



「不動君、泳げるの?」

「ちいせえ頃からよく泳いでた 家の近くが海だったからな」



お臍が隠れるくらい深い場所にすとんと落ちた、一瞬ヒヤッとして不動君にしがみつけば 優しく笑って私の頭を優しく抱いてくれる。



「◎」

「どうしたの?」

「お前と色んなところ行って、色んなこと出来る今が人生で一番楽しいぜって 言いたくて」



鼻の頭にキスしてきた不動君は キラキラ太陽に照らされていつもよりもうんとカッコよく見える、お家が大変だったって一度ちらっと聞いた程度だったけど 彼がそうやって楽しいって言ってくれるのが嬉しくて 周りに人がいることなんて忘れてしっかりと唇めがけてキスをしてみた。



「...お前」

「いつも 不動君から不意打ちくらうから、今日は私から」



しばらく じっと見つめあって、私達は夏も恋を楽しもうと大きく口を開いて笑った。






20180707〔七夕〕

チイさん!!
今回もリクエスト頂きありがとうございます、毎回遅くなってしまい大変申し訳ございません...!

海にしてみましたー、日焼け止めを塗るお話って中々読んだことないなぁと思って書いてみたのですが いかがだったでしょうか?

次回のリクエスト募集は12月ですが、またどうぞ 宜しくお願い致します。改めまして ありがとうございました。いつも仲良くしてくれて感謝感謝ですー(^-^)平成最後の夏を楽しみましょー!