部活が終わってから帰る道はなんだかオレンジ色で気分がいい、私は横を歩く一郎太に笑いかけて「一郎太、乗って帰ろうよー」とオネダリしてみた。



「二人乗りはしない」

「えーっ」

「えーじゃないだろ」



当たり前のことなんだけど真面目な一郎太は私のオネダリを跳ね除けてツンとした顔で前を見据える、ドラマみたいに映画みたいに私は爽やかな風を彼氏の後ろで浴びたいのにな。



「...!じゃあさ 私が前に乗るから後ろ乗ってよ」

「はあ?馬鹿だな、俺を乗せれるわけないだろ」

「試してみよーよ 乗るだけ!ね?乗るだけなら大丈夫!」

「...知らないぞ」



一郎太の自転車を奪い取って跨ると一郎太は「女なんだからスカートちゃんと押さえろよ...」とため息を吐く。



「もーいいから乗って乗って」

「分かったよ」



渋々私の肩に手を乗せてゆっくりと乗ってくる一郎太、細身の彼からじゃ想像つかない ズシッと効果音でも付きそうなほどの重みに耐えきれず私はバランスを崩した。



「あっ」「おい...!」



ガシャンと自転車が倒れる音、間一髪私達は地面に倒れこまずに済んだものの足をくじいてしまった。



「いたっ」

「...大丈夫かよ?」

「足くじいたぁ、歩いて帰りたくない!」

「...はぁ 全くお前は」

「乗せてくれる気になった??」

「はいはい お姫様」



私のスカートについた砂埃をぱんぱんっと優しくはらって一郎太は自転車に跨る。本日何回目かの溜息はなんとも心地よかった。



「ほら、乗れよ」

「うん」



ひりひり足首は痛いけれど、私が夢見てた通りのふたり乗りが気持ち良くて目を細めた。



「ちゃんと俺に掴まっとけよ」

「わかった!」

「はぁ、警察や先生に見つからないように帰らないとな」



一郎太の細い腰を抱いて風を浴びる 初めての感覚に私は嬉しくて、彼を悪い子にしてしまった罪悪感なんて消えてしまった。




20190509〔黒板の日〕
二人乗りをするお話

波陽様お久しぶりです。
リクエストありがとうございました!

めっちゃ悩んだんですけど、強行手段にでてみました...ここまでしないと乗せてくれなさそうなので{emj_ip_0024}笑


これから暑くなっていきますので夏バテに気をつけて、令和最初の楽しい夏を過ごしましょうー!

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