入ってみると案の定、三日月にまとわりついている霞の姿。膝に座り彼の胸にうっとりと顔を寄せている。
いい加減げんなりしているルシア達に気づかないのかそれとも無視を決め込んでいるのか、、、反応しない霞に、ブラウンの短髪の刀剣男士が上座に進み出た。
「主、見習いが報告に参りました」
「はあ?、、、え?もう?、、、ウソ、、、」
『すべて終わりました』
「ついでに掃除もしておいた」
「っ、、、あらそう、、、で?」
霞は三日月から離れないまま此方に視線を向ける。
そんな霞の態度にイラつく獅子王と巴形だったが、ルシアに制され渋々従う。
『主様、次の要求を』
「えぇ、、、、もう飽きたからいいわぁ。ここは私の本丸なの。だ、か、ら!三日月様は私の物ってことでいいじゃなあい?ね?三日月様」
そうのたまい、再び三日月の首に腕を回すと頬に口付けしようとする霞を、かなり強めに引き離す三日月。引き離された霞は驚いたように三日月を見上げるも、彼の顔を見た途端に怯み青ざめた。
「審神者よ、、、俺の主を馬鹿にしておるのか?」
「え、、、あ、、、三日月、、様?」
「これ以上、そのような態度をつづけるようならば、、、」
『三日月!!』
絶対零度の目付きで凄まじい殺気を放ち、今にも抜刀しそうな三日月をルシアは一喝する。人斬り騒ぎを起こすわけにはいかない。
それを聞くと三日月はやれやれといった顔で、ルシアに微笑み頷く。
一方、大好きな三日月にそんな冷たい殺気を向けられた霞は、余程ショックだったのか後退り、蔑ろにしていた一期一振にしがみついた。すると、
「主殿、勝負の最中では?見習い殿がお待ちですよ」
「い、一期ぉ、、、、慰めてよぉ、、、ぐすん」
一期の胸に顔を押し付け泣く霞に、ルシアは再び声を掛けた。
『主様、次の要求をお願いします』
「ああもう!!分かったわよ!!髭切と膝丸を持ってきて!!勿論、鍛刀じゃなくてぇ、検非違使を倒してねっ!!」
「何!?」
「主!?何を言っているんですか?生身の人間が敵うわけが、、、」
「煩いわね長谷部、私に歯向かうのぉ?」
「っく」
心配そうな三日月に目で合図し、悔しそうに唇を噛む長谷部の肩をぽんと叩くと、ルシアは大丈夫だと諌める。そして、霞に視線を向けた。
『分かりました、行ってきます』
「主っ!?」
「見習い!本気か?」
「さすがに、、、無理だろ!?」
「主、、、」
心配する四振りに力強く頷き、すぐ戻ると立ち去るルシアの後をこんのすけが追いかけていった。
しん、、、と静まり返る広間。
「行くか、、、」
「そうだな、ここにいても仕方がないからな」
続いて、獅子王と巴形も広間を出ていくと、取り残された長谷部に霞が言い放った。
「長谷部ぇ?お仕置きタイムよ?分かってるわね?」
「そう、、、か。ならば、折るなり破壊するなり好きにすれば良い」
「はあ?生意気なのよ!!レアでもなんでもないくせにっ!!鶴丸っ!!へし切長谷部を破壊しなさいっ!!」
「っ!!な、、、い、嫌だっ!!もう、沢山だ!!」
「ああ?使えねぇな、、、ま、いいわ。処刑は一時間後、それまでせいぜい別れを惜しみなさいな」
楽しそうにケラケラ笑う霞に愛想が尽きたのか、長谷部が無言で広間から出ていくと、それに習い、白い青年、鶴丸国永も出ていった。
その二振りの背中を眺めながら、三日月はルシアの安否を願った。
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