13.5



「――ねぇクラウド。クラウドはシンバの事どう思う?」


シンバが消化薬を持ってどこかへ走り去ってしまった後、二人きりになったのを見込んでかエアリスがそう問うてきた。


「…どうって。別に何も思わないが」

「あらそうなの?てっきりクラウドはシンバの事好きなのかと思ってた」

「…何でそうなる」

「だって、あの時のクラウドすごい剣幕だったもの」


それは教会で、レノにシンバの居場所を問われた時。
…思い返して見れば、確かに自分でもビックリするくらい怒っていたような気がした。
しかしそれは、あれだ。…あれだよ。ほら、その、えーっと、


「……」


…ハッキリとした理由がでてこない。何故だ。何を考える必要がある。おかしい、おかしいぞ自分。…そうだ。仲間だからだろ。仲間の身を案じるのは当然の事じゃないか。俺は間違った事はしてない。うん。断じてしてない。


「…仲間、だからだ」


クラウドはようやく辿り着いた答えを口にする。


「…ずいぶん間があったけど?」


ニヤリ。とエアリスが笑った。その笑みに何か企まれている気がして、クラウドは少し嫌悪感を抱いた。何だか自分の弱みを握られてしまったような感覚が襲う。いや自分に弱みなんか何もない。別に俺はシンバに弱くなんか、ない。


「じゃあティファさんは?」

「ティファはただの幼馴染だ」

「…そこは即答なのね」


ギク。と音がしそうなくらいクラウドは肩を震わせた。…やられた。はめられた。エアリスは一枚上手だった。…いや、落ち着け自分。自分はまだ負けてはいない。弁明の余地はまだある。ってそもそも何でこんなに焦っているんだ。おかしいじゃないか。それじゃまるで認めているようなもんじゃないか。それこそエアリスの思うツボじゃないのか。どうする俺。どうする、俺。


「…何が言いたい」

「え?別に?何もないけど?」


ニヤニヤしながらエアリスは洋服屋へ入って行ってしまった。完璧、何か自分の弱みを握られた気がした。あんなにいろいろ考えていたのに、アッサリ引き下がるなんて思いもよらない。…あぁ、もうこれからエアリスと接するのが怖い。手玉に取られた。俺はこれからエアリスの手の中でコロコロと転がされるんだ。…いや、なんで転がされる必要がある。俺は何も悪い事はしていないじゃないか。何も隠してはいないじゃないか。それにシンバの事なんか、好きじゃない。

…好きじゃ、ない。


「…――」


自問自答を繰り返しながら、クラウドは女の子に変身していった。



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