影山零治さん、今ここで行われているサッカー大会に出場するイタリアチームの監督をしているそうです。ほかの情報は何一つ教えてくれなかった。
この人は私をどうしたいのだろうか
「あの…」
「どうした」
「私はこれからどうしたらいいのですか?」
私の言葉に影山さんは私にもわからんと答えた。アンタが分かんなきゃ私にはもっとわからないじゃない…
「私もどうしてお前を助けたのかわからない」
その言葉に私は複雑な気持ちになった、売春の仕事などしたくなかった。これまでおぞましい思いを沢山してきた、逃げ出したかった。助けてくれたのは正直嬉しかったが私はこれからどうしたらいいのだろう。
私の体に不安が満ちていく。
「ここに住むといい、しばらくしたら日本に戻るそれまでの間いるといい」
「私を性奴隷にでもするつもりなんですか」
うっかり、そううっかり言ってしまった。眉ひとつ動かさずに影山さんはやさしい口調で「もう そんなことしなくてもいいのだ」と…
「そうです、か…すいません失礼なこと言ってしまって」
私は涙をこらえ、そう言った
すっかり暗くなってぎゅるぎゅるとお腹の虫が騒ぎだした。その音が聞こえたのか影山さんは私をホテルにある五つ星(めちゃくちゃ高い)レストランに連れて行ってくれた。その前に服を買ってくれた。これもとても高い…。
私はこんなところで食事をしたことがなくて戸惑った。だがこう使うのだと教えてくれて食べれた。すごくおいしかった。
「美味いか」
「はい」
「そうか」
口数は少ないけどこの人はきっとやさしい人なんだろう。そう思った。
20131215
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