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「、、、ん?」
「薬研どうした?」
「いや、、、何だか外が騒がしいなと思ってな」
「主様、、、でしょうか?」
「んなわけないだろ、、、あの女は離れには近寄らないぜ?」
「そうでしたね、、、」
「、、、まあ、こちらとしては有り難いがな。大和守の旦那の為にも、、、」
ここは離れの一室。
かなり広めの部屋の中央には布団が敷かれ、そこには大和守安定が眠っている。そしてその周りには薬研と厚、五虎退が座っていた。
大広間での一件の後、大和守を背負いながら、なんとか離れのこの部屋に辿り着き、応急処置を施すことが出来たのだ。しかし、あくまでも応急処置。
やはり完全に回復させるには手入れしかない。かといってあの主がするわけがない事は分かりきっている。しかし、、、
(このままにしとくわけにはいかないよな、、、)
戦場育ちの薬研は薬草や薬の知識が豊富だ。しかし、それはあくまで痛みや症状を和らげる為のものであって、完全回復は難しいのだ。
やはり、霊力を込めた手入れが必要だ。
(、、、あの女に頭下げるか、、、でもな、、)
薬研が悶々としていると、ふいに襖の外から声が聞こえた。
「なあ薬研、いるか?」
「「「!?」」」
突然の来訪者に三人は顔を見合わせる。
「あの声は獅子王の旦那か?」
「どうしたんでしょうか?」
「どうするんだ?」
三人が警戒していると、また声が掛かる。
「薬研、、、、頼む、出てきてくれ」
切羽詰まったような獅子王の声に、薬研は立ち上がった。
「薬研?」
「薬研、、、兄さん、、、」
「ちょっくら行ってくる。二人は大和守の旦那に付いててやってくれ」
心配そうな二人にそう言うと、薬研は襖に向かって歩いていった。
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遡ること一時間前。
ルシアを抱いた三日月が部屋に帰ってきた。
「おかえり、、、って、、、どうしたんだよ!?」
「主、、、、ひどい出血だな、、、」
二人が部屋に入るなり、獅子王と巴形が駆け寄ってきて、血まみれでぐったりしているルシアを見て動揺する。
「ああ、、、広間で少しな、、、」
「少しって、、、何があったんだよ?」
「三日月、、、」
二人がなおも詰め寄ったとき、髭切と膝丸が近寄ってきた。
「おかえり、布団の用意しといたよ」
「早くこちらに来い」
「おお、すまんな。主、もう少しの辛抱だ」
二人に促されながら、三日月はルシアを布団に寝かせた。
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簡単にルシアの処置をし、三日月が広間での事を話すと、獅子王と巴形の顔が怒りに染まる。その様子を眺めている源氏兄弟、その近くには青白い顔をした鶴丸と悔しげにうつ向く長谷部。
「あの女、、、ぜってぇ許さねぇ」
「万死に値するな、、、」
殺気を隠そうともしない二人に、苦笑を漏らす三日月。
「すまぬな。元はと言えば俺の提案が悪かった。あんな勝負を持ちかけなければ、主は、、、」
「三日月のじっちゃん、確かに最初は驚きはしたけどよ、、、、でもああでもしなきゃ余計大変な事になっちまってただろ?」
「ああ。それに、、、その提案のお陰で主に出会う事ができた。不謹慎かもしれないが俺にとっては幸運だった」
「僕達も同じだよ」
「ああ」
「そうか、、、」
四人の言葉に、三日月は静かに目を閉じた。
知り合って間もない自分達を、あっという間に虜に出来る、、主、ルシアは不思議な女性だ。
「しかし、血が止まらないな。やっぱりちゃんとした手当をしないと、、、」
ずっとルシアの様子を見ていた巴形が呟いた。
「そうだな、、、こういうことに詳しいのは、、、薬研だな!あ、でもあいつは今、、、」
希望に目を輝かせる獅子王だったが、何かを思い出したのか目を伏せた。
「俺が説明する」
皆が黙り込んだ獅子王の様子を疑問に思っていると、今まで青い顔をしていた鶴丸が話始めた。
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