今日はイタリアと日本の勝負の日。◎と共にスタジアムに向かう、一番見えやすい席に連れていき私はフィディオたちのもとへ向かった。
試合が始まった。
影山さんは試合をじっと見つめている。
真剣な眼差しで試合を見ている、私も試合に集中した。サッカーのルールなどはわからないが、何とも言えない臨場感が私の胸を熱くした。
暫くして隣に金髪の女の子が座った
綺麗な瞳の女の子
「おねぇさん、サッカー好きなの?」
「え…ううん、初めて見るの」
「ルシェもだよ!」
可愛く笑うルシェちゃんに少し癒され、視線を試合に戻す。
試合が終わり急にあたりが騒がしくなり影山さんが誰かに連れていかれそうになっていた、あの時のように私はまた叫び走りだしていた。
「やだ…!
影山さんをどうするのっ!!!」
「◎…私は罪を犯しすぎた」
当然の報いだ と、笑う。
「嫌…っ私を一人にしないで…」
「◎ 短い間だったが私の大切な娘だ」
「!?…影山、どういうことだ」
「鬼瓦、この子の事は響木に聞いてくれ」
響木をちらりと見ると困惑した表情で私と◎を見た。
「嫌っ!影山さんが行くなら私も連れて行って…お願いひとりにしないで…やっと…幸せになれると思ったのに、やっと…これ以上傷つきたくない…」
「…◎」
「お…お父さん…ほら 言えたよ?お父さんっ、だから私からお父さんを奪わないで…」
ぽたぽたと涙がグラウンドに落ちた。
「影山お前、泣いているのか」
私の姿を見て鬼瓦、響木、鬼道、不動、円堂達が驚いている。それもそのはずだ、今まで傷付け幸せを奪ってきた鬼が泣いたのだから。
「鬼瓦 一つだけ頼みがある」
私を見て鬼瓦は「ああ」と呟いた。
ザアァアアアア…と波音が私たちを包む。
私の孫が埋まっている海に最後くらい手をあわせておきたかったのだ。鬼瓦や着いてきた鬼道たちを少し離れた場所に待たせて小さなお墓に向かう。
「おとうさん…」
「この子は私の孫だ、手をあわせておきたかった」
「!!…お父さん…おとうさんっ…うぅ…嫌だ…行かないで、私…また一人ぼっちで生きていかないといけないの…!?」
ぎゅっと
抱きしめた、◎の身体が軋むほど強く強く抱きしめた。
「大丈夫だ永遠に会えないわけじゃない」
「…いや、」
「すまない、すべて私のせいだ」
「お父さん…大好きだよ」
暫く抱き合って、私は響木に◎を預けて警察の車に乗り込んだ。
「おとうさん!!!!
貴方は世界で一番素晴らしい人だよ…っ!!」
「ありがとう ◎…お前は幸せになるんだ。そして怒りは忘れないで生きていくんだ だが絶対に 復讐なんて考えてはいけない 分かったな」
車が出発してもまだ◎の泣き声はしばらく聞こえていた。心残りはあるが罪を犯しすぎた私に待っているのは死だ、受け入れよう。
「頼んだぞ 響木」
情けない話だが旧友に 娘を託そう
20131216
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