バレットがクラウドにマテリアの使い方を教わっていたので、シンバもそれに加わって話を聞いていた。
するとティファやその他三人も参加する事になり、クラウドによるマテリア講習会が開かれる事になった。
自分はこの世界の人間ではないが、マテリアなんて武器や防具にセッティングすれば子供でも使えるもんだろうと勝手に思い込んでいた。それに自分はすでにマテリアを持っている。…って使った事はないんですけどね。
そうしてマテリアの一通りの説明が終わった所で今度は実践授業が始まったのだが、…そこでシンバはある一つの事実に直面する事となった。
「ファイア!!!」
「…もわっとしたわ」
「ブリザド!!!」
「…ひんやりしたぜ」
「サンダー!!!」
「…チクっとしたな」
「――っ…なんでやねん!!!」
盛大なツッコミとともに持っていたマテリアを地面に叩きつける。割れるなんて思ってもないしむしろ割れてくれたっていいくらいだ。…なんと、シンバは魔法が使えない事が発覚したのである。
「なんでなのかしら?マテリアって誰でも使えるもんじゃないの?」
「…俺でも使えるぜ?」
「俺もこんな人間初めて見る」
「何でなん!?」
自分もかっこよくブリザドやサンダーと言って魔法をぶっ放すのが夢だったのに。シンバの夢は呆気なく散ってしまった。
「でも、…そのマテリアは使えるのよね?」
ティファがシンバの左手に持たれているその赤いマテリアを見てそう言う。
「…実際使えて無いみたいだけどな」
即答したのはクラウド。何も言い返せなかった。というかそんなハッキリ言わなくてもいいんじゃないのか。結構傷つくんだぞ。
確かにこのマテリアを使いましたという確信があるかと問われれば、無いですと言う回答しか浮かばない。…ああ、悲しいかな。この世界に来たらマテリアを使いこなすのが醍醐味ではないのか。悔しい。悔しいです。
「…もう一回!!訓練が必要や!!」
シンバは意地になっていた。こうなりゃ使いこなせるまで自分はアバランチに参加しないと言い出す始末。
「そうか…それは残念だ、シンバ」
「短い期間だったがありがとよ」
「って待てーーい!!!まだ成って一時間も経ってへんわ!!!」
きっとみなはもうコイツにはマテリアは使いこなせないと確信している。…なんてこった。マテリアも使えないでこの先の旅は大丈夫なのだろうか。
「〜〜〜〜!!」
手に持っていたマテリアを睨みつける。輝かしい色を放つそれらにも、嘲笑われているような気がした。