過去と現在
信用と信頼

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※ご都合主義全開です。
※死の描写あります。


「だからなんでアンタ達がついてくるのよ」
「桜花さん、上層部に呼び出されたんだろ?
おれも呼ばれているから問題ない。
ついでに丁度上層部に報告すべきことがあるからな」
遊真が呼ばれている件に関しては間違いなく自分が呼ばれている件に関係するのだろう。
それとは別に遊真が言う報告すべき事。
間違いなく先程、桜花が玉狛第二と揉めた一件だ。
ただでさえ面倒ななのに、
更なる面倒事を持ち込もうとしている玉狛第二をこのタイミングで上層部のところに連れて行くのは嫌だった。
何せ桜花が呼び出されたこともいい話ではない、はずなのだ。
彼等が上層部のもとに行きたいのは報告とは名ばかりのお願いだ。
桜花が呼び出された内容次第にはなるかもしれないが、
それでも彼等の話を聞き、更にお願いを受け入れてくれるかは怪しい。
振り回される気なんて毛頭ない桜花は追い返したくて仕方がなかった。
「そんなの後にすればいいじゃない」
「それじゃ駄目です。
桜花さんが呼ばれたのは上層部に直接訴えられる好機でもあるんです。
ここは引けません」
「修、言うようになったじゃない」
「ぼく達は元々千佳の友達を助けるためにチームを組んだんです。
今動かなかったらなんのためにチームを組んだのか分からなくなります。
それに動かないと何も変えられない」
「桜花さん、わたしからもお願いします!」

動かないと何も変えられない。

修の言葉には一理ある。
続く千佳の言葉に桜花は溜息をついた。
「だーかーら、私はそんな立場じゃないのよ。
ったく、どうして子守をしなくちゃいけないのよ」
「ま、桜花さんに人の面倒が見れる技量があるとは思わないけど」
「遊真。その挑発乗らないわよ」
「む、残念だな」
桜花はふと、遠征へ行く前に迅と交わした言葉を思い出す。
“メガネくんと千佳ちゃんを頼む”。
遠征の時はそんな場面はあまりなかったから何だったんだと思ったが、
本当はこのことを言っていたとしたら……いや、流石にそれは考え過ぎかと、
桜花は頭を振る。
なんでも迅に結びつけるのは良くない。
それよりも今やるべきことをやる。
修が言った通りだ。
ボーダー上層部と自分だけのやり取りでは、
自分の方が分が悪いのは分かっている。
ならば部外者を立ち入らせて掻き乱すのも手である。
…掻き乱した先がどうなるかは分からないが、何もしないよりはいいだろう。
修と違って桜花は作戦なしなのでどこまでやり取りができるかは知らない。
だが、明日へ繋ぐためには誰になんと思われても構わない。
どんな手も使う。
その覚悟はとうの昔にできていた。
「あまりいいものではないと思うけど、
それでもついてきたかったらついてくればいいわ。
自分達の話ができるように足掻く事ね」
「ありがとうございます!」
「言っておくけど私はその話題に関してはさっき告げた通りだから」
言うと桜花は扉を開いた。


ボーダー本部会議室。
ここにいるのは城戸、鬼怒田、根付の上層部の他に、
現在控えている冬島隊、三輪隊、二宮隊、東隊、そして交代で戻ってきた嵐山隊の隊長達だ。
会議室の面々を見て、悪い予感は的中したのだろうと桜花は思った。
「何故、玉狛第二がおるんだ!?呼んだのは明星と空閑だけだろう!!」
案の定噛みつかれた。
桜花は思いっきり溜息をついた。
「勝手についてきただけよ」
「三雲くん。悪いがここからは大事な会議がある。
立ち去りたまえ」
「ぼく達も報告しないといけない事があります」
「それは支部長を通してでも構わないだろう」
「いえ、ぼく達の口から直接しないといけないと大事な話です。
それに桜花さんと空閑が呼ばれた事について関係だってあります」
「ほぅ、君は今から我々が話すことについて検討がついているという事かね」
「……人型の事ですよね?」
「はぁ……全く君という子はこういうことは目敏いね」
根付の言葉で今から話し合われることが肯定される。
「今は人型について情報が欲しいところ。
三雲くん達が持ってきた情報がどんなものかは分かりませんが、
聞いてみる価値はあるのではないですか?」
そう言ったのは東だ。
人型の今後の対策を練るうえで情報は一つでも多い方がいいというのは確かなので、
玉狛第二が一時的にこの場にいる事が許された。
「それで、私が呼ばれた理由って何?」
人型と接触が多いからとかそんな理由だけではないはずだ。
桜花に向けられている視線はなんというか居心地が悪い類のものだ。
そういう視線を集める時は嫌な事しか起こらない。
状況を説明するため、最初に口を開いたのは長である城戸だ。
「ここにいるのは人型と接触して無事の残っている部隊だ」
「無事に?…ていう事は全滅した部隊でもあるの?」
「ああ。今、隊員が数名敵に攫われているのは知っているだろう。
全員、人型と交戦しベイルアウトして攫われた」
緊急脱出、ベイルアウト。
ボーダーが正隊員トリガーにつけた機能だ。
本体はトリガーホルダーに収納されているため、
ベイルアウト中はいかなる攻撃を受けてもダメージを受けることはない画期的なシステムだ。
そのシステムの穴を掻い潜りそのような事が可能なのか……甚だ疑問だ。
「不可能ではないぞ。
ベイルアウトするのもいわばトリガーの選択だ。
簡単に言うと選択する際に発せられる信号に反応して、
上空にいるコウモリ型のトリオン兵が反応し捕獲モードに入るようだ」
捕獲モード時のトリオン兵は速度だけが強化されており、
攻撃属性を持たないため、シールドも関係なく突き抜ける。
ベイルアウト選択時は対象者が無防備になる。
その一瞬を狙って対象者のトリオンを凝縮し、自分達の船に持ち帰る仕組みだ。
隊員の身を守るための機能を上手く利用されたものだった。
「日頃からベイルアウトに頼りっきりだからそうなるんじゃないの?」

バンッ

桜花の発言に怒りを覚えたのか、
机を叩く音が部屋中に響き渡った。

「貴様が何かを知っている事は分かっている」
「何かって何」
「君は知っていたのじゃないか?
敵の狙いは人型を使って我々を油断させること。
戦闘員にベイルアウトさせることを」
「どうやったらその発想に辿りつくのか話を聞きたいわね」
一方的にお前が怪しい。知っている事を吐けと言われ桜花は少しカチンときた。
こういう議論の場は不慣れだが、戦い方を知らないわけではない。
できるだけ冷静にそして堂々とした佇まいで隙を見せないのが基本だ。
その基本を守りながら尤もな意見を主張する。
桜花への疑いは戦争が起こる前から始まっている。
ボーダーとの価値観の相違もそうだが、元を辿れば迅の予知だ。
迅の予知があるから疑っています。
事が起きたからお前が何か関わっているだろうという流れは暴力的で根拠にはならない。
それは城戸達も分かっているはずだ。
敢えてこの場に桜花を立たせたのも聞き出したいことがあるはずだ。
それが何かは分からないが、今の桜花に答えられるものは何もない。
自分から情報を話そうとしない桜花の姿を見て、
相手は少しだけ具体例を言って切り込んできた。
「嵐山隊が人型と遭遇した時、
その人型はバムスターから出てきたらしいな。
その時点で何故、救助ではなく撃破する事を選んだのか――」
「そんなの戦争中だからに決まってるじゃない」
即答だった。
逆に潔すぎて周りは唖然とした。
「敵を油断させて隙を作るのは常套手段でしょ」
「だけど、本当に救出対象者だったらどうするつもりなんだ!?」
「別にいいじゃない。敵だったんだから」
「そういう問題じゃない」
言ったのは嵐山だ。
あの時自分達は無事だったけど相手はそうではなかった。
自分達の不甲斐なさを含め、桜花の行動に怒りを感じているのだろう。
あれがもしも本当に人命救助すべき三門市民であったなら――そう考えるとやはり桜花の行動は許されたものではない。
市民を守る事を優先とする嵐山の意見を理解したうえで桜花は答える。
「それでも私は斬るわよ」
今までそうしてきたのだ。
目の前の敵を斬る。
他の者が斬るのを躊躇っても自分は斬る。
その行動を咎められても、罵声を浴びたとしても今までそうやって自分が歩む道を切り開いてきたのだ。
自分がそうするべきだと感じ、行動したことに後悔はしない。
「人命救助で言うならあの時優先的に守らなくちゃいけないのはボーダーの人間でしょ。
現に私は助けてって指示を受けている。
私に非はないと思うけど?」
「その通りだが限度と言うものがあるでしょ。
結果的に見れば嵐山隊に被害が出ずに済みましたが……」
根付が言葉を濁らせる。
断言しなかったのは、バムスターから出てきた少女が敵ではあったが、
人型のトリオン兵ではなかったからだ。
あれはトリガー使いだった。
そのトリガー使いも桜花が止めをさす前に、
自国のコウモリ型トリオン兵によりトリオン器官を抜き取られて息絶えてしまった。
非人道的な敵の行動に遺憾し、何故自国の兵の命を自ら奪うのか疑問も浮かぶが、
おかげで人型がトリオン兵だけではない。
トリガー使いなのかどうか判断が難しくなってしまったことが分かった。
そして今回の件で、コウモリ型のトリオン兵の本来の役割が分かった。
それにより迂闊にベイルアウトができなくなった。
今まで何かあった時の緊急脱出用としてベイルアウトを使用してきたが使えなくなった。
それに恐怖を覚え、動けなくなった隊員が出てくるかもしれない。
不安材料はいっぱいだ。
嵐山が桜花の行動を問いだした。
他に方法はあるのではないかと諭そうともした。
だけど戦争での自分の在り方を変える気がないと桜花は答えた。

「明星の考えは分かった。
だとしてもお前の怪しい行動をとったことをどう説明する?」
「怪しい?私、何かした?
さっきから言ってるけど私は目の前の敵を斬ってるだけよ」
桜花相手にまどろこしいやり取りは時間の無駄だと判断したのか、
今度は二宮が桜花に問う。
話が進まない以上この話題に触れるのは致し方ないとばかりに、
城戸があとに続いた。
「桜花隊員、君は嵐山隊員を『連れて行かせない』と言っているな。
それはトリオン体が破壊されればコウモリ型トリオン兵に攫われると分かっていたのではないか?」
「別に。死なせないっていう意味で言っただけよ」
桜花の言い分は確かに通る。
だけど城戸は桜花が今回の敵国について何か知っているのではないかと言及する。
それはとても小さい事で揚げ足取りに見られるかもしれない。
だけどそのまま流すこともできなかったのは、
それは迅の未来視とそして桜花が今まで近界にいた人間だからだ。
自分達はあまりにも近界について知っている事は少ない。
それに比べれば桜花の方が向こう側の世界に通じるものはあるだろう。
「君が最初に人型と交戦した時……言ったそうだな。
『無事ににこの世界にいたいなら尚更、ベイルアウトなんてするものじゃない』。
歌川隊員、そして無事に本部に戻ってきたB級隊員が証言している。
この言葉も嵐山隊員との出来事も、ボーダーから被害者が出る前に行われたものだ。
無知でこのような発言が立て続けに出るのを偶然だと捉えるのは難しい。
ならば、知っていたと考えるのが妥当だとは思わないかね?」
どんなに威圧的に言われても城戸の主張は弱い。
だけどこうも堂々と言い切ってしまうのは桜花を脅そうとしているわけではない。
桜花は使えない、邪魔だと判断した人間に対してかなり攻撃的だ。
戦力が少しでも惜しいこの状況で無暗にベイルアウトさせ戦力を減らすのは彼女が言う通り愚の骨頂だが、
いつもの彼女なら斬ってしまうだろう。
自分が優先すべきことのためなら仲間に隠し事するし利用もする。
それは遠征の時の彼女の行動から考える事ができる。
近界で育った彼女の思考、行動力、攻撃性を信じるなら何かあると考える方がいい。
考えられる可能性は全て考え対策をする。
その考え方は桜花にも分かる。だけど今言われてるのは全て空論でしかない。
確定付ける証拠は何もないのだ。
本日イライラしっ放しな桜花は可能であれば爆発してしまいたいくらいだったが、
感情を抑えつけ冷静に努める。
「私には答えられるものなんて何もないわよ」
話は平行線だ。
この事を予想していたのか城戸、そして鬼怒田が遊真に視線を向ける。
遊真が呼ばれたのは彼女が嘘をついていないか見極めるためらしい。
ここまでの話の中、桜花の発言には嘘も本当も混じっていた。
それは城戸達が感じたものと同じはずだ。
桜花は何か隠し事をしている。
だからそれらの事には触れず遊真は最後の桜花の言葉に対して答えた。
「答えられるものがないのは本当だぞ」
何かあるのは分かっているのにこれ以上話が進まない事に対しての苛立ちか、
三輪と二宮が舌打ちした。
「このままだと人型への対策が立てられませんね」
「敵なんだから片っ端から斬ればいいんじゃないの」
「ぼくは反対です」
今まで黙っていた修が声を上げる。
何の進展もなく、立ち往生するしかない今の状況を打破するためなら、
どんな意見でも聞いてくれるはずだ。
そのはっきりとした声には意志が感じられる。
修がこの場にいるのだから終始黙っているとは思ってもいなかったが、
絶妙なタイミングを狙って発言する修の計算力には脱帽する。
「何故だね」
「皆さんが言う人型に、近界民じゃない人間がいるからです」
「!?」
今話していたのは人型がトリオン兵かトリガー使いかという話だったはずだ。
修の発言をそのまま受け止めるならつまりそういうことなのだろう。
だが、思ってもいなかった情報が飛び込んできて場は少し混乱する。
「近界民じゃない、だと?」
「ぼく達が交戦した人型は近界民じゃなくこちら側の人間でした」
「その根拠は?」
「それはその子が……」
「わたしの友達だからです」
今まで一言も発しなかった千佳が初めて発言する。
千佳の言葉に、そういえばこの少女は近界民に攫われた友達を助けるために、
ボーダーに入隊したことを上層部は思い出した。
堂々とした物言い、迷いのない瞳。
見間違いではなく本物だということを告げていた。
それでも状況を正確に把握するために聞かなくてはいけない。
「見間違いでは…?」
「違います。あの子は……青葉ちゃんでした。間違いありません」
「つまり今回攻めてきている国は第一次大規模侵攻またはそれよりも前に侵攻してきた国だという事か」
「恐らくは。そして攫われた人間なら奪還するチャンスでもあります。
ぼくは人型に対して、
こちら側の人間の者が戦っている可能性を考慮して動く必要があると思います」
倒すだけでも厄介だというのに、新たに持ってきた修達の情報により、
更なる対策を迫られる。
人型がトリオン兵かトリガー使いか見分けるのも大変なのにそれが捕虜だった者かどうかを見極め救出するのは、
先程桜花と話し合っていた案件以上に難易度が高い。
その対応策をすぐに考えるのは難しい。
反応に困るこの局面で誰よりも先に発言したのは玉狛第二と一緒にきた桜花だった。
「私は反対よ」
これはこの場に来る前に玉狛第二と口論したことだ。
それをもう一度繰り返すのは面倒極まりないが、
上が決定する前にはっきりさせる必要がある。
「さっきも言ったけど、敵として目の前に立っている以上斬るべきよ。
救出することを念頭に動いていたらどうしても攻めが甘くなるわ。
その隙を襲われたら今以上にボーダーに被害が及ぶんじゃないの?」
「目の前に助けたい人がいるんです。
それを見捨てろって言うんですか!?」
「そうよ。少なくても千佳の友達は助けを求めてなんていなかった。
助ける必要はないでしょ」
「……桜花さんに確認したい事があります」
「なに」
「捕虜が兵士の道を選んだ時、敵に助けを求めますか?」
「求めないわよ」
「どうしてですか?」
「求めないようにシステム化されているからよ。
欲を満たすか力で従えるか場所によるけど、
大体はその国での生活は保障されているもの。
助けを求めた先で本当に助けてくれるかどうかなんて分からない。
その場で殺されるか、助かってもその国でどんな待遇を受けるか分からない。
力がないと生きていけないと知っている人間が、
自ら知らない土地へ行きたがることはそうはないわ。
運に頼るより、今いるところで生きていく方法を学んでいく方が堅実的」
「では、自分が戦っている相手が母国だと知らなかった場合はどうしますか?」
「それは……」
桜花は一瞬返答するのに躊躇う。
いつの間にか修に誘導されている。
これに乗るか乗らないかはほんの些細な事ではあるが、
自分より年下にしてやられている感じがして少し癪だった。
「その時の状況や、属する国にどれだけ忠誠を誓っているかにはなるけど……。
忠誠を誓ってなくて助けを求められる状況なら求めるんじゃない?」
「だと思います。
桜花さんが言うように、彼女は助けを求めなかった。
だけど千佳に反応してそのまま撤退しました。
それは彼女が自分が戦っている国を知らなかった可能性、
そして千佳に対して敵意を持っていない…我々に敵意はない可能性があるのではないですか?」
甘い夢や理想ばかり言う、他人のために真っ先に動く人間は真っ先に死んでいく。
桜花はそういう人間をたくさん見てきた。
だからだろう。
桜花は修の意見をばっさりと切り捨てた。
「修――アンタ早死にするわよ」
その話はこれでお終いだと切り捨てたはずだった。
だけど修を援護したのは意外にも遊真だった。
「桜花さん、それは言っても無駄。
オサム、そうなるの分かってても助けに行くから」
学校にトリオン兵が襲ってきた時、学友のためにボーダーの規則違反だと分かってて彼はトリガーを起動して戦った。
アフトクラトルが攻めてきた時も自分の命を省みず、千佳のために戦った。
その事実を知っている桜花以外のボーダー隊員は真面目な彼の真っ直ぐなほどの頑固なところを知っている。
今はまだ力なき青年の理想論に呆れはしても笑いはしなかった。
ボーダーにいる者の大半は“助けたい誰かのため”、“守りたい誰かのため”に入隊し、そして戦っているのだ。
目の前にある最善を選ばなくてはいけない状況は残念ながら発生する。
しかし“誰かを助けたい”、“誰かを守りたい”。
その根底は変わらない。

話は進んでいないが、
千佳の友達を助けようとういう流れに傾いているのだけは分かる。
そうさせたのは紛れもなく修で、
桜花が本気で修達の意見に真っ向から反対したために生まれたものでもある。
これを計算していたのなら、
流石、麟児が家庭教師をしていただけはある。が、
実際のところ桜花には分からない。
流れ的に恐らくは助けるためにはどうすればいいかという話になるのだろう。
だからといって助けようと断言できるほど、ことは簡単ではないのは誰もが分かっていた。
「この件に関して明星隊員、三雲隊員二人の意見を聞いて考慮すべき問題だと判断する。
しかし判断するには情報が足りない。
鬼怒田開発室長」
「できる限りはやるわい」
「お願いする」

会議は一時中断することになった。

まだ続くのか桜花はげんなりした。
鬼怒田が遊真を呼び止めているのを見て、
とりあえず自分は休める時に休んでおこうと部屋を出た。


20170320


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