12.情報収集へ

 白い石造りの通りや広場に緑の映える町並みが夕暮れに染まる時刻が差し迫る頃、町に足を踏み入れる。旅人を迎える宿屋から食欲を刺激されるような薫りが漂ってくる。すっかりお腹を空かせたコーダがふらふらと吸い寄せられるように宿屋へ入ろうとしたので飼い主のイリアがさせるものかととっ捕まえた。
 往来に佇んでいる訳にも行かないので、サッと脇道に逸れて裏通りへと入る。
 ナーオスはレグヌムとは違い、教会の権威が高い頃に作られた教会の中心地となっている町だ。現在は王都のお膝元──もとい、支配下にあるため近辺に基地はあるものの戦争に戦力を割いているためこの町に兵士は居ない。そのお蔭か王都よりは重圧的な空気ではないが、町の人々は常に異物に怯えているように見受けられた。そんな町の中でつい先日適応法で連行された聖女と呼ばれている程の有名人であるアンジュは人目に付く訳にはいかない。完全に見られないことは難しくとも避けなければ。
 身を隠す場所に当てがあると言っていたスパーダが先導して町の奥地にある民家へと案内すると言い出したところでルカとイリアが顔を見合わせ、笑いを堪えるようにふるふると震え出した。そして、「早速行こうよ、お坊ちゃま!」と見事にハモってからイリアが溜まらず吹き出す。その笑いに反してスパーダは恥ずかしさと怒りで拳をわなわなと震わせる。
 ミルファは幼馴染なので驚くことはなかったが、アンジュとリカルドは意外だと眼を丸くさせた。
 別に隠し通したいほどでもないが、スパーダは自分の家や境遇に対してあまり良い思いをしていない。基本的に自分のことを自ら話さないためこういう機会がなければ知られることもなかっただろう。
 だいぶからかわれたんだろうなぁ、とミルファがふふっと笑いながらスパーダ達三人の仲睦まじい様子を見ていると、町外れにあるこじんまりとした民家に辿り着いた。
 スパーダが何の躊躇いもなく中へ入るので、勝手に入っちゃいけないんじゃ……と慌てて止めようとしたところで彼が一声呼ぶと奥からミルファも見知った顔である人物がひょっこり顔を出した。

「……! ハルトマンさん!」
「おお! ミルファ様! お元気になられたのですね」

 呼んだスパーダよりも早くミルファが反応し、喜びと驚きに声を弾ませる。スパーダが家に帰らなくなってからハルトマンが執事を辞めたことを知ったので碌な挨拶も出来ず仕舞いだったのでとても嬉しくて仕方がない。
 幼い頃、よくスパーダと彼が一緒に遊びに来てくれていたのを思い出す。
 穏やかな笑顔が特徴的でスパーダが実の兄達に嫌なことをされてるのを助けてくれていた、とても義と優しさに溢れる人で、厳しい一面もあれど、いつも微笑みを向けてくれていたことをミルファは今でも鮮明に覚えている。
 呆気に取られる仲間に気付かず、お元気でしたか? お身体は大丈夫ですか? と質問攻めするミルファ。このままだと玄関先で立ちっぱなしになってしまうと察したスパーダがまた世話にならせてくれという旨を簡潔に状況を説明して頼み、部屋に上がらせてもらう事になった。

「お前が倒れた時、偶然会って匿って貰ったんだよ。夜遅くまで看てくれてたんだぜ」
「そうだったの……!? ハ、ハルトマンさん、ごめんなさい。本当にありがとうございました……!」
「いえいえとんでも御座いません! ミルファ様が元気になられて私も嬉しゅう御座いますからな」

 ハルトマンはスパーダが誰よりもミルファの身を案じて夜中まで様子を見守っていたのを知っているのでそれを話そうとしたが、実は……と切り出した時に察したスパーダに、言うな! と目線で制されてしまうのだった。
 うぐぐ、と恥ずかしさを隠すように顔を歪ませた彼を見てくすりと笑みを漏らし、茶と夕飯の用意をすると言いハルトマンはキッチンへ姿を消した。
 通されたリビングに並ぶ木目のテーブルと椅子があり、そこに腰を下ろして軽く何度か会話のキャッチボールを繰り返すと茶が運ばれてきた。ものの数分のことだったので全員が驚く。
 早く早くとせがむコーダへ最初に茶を注いでくれたハルトマンの手伝いをミルファとアンジュが申し出るが、したくてしていることだから座っていてくれた方が嬉しいと笑顔で言われてしまったので、その気持ちが込もったお茶を美味しく頂くことにした。

「それにしても……ミルファはお嬢様だったのね」
「う、うん、一応だけど」
「そしてベルフォルマはお坊ちゃま……か。フィオリーゼとは違って似合わんな」
「ケッ。うっせーよ」

 ミルファも隠していた訳ではないが、自分自身の力で貴族になったのではない上に、家の話となるとどうしても両親の教育を思い出してしまうので口にすることが出来なかった。
 花の楯と呼ばれるフィオリーゼ家は、王の剣ベルフォルマ家と並ぶほどの名家だと賞されている。矛と盾としてレグヌムの守護を任される程に名高い。代々騎士を輩出し奮闘していたが、ここ近年は枝のように伸び、様々なことに手を広げ名を咲かせていることから花に関する名前を付けられたからだと、ミルファはハルクスから聞いたことがあった。
 人の欲というのはどこまでも尽きることはない。食欲や睡眠、物欲、出世欲など──彼女の両親はそれが顕著に表れているのだろう。自分の兄達はそのお蔭もあって出世し今騎士として人々のために剣を振るっているのだから、ただ一人女として生まれた自分も家のためにと育てられるのは仕方のないことだと思って生きてきたのだ。
(ずっとずっと、こんな時間が続けばいいのにな……)
 少し冷めてきた茶で唇を潤わせて波紋の広がるカップの中を見詰めていると、心すら満たされるほどの食欲をそそる良い薫りと共に料理が運ばれて来た。
 サーモンのムニエルやヴィシソワーズにハーブソーセージ、サラダにフランスパン……他にも数えきれないほどの品数に目を瞬かせる。一人で準備するには量が多すぎるが、それを割と早く用意できてしまえるのは流石元執事というべきなのか。
 満腹感どころか早くありつきたいという思いから空腹感が増し、優しい味付けの料理を遠慮なく頂く。口の中に広がる幸せな味に元気を取り戻していくようだ。
 カチャカチャとフォークやスプーン、ナイフの音や美味しいという声がわいわいと膨れ上がる中で、少しずつではあるがこれからの事について話を進めることになった。

「その……リカルドのこと全然知らないままだから知りたいなって思うんだけど……」
「俺か。……リカルド・ソルダート。傭兵をしている。前世は死神ヒュプノス──このくらいしか話すことがないな」
「忘れてンぜ、リカルド。誰からアンジュを連れて来るよう依頼されたかって話をよ」

 プラプラとフォークを揺らしてリカルドの方を差すスパーダにミルファはお行儀良くないよ、と眉を下げる。へいへいと言い持ち直したかと思うと、皿に盛られていたローストビーフの最後のひと切れをサッと取り口に運んだ。
 スパーダの言葉に、そういえばそうだったと言うように少し視線を明後日の方に向けたリカルドは、守秘義務があるのだがなと小言を吐きはしたが受けた依頼について話し始めた。
 目を見張るほどの大金を詰みリカルドへ依頼を申し込んだのはアルベールという名前の貴族。貴族の間では有名なテノスの大貴族だったはずだとミルファは記憶を掘り起こす。確か両親が話しているのを聞いた覚えがある、と。
 仕事ならばと大金を受け取らない訳にも行かず、居場所と名前を伝えられて赴いただけでその男と親しくはない。契約上だけの関係だけだったとリカルドは言った。
 ……目的が分からない。目的とされたアンジュでさえその男と面識がないというのだ。全員でうーん、と唸り考える。結論が出ないか、と諦めかけたとき、ルカがぽつりとひらめきを溢した。

「マティウスみたいに……転生者を集めてるのかも」
「確か、宗教団体アルカの教祖ね」

 教会に属しているアンジュがその名に反応を示し、アルカ教団について話し始め──やがて様々な歴史の話へ発展していった。真剣に話をしているのはルカとアンジュとミルファだけで、他の者は今のうちにと食事に戻ってしまう。
 教会が奇跡の力である天術を使えなくなり、独占していた権威を失った、無恵というもの。教会という場所は天上に居られる神へ許しを乞うため、人々の拠り所となるべく造られたものであったと。そうして切り捨てられた地上人だが、彼らをも救おうとしていたのがアスラという戦神だったという。
 天上には二つの世界があった。アスラはセンサスに。イナンナはラティオに。敵同士であったが、イナンナがセンサスへ亡命したことで二人は恋に落ちて──という恋愛小説にありそうなロマンティックな展開にミルファとアンジュはほう……と胸を躍らせ、ルカは自身の前世の出来事ににんまりと緩んだ頬が締まらない。当事者であるイリアの前世の話ではあるが、自身の話ではないからと興味なさげに分厚い肉に被りつく彼女にルカは肩を落とした。

「んなことより、マティウスと言えば創世力よ。あいつ、何かソレを探してるっぽいし」
「そういえば、アルベールも俺が転生者だと分かったときに創世力を知っているかと聞いてきたな」
「マジかよ、共通点あんじゃねーか」

 初めて聞く言葉だった。誰も詳しくは知らないもので、名前を聞く限り何か壮大な力であることしか想像がつかない。
 創世力を狙うマティウスはイリアの村を襲った者だ。そんな教会の指導者として立つ者がそのような神の意に背く道を選ぶなんて同じ信仰者として許しておけないとアンジュは静かに憤る。そして──。

「そ、そうだわ! 創世力!」
「わぁっ!? ど、どうしたのアンジュちゃん大きな声出して……?」

 フォークを片手にしたまま、ああっ! ととても大切な何かを思い出したのだろうなと誰もが分かるほどの大きな声と共にアンジュはガタンと椅子を鳴らして席を立った。
 音達と彼女の様子に驚いたミルファがドッドッと鳴る心臓を抑えるようにして目を丸くさせていると、アンジュはしずしずと何事もなかったかのように座り直し、仕切り直しの合図にコホンとひとつわざとらしい咳払いをした。その慌て様に仲間たちは只事ではないということを察し、言葉を待つ。

「……思い出したの! 創世力は天上界が滅んだ原因よ!」

 な、なんだってー!? と言わんばかりに、突然明かされた事実に全員が衝撃を受ける──が、そういえばそうだったと同調する記憶所持者は居ない。全員が全員、歴史の同じ箇所まで記憶を保持している訳ではなく個人差があるのだろう。
 創世力という世界を滅ぼす力の存在にすらピンと来ていないのに、それが天上を滅ぼした物で、今は地上にあって、マティウスやアルベールが力を手にしようとしているかもしれない──と判明したところで何も分からない。分からないことだらけだ。
 何故そんな危険なものが今この地上にあるのかというのは妥当に考えれば天上界が滅んだ時に支えを失って地上に落ちたからと云えるだろう。これも結局憶測でしかないが。
 ただ。ひとつ。世界を崩壊させるほどの力を悪事に使わせるのはまずいということだけははっきりしている。ならば。
 アルカ教団の後ろ盾には枢密院という教会勢力の最高機関が。テノスには大きな軍隊がある。容易な道ではないが、世界を滅ぼさせないためにも自分達が先に見つけてしまおう。そう各々の中で結論が出た。満場一致というやつだ。

「決まったわね。じゃあ明日は聞き込みよ! 王都レグヌムで!」

 イリアがやる気満々といったように拳を挙げ士気を高めようとし、ミルファが呼応するように「おー!」と笑顔で拳を挙げた……が、他の仲間達は怪訝そうにしている。
 それもそうだろう。確かに王都は人が多く情報が集まる場所でもあるので情報収集には打ってつけだ。しかし、レグヌムは王都兵が他の地方に比べて多く居るというのにそんな所へ行って情報が期待出来るのかが疑問なのだ。レグヌムの適応法に対する厳重さはこの場に居る三人もの出身者が身をもって証明している。隠れている者は居るだろうが、居たとしてその人が危険を冒してこちらの要望に応えて情報を出すメリットもない。レグヌムで情報を集めるのは現実的とは言えないのだ。
 仲間達から立て続けに行動するための安心材料が足りていないことを突かれて言い返す材料がないイリアは、そのために行くんでしょうが! と自棄になって席を立つ。
 闇雲に情報を求めて様々な土地へ飛び立つ訳にもいかないので、可能性が少しでも高い選択をするべきだということでイリアの意見に今更ながら賛同する。……が、散々、尽く自分の意見を否定されたイリアの機嫌は就寝直前までなかなか良くならなかったのは語るまでもなくわかり切ったことである。





 ガヤガヤと人が行き交う。さすが王都というだけあって戦の最中であろうと関係なく他国からも人が押し寄せているようだ。船着場やレグヌム間を走る列車、今まさに門を潜ったルカ達一行のようにそこを通る者は絶えない。
 本当にこんな町中に転生者が隠れていられるのか甚だ疑問ではあるが、それに懸けてここまで来たのだからと、とりあえず人混みに紛れて軽く練り歩いてみる。当然だが行く人行く人普通の人にしか見えない。それは他者から見た彼等もそうであるということ。まさか一人一人に転生者かどうか尋ね回る訳にもいかない。非現実的でリスキー過ぎる。どうしようかと全員が目線で仲間に訴えると、早速遭遇したくない者が姿を現す。
 ──王都兵だ。見廻り中のようでキョロキョロと辺りを見渡している。加えて、慎重なことで二人体制だ。もし気付かれてしまえば、片方に足止めされ、片方が応援を呼び増援が来て捕まり牢屋入り──という最悪の事態になりかねない。何処か身を隠す場所を探すべきだと全員がそう思った。
(……あ。あそこ、どうかな)
 身を隠す場所。秘密の場所。誰にも見つからない場所。出身であるレグヌムだがミルファは何も知らない。それでも今必要な場所は分かった。重圧、束縛、責務で造られた籠から逃げて潜んでいた──いつもの場所。あそこならそう易々と見つからない筈だ。
 ミルファが思い付いたのと同時にスパーダも何か思い付いたようで、やはり幼馴染と言うべきか考えることは同じだった。突然身を翻して「こっちだ」と言い彼が先導し行き着いたのは工業地区にあるマンホール。
 普段から人の通りは殆どないとはいえ今見つかる訳にはいかないので人が居ないのを確認してからガコン、と蓋を退けて入り口を開く。あまり宜しくない臭いが湿気を帯びて漂って来て下水道だと分かった途端、イリアとアンジュが不快感から顔をしかめた。文句を言っていられない状況とはいえ、誰も喜んで下水道に入りたがらないから当然といえば当然の反応だ。

「小さいけど部屋もあるし、そこに入れば臭いはそこまで気にならなくなるよ」
「えっ、ミルファここ入ったことあるの?」
「ま、意外だろうけどここによく入り浸ってたぜ。オレ達」

 ルカが信じられないといった目でミルファを見る。貴族のお嬢様がドブ臭い場所に自ら赴くなんて、と。しかし、ハッとした。偶然盗み聞きして知った彼女の事情を思い出し、こんな所にでも逃げ出したくなるほどの境遇なんだと察し、それ以上言葉が浮かばず「そっか」としか返せない。
 突然曇ったルカの表情を不思議に思ったミルファだが、彼女は自分の家の事情を聞かれたことを知らないので察することが出来ず首を傾げる。
 リカルドがその様子に気付くこともなく早速情報収集に動くべきだと切り出し、話は進む。
 一人で行動するのは危険なので二人一組になること。一時間以内にはこの場所に戻って定期的に連絡を取り合うこと。こうすることである程度の安全は確保出来るだろう。

「コーダも情報収集するんだなー、しかし」
「は? アンタに何が出来るってのよ」
「ま、まあ、人数は多いに越したことはないし……」

 相変わらず神出鬼没なコーダの気まぐれをルカが否定しなかったことで、このイリアのペットも頭数に入れることとなってしまいそうになる。では肯定したルカが責任を持って連れて行けばいいと暗に押し付け、イリアはアンジュの手を取って店が並ぶ商店街の中へと走って行く。取った者勝ちだと言うように、べっと赤い舌を出してつっけんどんな態度を晒し二人は人混みの中に姿を消した。

「こうなれば、俺は一人で行動させて貰おう」
「アンタはどこ行くんだよ?」
「ここ周辺を見回りがてら情報も集める」

 黒い烏のようなコートを背にどんどん姿を小さくしていくリカルドを見送るが、一人にしても大丈夫かなとミルファは心配する。傭兵の仕事もしていたことだし、他の誰かが一人になるよりは良いのかもしれないとルカとスパーダは言った。
 ……となると、必然的にスパーダとミルファが行動を共にすることになる。しかし本当にルカとコーダ二人で大丈夫なのかスパーダとミルファは思ったが……。

「ルカ、あっちから良い匂いがするんだな〜しかし。行くぞ」
「えっ、あ、ちょっ……コ、コーダ、そっちは住宅地区……っ」
「……行っちゃった」

 家庭で作られている食事の匂いに誘われたコーダにルカは半ば引き摺られるような形でレグヌムの一般市民が暮らしている住宅の並ぶ区へと連れて行かれてしまった。
 二人というより一人と一匹。その上、ルカの生まれ育った家があるであろう住宅地区へ行くだなんて危険ではないだろうか。見つかる確率が高いのでは。おろおろとするミルファの背中をスパーダは軽くトンと押し、心配ないと宥めた。

「ルカはまだガキだけど、今が帰るべきじゃないってことは分かってる筈だ。信じようぜ」
「うん。でも……ルカくんとわたし達、二歳しか違わないよ?」
「うっせ。それでもオレよかガキだ」
「ふふ」

 初対面の頃よりは打ち解けているとは思っていたが、ルカとスパーダが絆のような何かで通じ合っているのがわかった。戦いの中でもよく背を預け合っているし連携を取ることが多い。初めは怯えていたルカも最近はそこまでスパーダにビクビクすることが減っている。いつの間に仲良くなったんだろう、とミルファは少ししょんぼりとした気持ちを抱いた。男同士の友情が羨ましいのだ。
 スパーダから言わせれば、ミルファとイリアがよくスキンシップを取っているのも嬉しい反面少々羨ましかったりするのだが。

「っし……。オレらも行くか」
「貴族区の方?」
「ばーか。そんなとこに居たら袋の鼠だろ。あっちだよ、あっち」

 スパーダが指差した方に見えるのは観光客もよく足を運ぶ大きな駅だった。レグヌムの駅には蒸気機関車が通っており、それ見たさにナーオスは勿論、他国からやって来る人が多いという声があると新聞の記事に載っていたこともある。その場所ならもしかしたら、もしかするかもしれない。
 二人は町の東側にある駅に向かって歩き始めた。

hitsujitohana