優勝した俺達の興奮はキャラバンの中でも続いていた、傷だらけの身体で皆喜びに声を高らかに騒いでいた。ふ、と横を見ると〇が寝息を立てて寝ていた。綺麗に施された化粧 潤んだ唇、黒髪から漂ってくるシャンプーと香水の香り、首筋 だが寝顔がやけに幼くそして辛そうだ。コイツの心の中はどうなっているのだろうか サッカー決勝戦を無事優勝できた後だからじっくりと知っていきたいなんて 我ながら笑えるものだ。
”貴女達みたいに不細工で、下品で何の努力もしない女にそんなこと言われる筋合いはないわ”
”鬼道君は私が落とすの 黙ってみてなさい”
前に俺のファンだとか言っていた女たちに向かい言っていた言葉、凄い女だ。そっと、春奈に気付かれない様に頭を撫でるさらっと指を通る それと同時に鼻をくすぐる香りに また俺の中で欲望が渦巻いていく。
今日の様に、逆転勝利してやろう
耳元で囁けば小さく「ん…」と潤んだ唇を動かした。その姿にまたぞくり 身体が震える。プライドの高いこいつを自分のものにできればどれだけ気持ちがいいか 汚い感情だ。悪戯心というのだろうか、窓際に座っている〇の首に触れる先ほどと同じ様な反応 首から耳に指を動かせば切なげに出される声。面白い、耳の穴にそっと指を入れたり軟骨の部分をクリっと押してみたり ふるふると頭を振って起きてしまった。起きてもまだ続ければ寝ぼけていた顔からすぐにいつもの顔に。
「悪趣味よ寝込み襲うなんて」
「声、出てたぞ」
「…っ!感じるのよ、仕方ないでしょう」
「とんだ ビッチだ」
「ビッチ?ビッチじゃないわ、私は自分らしくいるだけよ」
その横顔に欲望とは違う、綺麗な欲望とは言い方がおかしいかもしれないがやはり落としてみたいそう感じた。好き という感情なのかもしれないな。ふっと笑えば俺の方を向かずに何よと一言。
まったく 面白いやつだ。
それはいきなりだった、空から何かが大きな音を立てて落ちてきたのだ。雷門に着いて目の前に広がってきたのは無残に破壊された校舎。これはいったい…なんなんだ…校長達に話を聞くと「宇宙人の仕業」と、益々意味が分からん。
「どういう事ですか!」
円堂の声の後に、微かに聞こえる何かが空を裂く音。それは円堂に向かって飛んできた。
「円堂!!!!」
俺の声に素早く反応して構える、が それは反れて紫色の光に包まれ人間…いや、この場合校長たちの言っていた宇宙人 か。
「我々は遠き星エイリアよりこの星に舞い降りた、星の使徒である我々はお前たちの星の秩序に従い自らの力を示すと決めた」
誰かの唾を飲み込む音が聞こえた
「その秩序とは…サッカー」
沈黙、しばらくして円堂が言った言葉に宇宙人が笑いボールを蹴り飛ばしてきた。凄まじい威力だ…。
そして奴らは消えた。
20131227
二期スタートです!真面目に長くなりますがお付き合いいただければと( ^)o(^ )