「サッカーって楽しいのよね」
「どうした、秋?」
昨日の事で頭が一杯で 今までなんの会話をしてたか聞いていなかった、マネージャーである私達4人と 円堂くんはトレーニングしているみんなを見下ろしてる。
色んな声が飛び交う中私は 昨日の鬼道君としたキスを思い出していた。
「俺の事を好きでいてくれているのは分かった 俺もお前の事が大好きだ、だけど 俺達が進み続ける為には 真実が必要だ」
なんて、大人びた言葉をかけて彼は私の身体を優しく抱き締めた。
「だって、俺サッカー好きだから!」
円堂君の大きな声に昨日の思い出の残像が消えた、私の目の前にはもう鬼道君はいないし 私はもう泣いてない。ただ痛い心臓を誰にも分からないように隠し続けてる、それだけ。
拳を握って ニカッと笑う円堂君につられて私も笑ってみた、あんな馬鹿でわからず屋のゴーグルの事なんて今はほっとくに限る。
エイリア学園の選手達だってサッカーが好きだなんて、円堂君らしい物のいいように 次第に笑顔になっていく木野さん。
「そうだね...うん、きっとそうだよ!」
木野さんの言葉に満足そうに笑った円堂君はトレーニングしてくる!と、下の階に元気よく降りていった。
「あら、木野さん トキメキすぎて死にそうって顔してる」
「も、もう...!〇さんやめてよ、!」
「あはは!先輩真っ赤です!」
私と音無さんにからかわれて赤くなる木野さん、左に顔を向ければ下の方に私の方を見てる鬼道君が お互い少しだけ目線を絡ませて 同じタイミングで逸らした。
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激しい特訓の成果は果たして通用するだろうか、ホイッスルの音と彼等の赤と黒の不気味な雰囲気を醸し出してるユニフォームの色に こんな思いをするのは最後にしたいと息を飲んだ。
水色の髪の相手選手が高々と空に舞う。メテオシャワーと呼ばれる技に吹っ飛んでしまった俺たち3人を抜き上がっていく女...。
強烈なガニメデプロトンがゴールに刺さりそうになるも、円堂がマジンザハンドで止めた。先取点ならず..。
一瞬たりとも気が抜けないこんな状況だが、円堂が守ってくれた1点に少し口元が緩んだ。
さあ、ここからだ...。
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何度もチャレンジしたエターナルブリザード、やっと同点ゴールを決めることが出来て喜んでいたのも束の間...
もう一点取りに行った吹雪君のボールは相手のゴールキーパーの新必殺技で呆気なく止められた...、悔しそうに拳を握る雷門イレブンに「試合終了だ 再び戦う日は遠くない、我らは真の姿を示しにやってくる」嘲笑うかのような紫に包まれて 彼らは消えていった。
試合が終わり溜め息みたいな夕焼けに染まった大阪の空を皆して見上げて、円堂君が「また 強くなればいいんだ!頑張ろうぜ!」なんて溜め息みたいな夕焼けは 円堂君の優しい熱の色になっいく。
「ふふ、やっぱり 円堂君って凄いよね」
「ええ」
「素直に認めるなんて珍しいわね!」
「私も最近馬鹿になってきたのかもしれないわ」
「〇さん 少し丸くなったものね、優しい顔するようになった...でもそれって鬼道君と付き合ったのが一番大きいんじゃないの?」
木野さんに痛いところを突かれる、私は苦笑いを浮かべて「そんな事ないわよ」って言えばキョトンと彼女は不思議そうな顔をした。
20180604