略奪 with Jaejin 



第12話


ギリギリトイレに駆け込んで間に合った

「あったま痛ぇ。」

吐くまで飲むことはほとんどない

しばらくすると、微かに聞こえてくる音

何の音?トイレから出ると、ジェジンがさっきのオルゴールを鳴らしていた

「やめろ、、、やめろ!」

ジェジンの手から無理やり奪い取りオルゴールは墜ちた

バリッ

『何すんだよ!壊れちゃったじゃん!何でこんなことするんだよ?!』

わかってる

私は最低だよ

でもオルゴールの音を聞いたら思い出すじゃんか

おばあちゃんと過ごしてる時間は

夢の中にいるようで

居心地が良すぎた

初めて必要とされた

初めて人の役にたってると実感した

行きてる実感ができた唯一の時間

生きる意味とか、人生とか、幸せとか

どうでもよかった私に、

おばあちゃんは教えてくれた

知ってしまったから。

でも、もうない

夢から覚めたから



長い間、忘れてた

額に流れる滴を

一度流れ始めたものをもう止められなかった

『lishaさん?泣いてるんですか?』

ジェジンに抱きしめられたが

「やめろって、」

すぐ押し返し離した

でもジェジンはまた私を抱きしめた

「ジェジン!」

『俺じゃだめですか?』

「なにそれ!おまえにはっ」

『俺がおばあちゃんの代わりになる!頼りないかもしれないけど、俺がlishaさんを支える!支えたいんです。』

「でもおまえには」

『lishaさんが好きです!好きなんです。子供の頃からずっと、』

「ジェジン、」

ジェジンにキスされた


なんでだろう

他の人と比べてもジェジンには多少心を許してる所はあった

おばあちゃんの所へ連れて行った時点でそうだ

でも自分のテリトリーに入れるつもりはなかった

ヘナの男だからじゃない

面倒くさいことに巻き込まれたくなかった

でも、

私は相当弱ってたのか

ジェジンの言葉が響いたのか

受け入れてしまった






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