「雄一郎スクールラブって知ってる?」
「なんだ それ?」
ぽかぽか暖かい陽射しを浴びながら私は雄一郎にインスタからスクショした写真たちを見せた、黒板にカラフルなチョークで落書きした真ん中に立つカップルや廊下を走るカップルの姿を見せれば 雄一郎の眉間の皺が深くなる。
「なんだ、これ?」
「こういうの撮りたいの!ダメ??」
「いや、ダメじゃないけど...少し照れくさいな」
「雄一郎いつかは島に帰っちゃうでしょ、だから 思い出として残したいの」
半分脅しにも似たおねだりは随分と効くようだ、雄一郎は はぁ...と溜息を漏らして私の目を射抜く。
「撮ってもいいけど SNSにあげるなよ」
「えー!」
「俺とお前の思い出なんだから他のやつに見せる必要ないだろ」
「...分かったぁ」
「よし、いい子だな」
私の事をまるで犬かのように撫で回す雄一郎、恨めしそうに睨めば「そんな顔しても可愛いだけだぞ」なんて笑う。
「誰に撮ってもらおうかな」
「そうだな...茶化さずに写真をばらまいたりしないヤツ...」
「稲森くんは?」
「ダメだ 明日人は絶対みんなに写真を見せる」
「そっか、大谷ちゃんは?」
「茶化される」
「うーん...剛陣先輩!」
「茶化された挙句写真をばらまかれる」
「...たしかに」
うーんうーんと2人で考える人のポーズ、暫く悩みながら秒針の音を脳に刻み込めばガラガラっと教室のドアが開いた。
「...氷浦君は?」
「適任だな」
「二人ともまだ居たのか?」
きょとんと首を傾げる彼に手招きして私達は照れ臭そうに見つめ合った。
▽
「それじゃ撮るぞ」
氷浦君はなんの疑問も持たずに私の携帯で写真を撮っていく、雄一郎と私の間にある+の意味も私の横にある=とハートの意味も聞かずに「もう少し二人とも近付いて」とニコニコ笑う氷浦君。
「雄一郎 氷浦君に任せてよかったね」
照れ臭そうに笑って帽子のつばを深く被る雄一郎、そんな事したら写真に顔映らないよ!と肩を小突けば彼は痛いなーと優しく笑った。
「それじゃ次は 窓際で...」
ガラガラ、言葉を言い終わる前にまたまた教室の扉が開いた。ぎょっと扉の方を見ればきょとんと私たちを見つめる大谷ちゃんと稲森君と剛陣先輩の姿が...。噂をすればなんとやらってやつなのか...。
「あれ、3人で何やってるの?」
「明日人 今写真撮ってたんだ」
「氷浦君!!見せちゃだめー!」
私の制止の声は虚しく教室に響いた。
「...っぷぷ、万作!!キマってんじゃねーか!」
「やめてくださいよ...」
「いやー、青春してるなぁ お前達!」
「剛陣先輩!!」
クスクス笑う皆に囲まれて恥ずかしさに死にそうな私と雄一郎、そして この状況を作り出した氷浦君は何が何だかって顔をして小首を傾げた。
「万作君も彼女の為ならこんな事するって ちょっと意外ですー可愛らしいところもあるんですね!」
「仕方ないだろ...好きな奴から頼まれたら、」
雄一郎の言葉にぼんっと体温があがった私は照れ隠しに目の前にいる剛陣先輩を小突いてしまった。
20190509〔黒板の日〕
放課後、スクールラブの撮影をして それを見られてしまう
サイトウ様、リクエストありがとうございました!
スクールラブ私もリアル学生の時にしたかったなーーー!!!!!!!と愚痴を漏らしながら書いてしまいました{emj_ip_0024}笑
私の世代の三つ下の子達から流行りだした気がしますが見たこと無かったので、検索してみたら可愛らしいカップルばかりでほっこりしました。
万作君は嫌がりながらも彼女の頼みとあらばやってくれそうですね、静かな感じに終わらせようと思ったのですが 伊那国雷門イレブンのいい所は家族のように仲のいいところだと思ってるのでワイワイした終わり方にしてみました。ご希望に添えてないかも...と不安ですが、いかがだったでしょうか?楽しんで頂けたら幸いです!
これから暑くなっていきますので夏バテに気をつけて、令和最初の楽しい夏を過ごしましょうー!
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