略奪 with Jaejin 



第6話


思い出してしまう

とろけそうなあの感覚

柔らかい唇



二人だけの旅行

ヘナはすごく楽しみにしてる

俺だって、、、

でも、頭の中はlishaさんのことばかり

離れないんだ、、、

そしてさっき、lishaさんからメールが届いた

ヘナに内緒でこの後会う


授業が終わり、指定された場所へ向かう

カフェというべきか喫茶店というか

店内は閑散としていてとても流行っているとはいえない店

奥のテーブルにlishaさんを見つけた

lishaさんも俺に気づきニッコリと手を振る

テーブルの向かい側に座ると

「お腹すいてるでしょ?ここのマスターはなんでも作ってくれるから好きなの言っていいよ!」

『じゃあ、焼き肉、、はないですよね』

「マスター!焼き肉お願い!」

『あるんすか?』

「何でもあるの!ここは。」

lishaさんは窓の方へ顔を向けた

「ヘナと付き合って何年だっけ?」

『正確にはよく分かんないっす。ずっと一緒にいたんで、ガキの頃から』

「そうだったね。よく家にも遊びに来てたね!今も行ってるの?」

『いや、、、お父さんに俺気に入られてないんで、、、』

「だから私と旅行行くって言ったのね?」

『友達の名前出すと、きっとその子のうちに電話していろいろ迷惑かけるからってヘナが!』

「私だったら迷惑かけてもいいって?」

lishaさんの怖い口調に少し焦った

『そういう意味じゃ、、、』

「別にいいけど」

焼き肉とサラダがテーブルに置かれた

「食べな。」

『lishaさんは?』

「私はあとで!気にしないで食べな!」

俺が食べている間、会話はない

ずっと窓の外に視線を向けるlishaさん

窓からの光がlishaさんの頬を照らし

やっぱりきれいだ!

ときどき携帯に目を向けるその仕草さえも

なんだか色っぽい

俺は視線に気づかれないようにチラ見するのが精いっぱい

子供の頃からこの人は別格だった

lishaさんと話したくてヘナの家によく遊びに行っていた

だからって、ヘナを騙してるわけじゃない

ヘナのことは大切に思っている

食べ終わると、

「今バイトしてるの?」

『駅前のカラオケで』

「給料少ないでしょ?旅行代だってけっこういくんじゃない?」

『まあ、、』

「ジェジンにちょっとお願いがあるんだけど。」

『なんですか?』

「これから知り合いに会うから、一緒に来てほしいの。ジェジンはただ座ってるだけでいいから」

『はぁ、、でも』

「一緒に来てくれたら、バイト代支払うよ!カラオケの2倍、いや3倍出しちゃう!だからお願い!」

そんなかわいいお願いされたら断れないよ

『lishaさんのお願いなら断れないっす』

「ヘナが羨ましいな。」

『えっ?どういう意味っすか?』

「ん?さ、行こっか!」

俺はlishaさんについていった







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