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※世界観
・この世界は、生を受けた誰もが、生涯に一度だけ、世界の根底を覆すほどの奇跡を起こすことができる世界である。
・世界の創造主は天使と悪魔を作り、彼らの生きる目的を確立させるために人間を生み出す。
・悪魔とは 人間の肉体や魂を好物とするため、彼らを蹂躙し、それを快感とする種族である。
しかし人間を食い荒すためには創造主が定めた手順を踏まなければならない。
まず初めに人間と契約を交わし、その人間の願いをかなえる。そうしてその願いの代償として肉体や魂を手に入れる。
この手順をふまえれば、契約自体はどれだけ不条理で不平等でも構わない。
悪魔の特徴は宝石をそのまま埋め込んだかのように煌めく瞳、大きな角、大きな尾、そして黒を基調とした羽根、そして武器を隠すための帽子である。
彼らの上位互換として死神がいる。
・天使はそんな彼らから人間を守り、慈しみ、また天寿を全うした人間を天界へと導く種族である。
天使は人間を無条件で愛する種族ではあるが、その愛は個体によって様々。
人間の居住地を区画でわけ、それぞれの区画で活動をしている。
天使の特徴は宝石をそのまま埋め込んだかのように煌めく瞳、頭の上に浮く光輪、白を基調とした羽根、そして何かしらの特殊能力を持つことである。個体によっては尾を持つものもいるが特殊。
彼らの下位互換として、そして彼らの仕事を助ける者として妖精がいる。
・人間は文明を発展させ、世界の発展と維持を努める種族である。
悪魔に蹂躙され、天使に守られる種族ではあるが、人間ではない種族を視ることができる人間は稀。「それらの存在を望み、あるいは心の底から信じる人間」のみが視る能力を持つ。
また、人間が救いの手や空想上の生物の存在を望み、およびその存在を信じた場合、それらは神や妖怪としてこの世に成立する。そのためそういった人間が一人もいなくなった場合は崩壊、消滅する。
・主にその三種族によって世界は成り立っているが、世界をいたずらに荒らす個体がいる場合、またその個体の行動がそれぞれの種族の絶滅を引き起こす可能性があるなど、後世への影響があまりに大きいと判断される場合は、創造主による「裁き」が「光の槍」となって体を貫く。その裁きは身体、精神、魂のどれもを蒸発させ、存在ごとこの世から葬る。
・その裁きを円滑にするため、世界を管理する役割を創造主から与えられた個体を「観測者」と呼ぶ。観測者はその目で事実を見届けることのみを任とし、判断は創造主が行う。いわば、創造主が第三者である個体の目を借りて世界を見ているだけ。
観測者はランダムで選出され、観測者自身ですら観測者であることを知らない。第三者が観測者について認識した場合は別の者が観測者となる。
・この世界はおおまかに「今も国同士の争いが起こり続けている区域」と「その時代を経て、平和な日常を送る区域」があり、それらは海によって分かたれている。また、この世界では多くの人間が「海がこの世界の果てである」と考えているため、互いに干渉はないし、それ以前に存在すら知らない。
・前者の区域に帝都ユオがあり、帝都ユオは軍を所持し、積極的に国土を広げようとしている。
帝都ユオ軍は「戦闘部隊」「情報部隊」「隠密部隊」「医療部隊」に別れ、それぞれのイメージカラーとして緑、赤、黒、白を掲げる。戦闘部隊は前線で戦い、情報部隊は戦況の把握などに優れ、隠密部隊は暗殺やスパイなどを得意とし、医療部隊は主に戦闘部隊の治療に努める。
帝都ユオは区画が分けられており、敵国からの攻撃を受ける可能性が最も高い外壁から近い区画を第一区とし、遠い区画を第五区としている。ユオ軍の人間は、国のために生きて国のために散ることを目的とし、国の手足となり、第一区ですごす。
・後者の区域には春崎があり、そこに四十宮学園が存在する。彼らは争いなどとは無縁だが、何の因果か、なぜか春崎には悪魔や妖怪などが集いやすい。
▼帝都ユオ
▽lumiere
帝都ユオ軍の戦闘部隊の少佐のミルダは、部下にすら呆れられるほどに気が弱かった。特別頭がきれるわけでもなく、特別得物の扱いが上手いわけでもなく、他人より優れているところをしいてあげれば逃げ足の速さだけ。
そんなミルダはひょんなことから悪魔の月子、天使のマリアの二人と出会う。種族の違いや性格の相違からおびえてたミルダだが、二人と触れ合うたびに、ゆっくりと、少しずつ彼女の人生が変わってゆく。
ウトーピッシュ・ツィルクス
皇女の部屋にあったぬいぐるみや人形が紛失し、盗難だ強奪だと騒ぎたてられていた。時を同じく、娯楽の少ないユオにサーカス団、ウトーピッシュがやってきたことで街もにぎわっていた。クラウンのレオン、猛獣使いのイリス、空中ブランコのエメリンとエメリナ、綱渡りのモニカ。たった五人の団員達は瞬く間に街中の人気者となる。
サーカスの物珍しさ、技術の高さ、整った顔立ち、全てが街の人々に愛されるためのものと思えたが、彼らは観客から生気を奪うことを目的とし、公演を続けていたことが発覚した。月子とマリアは、理由は違えど共に征伐を試みる。その決行を告げられたミルダは恐れを抱きながらも、ウトーピッシュが皇女と関係していることを知り、二人に同行することを決め、静まり返ったテントへと踏み込んだ。
ついにはウトーピッシュのまとめ役だったレオンを追い詰め、彼の口から、ウトーピッシュの団員たちは皇女の持ち物であるぬいぐるみや人形であり、皇女の「自由になりたい」「外に出たい」という切実な願いが魂となって自分たちに吹き込まれたこと、身体が不完全であるために人間から魂を奪わなくては生きていけないことを聞く。
そういった泣き落としには興味がないものの、人形にすら命を吹き込んでしまう皇女の力を危惧した月子はウトーピッシュに最後の公演を命じ、マリアが皇女の代わりとなって城にいることで、皇女にその公演を見せ、皇女の考えを改めさせることを考えた。
最後の公演、最初で最後の機会、ウトーピッシュは今までにないほどの最高の演技で夜を終え、元の姿へと戻る。皇女は五体の人形を抱きしめ、彼らを永遠に愛すことを誓い、城へと戻っていった。
玉の緒を彩る有明の月
川姫である緒は、妖怪であるという理由から愛した人に一方的に切り付けられ、心の病から肉体の傷を治せずにいた。もとの美しさを失い、光が届かないほどに淀んだ川底で膝を抱え、非情な現実から、冷たい時の流れから、目をそらし続ける日々を送っていた。
しかしふと浮上したときに偶然ミルダと出会い、妖怪相手にも心優しいミルダに想い人の面影を重ね、恋情を募らせる。いつしか溢れる想いを抑えきれなくなり、花満川に大きな楼を出現させ、そこにミルダを幽閉する。彼女の協力者である有明と彩雲が立ちはだかるなか、ミルダを助けるために彼らと対峙する月子とマリアのミルダへの感情が、少しずつ変化してゆく。
章月を追い詰めたマリアは、彼に"最後"をいつまでも与えられないでいた。ここで章月を殺してしまえばミルダが悲しむかもしれない、かけがえない友が悲しむかもしれない。初めての躊躇への戸惑いを振り切れずにいたマリアは、結局とどめを刺すことなく章月に背を向けた。自分の直感を、自身のこの決断を、正しいものだと信じて、緒姫と直接対決を繰り広げているであろう月子へと祈りを捧げるのだった。
また、月子も自分の想いを信じて得物を振るい、緒姫を追い詰める。「お前じゃあたしには勝てない」、「でもお前を傷つけたいわけじゃない」、「ミルダを返せば何もしない」。月子にしては珍しく根気強く説得するも、緒姫は応じず、月子はついに最後の一撃を繰り出した。月子の刃が緒姫の体を貫き、緒姫の体と、主を失った楼は、共に川底へと沈んでいった。
月子の強烈な右ストレートによってミルダは正気に戻り、お互いがかけがえのない存在だと認識した三人は優しく笑いあうのだった。
花満川に沈む緒姫の体が川底に叩きつけられる寸前、誰かの手が優しく緒姫を抱きとめた。ぼやける視界でとらえたのは、刀ではなくシロツメクサの花冠を持ち、緒姫に縋るように泣く知章だった。緒姫はそっと知章の目元を拭い、微笑みながらゆっくりと目を閉じた。
悲しみに寄り添う花
仲が深まった三人は楽しい時を過ごすようになったが、人間と人ならざる者の関わりを快く思わないリンドウがミルダの前に現れる。リンドウには他者の記憶を切り取り、本に閉じ込める力があり、その力を使うことで、三人の完全な絶縁を要求する。あまりの横暴さと身勝手さに、三人は反抗したものの、圧倒的な力でねじ伏せられ、必死でもぎとった猶予は一週間だった。全てを忘れ、別れることになった三人は、その一週間で何を思い、どう過ごすのか。
全てを忘れ、月子とマリアはユオを去り、ミルダが戦場へと向かう。しかし三人とも、何かが胸につかえたような感覚がおさまらず、月子とマリアは残された記憶の断片をかき集めてリンドウを探し当てた。二人は理由もわからないまま詰め寄るが、リンドウの友達を自称するメランナが立ちはだかり、また、リンドウが言葉を返すことはなかった。しかし自分自身にすら理解できない焦燥の原因を特定しようとするその姿を見て、友としての正しいあり方に疑問を抱いたメランナが、一冊の本を開き、閉じ込められた二人の記憶を解放する。
ミルダのことを思い出した月子とマリアは戦場で横たわるミルダに帽子と花を手向け、いつかの再会を誓い、ユオに戻ることはなかった。
▽幽冥の丹花
光の物語が終わったそのあとで、ユオを大きく揺るがす存在がことごとく消えてしまったことで、今までにない退屈を味わったベルトランがついに立ち上がる。彼の過去は愉悦だけをかき集めたものだった。彼の未来は野望だけを積み上げたものだった。彼は、世界を、世界のすべてを、自分のものだと、自分だけのものだと信じて疑うことはなかった。"今"は楽しくなくてはいけない。"未来"は思い通りでなくてはいけない。理想の世界に入った亀裂を正し、完璧な姿に戻すべく、彼は動き始める。
まずは何かの布石になればと皇女を殺し、次に自分のことを深く追求しようとしたメイド二人を腹に収め、自分を裏切ろうとした執事をレイピアで貫き、妹を殺されたことで激昂した皇女の姉を殺し、次はどうしようかと様々なことを思い浮かべるも、そのどれもを叶えられることはなかった。彼の上司であるヨモがそれを許さなかった。
彼女を熱望する彼は必死で手を伸ばすが、その手が取られることはなく、最後の決定打が与えられるわけでもなく、じわりじわりと死へと向かっていった。これが彼の、初めての、思い通りにならない未来だった。
▼シェーン・キルヒェンリート
▽sirius phantasm
ユオの近くにある森のその奥、鬱蒼とした光景のなかで、唯一目を引くとても美しいステンドグラスが、陽の光を反射し、幻想的な景色を創り出す。その教会、シェーン・キルヒェンリートの主であるグランツは、自身を信仰する人間の最後の一人を失い、神としての形を保てなくなったため、死を迎える。義妹であり、シスターであったメートヒェンは、グランツを失ったショックと、未練から、生の果てに地縛霊となる。
グランツに対する信仰を取り戻すことが出来れば、彼が再びこの地に戻るのだと信じ、その寂れた教会で信仰者を待ち続ける。その影に、自身の片割れであるミルヒシュトラーセがいることも知らずに。
彼女の物語に結末はないが、もしも、彼女が彼に対する信仰を取り戻せたとしよう。信仰には神が舞い降りる。つまり、信仰を得られれば、再び教会に神が降り立つだろう。しかし、一度失われた信仰と全く同じものを取り戻せることはない。つまり、彼女が取り戻した信仰に対して現れる神は、彼ではない。永遠を与えられた彼女は、神が降りるまでその事実に気が付くことはない。
楼rdensfrau Madchen
メートヒェンは教会に訪れた人間や、人ならざるものの悩みに対して、こたえを与えることで、信仰を再び集めることを決意する。適当のようでそうでない、的確のようで的外れ。メートヒェンが紡ぐこたえは、彼女自身も気が付かぬまま、さまざまな地に、さまざまな者に、大きなおおきな影響を及ぼしてゆく。
たとえば弱虫な軍人に「妖怪に対しても優しくすればいい」と告げ、その軍人が帰りがけに川姫を助けただとか、たとえば腹を空かせた悪魔に「帝都にはおいしそうな人間がいる」と告げ、その悪魔が帝都に向かい、それを追うように天使も帝都に向かっただとか、物語は少しずつ絡みあっていく。
▼天国と地獄の狭間、現世と来世の隙間
…何もない空間がただひたすらに続き、明確な名前すら持たないその場所で、そこに辿りついた者を裁く存在である閻魔の花千代。白と黒の双眸で真実を見出し、嘘を見抜く閻魔は、今日もぴんと背筋を伸ばし、前を見据えている。
▽千代の花
信仰を失い、現世で消滅したグランツが次に目を開いたときに立っていた場所は、花千代の作り出す何もない空間だった。閻魔である花千代は、グランツが生前、多くの人間を救い、導いてきたという、他者には成しえないことを成し遂げたことを褒め、天国行きを告げ、優しく微笑む。しかしグランツはあろうことかそれを拒絶。「つまらないことはもうたくさんだ」と笑い返し、その場にとどまることを選択する。その行動の理由と淡い恋心を胸の内に秘めたまま、花千代にそれを悟られていることを知らないまま、生まれも境遇も考えも交わらない二人が緩やかに関わってゆく。
▼四十宮学園大学付属第一高校
▽Sarir Banat al Naasu
ごくごく普通の女子生徒であるふみは、夜の学校に忍び込んだ際に人ならざるものに襲われ、天文部の部長を務める千歳に助けられる。その千歳に誘われたために天文部に入部を決意するが、天文部とは表向きの姿で、実際の活動は、地獄から逃げ出した囚人たちを地獄へ還すための集まりだった。
自分以外の部員は全員人間ではなく、囚人たちも恐ろしい見目形をしている。人知を超えた戦いに巻き込まれたふみは、幼馴染の慧に支えられつつ、奮闘する。
怖いことは多くあったものの、カードゲームや勉強会、おしゃべり、他の人からしたら取るに足らないような時間を過ごすうちに、しぶしぶ入部したはずだったふみの心境は変化していく。終わったら帰ってしまうのが寂しい、もっと一緒にいられたらいいのに、そう思うふみをあざ笑うかのように、葵、杏と部員が減っていく。
ついに三人になってしまった天文部の活動中、夜中にも関わらず校舎内で慧を見かけ、ふみは真実を知る。
慧はふみの幼馴染ではなく、地獄から逃げてきた囚人の筆頭で、真鶴を手にかけ、千歳の体を奪おうとする。内部から千歳の体を乗っ取ろうとする慧を押さえつけながら千歳はふみに「殺して」と懇願する。葛藤しつつもふみは真鶴の刀を千歳に突き刺し、千歳は満足そうに笑って永遠の眠りについた。
誰もいなくなった屋上で声をあげて泣くふみの頭上を、皮肉なほどに澄んだ星空が覆い尽くしていた。
▽アストロラーベの祈り
圧倒的な実力者であった天文部の部員たちが去り、四十宮のすべてを絶対的な力で護っていた三好が去ったあと、牙を隠し続けていたトロイラスが行動を開始する。目的は春崎の支配。トスカとともに春崎を異界のように作り変えてゆくトロイラスの前に立ちはだかるのは、友人の祈が愛した町を守る決意をしたペペ子こと、アストロだった。
アストロは魔法陣で呼び出されたものの、その契約主を見つけられないまま今に至り、実力の半分も出せない状態にあった。しかしそれでも祈の顔を思い浮かべるたび、凪たちの笑い声を思い出すたび、絶対に負けられないという想いがあふれ、力となって、トロイラスを打ち破る。
▽有栖川さんと滝口くん
平々凡々な男子高校生である滝口くんと同じ委員会に所属する、一つ年上の有栖川さん。美人で、お金持ちで、頭がよくて、料理上手で、とびきり優しい。まるで漫画のキャラクターのように才色兼備な有栖川さんに、滝口くんはひそかに恋心を抱いていた。ある日、有栖川さんに中庭へと呼び出され、不安と緊張と期待を織り交ぜながら向かった滝口くんへ投げかけられた言葉は「私をあなたの犬にしてください」。滝口くんの苦難がいま、はじまる。
▼ヴァルハラの砦
▽ミス・カルミアのくちびる
1500年も前に自分を殺した人間たちへの恨みが未だに晴れない環南は、幽霊船を操って戦死者の集まるヴァルハラで協力者を集め、世界への復讐を考えていた。ラティオを付き従えているのもその復讐の一部。そんななか、記憶をなくした海風と、その記憶を取り返す代わりに海風の最も大切なものを貰い受けるという契約を結んだアザレアの二人が、自身の足とするために船に乗り込んだ。
目的は違うものの、それなりに協力することを誓い合い、自分たちの目的を邪魔しようと立ちはだかる人間と、それに煽られた悪魔と天使を倒すべく、武器を取る。
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