無人島を出航し、のんびりと海を渡るハートの海賊団一味。
天候良好。進路もバッチリ。いつものように穏やかで静かな航海が待っている、
…ハズだった。
「ぎゃあああああ――!!」
悲痛な叫びが船一帯に響き渡った。声の持ち主はあのシロクマ。クマのくせに打たれ弱くまたクマらしくない叫び声をあげるところをみると、アイツは本当にクマなのかという疑問が浮かび上がる。
「おーおー始まった」
そんな叫びを諸共せず寧ろ無視気味のクルーたちは、その叫び声をベポに発せさせる元凶が元気なことにただただ安堵の息をもらすだけなのであった。
「めぽ!待つ!めぽ!!」
逃げるクマを追いかける虎の子(?)ノノ。初日はパパと勘違いしたものの、その風貌がぬいぐるみそのものなベポに彼女が構わないハズがなかった。
そしてぬいぐるみだと思っている為、そのシロクマにはなんら容赦しない。今日も朝っぱらからいただきますといわんばかりに噛み付いてやったもんだ。やはりそこは虎の本能が残っているのか、はたまた歯が痒くて何かを齧りたい症候群なのか。まぁそこんとこどっちでもよい。とりあえず、元気が一番。
「いいい痛い!オレは食べられないぞ!」
「? たべる?」
「虎ってクマ食べないよね?!」
「…さぁ、どうだろうな」
「今から試してみるか」
助けを求めてペンギンとシャチの元に割って入ったベポは、その言葉に二人に助けを求めた事を後悔するハメになった。
「めぽ!!たべる!!」
肩に飛び乗ってきたノノにベポは一瞬よろけた。ノノはその白い毛を毟り取ろうとしているのか、思い切り被毛を引っ張っている。痛い。ハゲる。誰かヘルプミー。と目に涙を浮かべていると、後頭部から信じられない音がした。
ブチッ――
「ぎゃああああ――!!」
遊び相手は命がけ。
「おーー毟ったねぇ」
「っ他人事!!」