暫くして、少年はぱっと手を離した。外から大きな音がした。
「山オヤジが来る」
その声の後に、激しく揺らされたキャラバン。ふと、横をみると さっきの綺麗な少年は居なかった。一瞬だけ静かになり 車体が浮いた。もうさっきから何なのよ。
「俺につかまってろ ◎」
鬼道君が私の身体を抱き寄せて、頭を守ってくれた。こんな行動一つ一つがカッコいいなんてズルいわよね 本当に。静かになった車内、恐る恐る窓の外を見た。
化け物のようにでかい熊が
熊が見えたと思ったら、顔から地面に倒れる熊。その後に、さっきの少年が…見えた…。
「もう、出発して大丈夫ですよ」
何者なの?
少年をおろして、私達は白恋中学へ向かった。少年はおりるまで ずっと私と手を繋いでいた、鬼道君はその少年をゴーグル越しでも分かるほど睨んでいたが。私の勝利の予感がして 面白かった。
「見えてきたぞ あれが白恋中だ!」
雪化粧が施された校舎を遠目に、私はさっきの少年を思い出した。
20180225