21.5



「――っなんでやねん!!」


勢いのあるシンバのツッコミがミスリルマインに響いた。そして同時に地面に叩きつけられた何か。それは割れる事なく寧ろいい音を響かせて地面に落ち、そして幾分転がった。


「なんでや!?不良品か?!」


シンバは店員に向けて文句をたらす嫌な客の様にそれを指差してそう言った。


「…俺に聞くな」


モンスターを倒し終えたクラウドがバスターソードをしまいながら、いささか呆れ気味でシンバにそう返す。



…それは、数分前の事――

モンスターに出くわしたクラウド一行が幾分数の多いそ奴らに面倒くささを感じていた時、シンバがバハムートを呼ぼうと提案したのである。バハムートならこれくらいのモンスターなど一蹴してくれるし、それに本当にこれがバハムートのマテリアなのか試したいというのもあったからだ。

そうしてシンバはマテリアに念じてみたり高々と掲げ「出でよバハムート」と呼んでみたり(その後シーンという音が聞こえた気がしなくもない)、とにかくいろんなアニメやマンガの召喚法を試してみたのだが。…マテリアは光もしないし何の反応も示さなかったのであった。
そうして結局、シンバが色々試す間に迫ってきたモンスターは、クラウドとレッドが倒す羽目になっていた。

…で、今に至る。


「…やっぱりちゃうんやろか?」

「頼み方が悪いんじゃないのか?」

「フツーさ、召喚する人の方が立場上やろ?!」

「…シンバはどうだかな」

「っどういう事や!!」


シンバは転がっているマテリアに不機嫌な目を向けた。マテリアは変わらぬ輝きを自分に見せつけていて。


また1つ、シンバの悩みが増えた瞬間だった。



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