12.一方通行※


最近、黄瀬がかまってくれない。

「黄瀬、お昼何食べ…」
「あーごめん名前っち!オレ今日も約束あるんスよー」
「そっか…」

ほらね。なにこの勝手に私が振られてるみたいな状況、むかつくんですけど。この間までうざいくらいくっついてきてむしろ逆の立場だったのに突然どうした?そりゃあ慰めてもらった後ソッコーで青峰先生とヤッたのはなんてゆーか自分でもどうかなとか思ったよ?でもそれも仕方ないって言ってくれたし何があっても私の味方って言ってくれてなかったっけ?あれ幻?手のひら返しが凄すぎてI◯KOさんもびっくりだよ。

まあでもあれかな、もしかしたら好きな子とやらと上手くいってるとかそーゆー系かな。確実にその相手が私っていう線は消えましたけど。もう、お姉さんがすごいそれっぽく勘違いするようなこと言ってくるからまんまとその気になっちゃってたじゃんいやほんのちょっとだけどまじで。そうだよね、黄瀬が私をなんてあるわけないよね、あー恥ずかし。

むかつくので黄瀬の席と少し机を離して1人でお昼休みを過ごした。青峰先生は会議だから会えないし、あー退屈…。いつもは青峰先生といちゃいちゃしたり黄瀬とお喋りして楽しく過ごしてたから昼休みってあっとゆー間に終わる気がしてたけど、過ごし方ひとつでこんなに時間が長く感じるなんて。苦痛じゃ…


やっと昼休みが終わり午後の授業。まあ授業といっても自習で来月の文化祭に向けての役割決めとかするらしいけど、なんかそーゆー気分じゃないんだよね。どうせ黄瀬を誘ったところで避けやがるんだろうし。ほんとなんなん黄瀬、裏切り者チャラ男女好きヤリチンばーかばーか。もういいや、知らない。

もう余ったやつでいいやーてきとーに決めてくれやーって投げやりになりながら楽しそうにわちゃわちゃしてる教室を冷めた目で見渡しため息をこぼすとクラスの男子に手招きされた。めんどくせーな、用があんならてめーで来いや。と思ってしまう私はさすがにやさぐれすぎだろうか。

「なに?」
「苗字やりたいやつとかもう決めた?」
「まだだけど」
「じゃあさ、オレらと一緒に呼び込みやんない?まあ主にビラ配りと教室の前での呼び込み兼受付なんだけど」
「なんで私?」
「だってお前ぼっちだったし」
「あ?」

確かにそうだけど人に言われるとむかつくし傷つくんですけど!同じく呼び込み係をやるであろう他のやつらにもぎゃははと笑われるしこいつらうぜえーー。

「なあ、黄瀬とケンカでもしたの?なんか最近一緒にいなくね?」
「さあ、知らない…呼び込みと受付だよね?いいよ、やるやる」
「マジ?助かるわー女子みんなウェイトレス希望じゃん?まあ狙いは見え見えだけど」
「ああ…」

黄瀬のほうをチラリと見れば相変わらず女の子に囲まれて楽しそうにやっている。ちゃっかり私の椅子に座ってる子までいるし。おい、もう戻ってくんなってか。黄瀬も黄瀬だよ、いちいち騒がれんの疲れるとか言ってたくせにまんざらでもない顔しちゃってさ…

うちのクラスはコスプレカフェをやるということに先週決まった。文化祭が10月だからハロウィンに乗じてコスプレはどうかという女子たちの意見が通ったのだ。ウェイトレス、ウェイターは各々好きなコスプレをして接客し教室内にはSNS映えしそうなフレームを作って置いたり様々なコスプレグッズを用意してお客さんにもコスプレして楽しんでもらうというのがテーマらしい。

そしてうちで2000円以上使ってくれた人は好きなスタッフとコスプレ写真が撮れるという、うちのクラスの目玉商品でもある黄瀬が活躍すること間違いなしの企画も用意されている。黄瀬と一緒に働きたいクラスの女子たちもこぞってウェイトレスを志願し一部ではすでに軽く揉め事になっている。

「当日、黄瀬ファンですごいことになりそうだね…」
「だよなー。まあ、だからこそ呼び込み選んだんだけど。外回りながら自由時間以外もサボれるし、良くね?」
「ほう。お主も悪よのう…」
「いえいえ、お代官様ほどでは」
「ふっふっふ…って私何も悪くなくね?」
「ははは、まあ共犯ってことで。つーかビラ用のイラストとか描ける?オレら誰も描けねーんだよ」
「私落書き程度なら描けるよー」
「落書き程度かよ。じゃあこの中で誰がいちばん上手いか絵心対決しよーぜ」
「よっしゃー負けねー!!」

そんな感じでなんだかんだ楽しく自習時間は終わった。あ、そういえば当日青峰先生は何するんだろう。一緒に回るのは無理だとしても、何かしら思い出作れたらいいなぁ…


「文化祭?あー…クッソだりーよなー地球滅亡してほしい」
「え、そんな?」
「オレここで寝てっからなんかテキトーに美味そーなもん買ってきて」
「はい…」

先生が女子生徒たちに騒がれるのは嫌だけど、せっかくの文化祭なんだからもうちょっと楽しめばいいのに、と同じくあまり文化祭に乗り気ではない私でさえ思ってしまう。てゆーか青峰先生のコスプレが見たいんですけど、私。こっそりクラス委員の子に青峰先生コスプレ案提案してみようかな。あーでもそうなったらまたファン増えちゃうよねーんーどうしたらいいんだ…

・・・

それから少しずつ文化祭に向けた準備が始まり徐々に校内はお祭りムードに。うちのクラスはコスプレカフェだからみんな何のコスプレをするかと黄瀬が何を着るのかって話題で連日賑わっている。

きゃぴるのもいいけど手を動かしなさいよ手を、と思いながらも反感を買うのを恐れて言えず黙々とフレームの色を塗る文化祭前日の放課後。結局呼び込みチームは絵心のないやつばかりが集ってしまったためクラスで絵の上手い子にお願いして描いてもらうことになり、我々は当日までやることがないので制作チームのお手伝い。

「苗字さん、よかったらこれ味見してみてくれない?」
「わあ、かわいい!このケーキ明日出すやつ?」
「そう!かわいく写真に思い出を残してもらうのがテーマだから、料理も見た目にこだわってるんだよね」
「へぇ…!なんか食べるのもったいないけど、じゃあいただきまー…」
「お、いいもんあんじゃん」
「えっちょっ…青峰先生!?」

私がキッチン担当の女子からもらったケーキはあっという間に青峰先生の口の中へ。うー青峰先生といえど許しがたい…!

「ちょっとぉ!それ私が貰ったんですよー?」
「あ?食っちまったもんはしょーがねーだろ」
「そうですけど…そうですけどぉ!」
「ふふ、他にも余ってるやつあるか見てくるね」
「え!!いいのお!?」
「うん、ちょっと待ってて」
「ありがとぉ…!!」

すごい、女子力の塊ってあーゆー子のことを言うんだろうなぁ。またの名を癒し系女子。優しくて、料理上手で、笑顔が可愛くて…うーん…なれる気がしない。

「お前とは真逆だな」
「う…だって先生が私のケーキ食べるから!」
「お前のもんはオレのもんだしお前もオレのもん。だろ?」

イケメンなジャイアンもとい青峰先生は、ガヤガヤしているとはいえクラスメイトたちがいるのに私にだけ聞こえるように至近距離でそう囁くとにやりと笑って教室を出ていった。悔しい…!ケーキとハートを盗まれた私は怪盗青峰の後ろ姿を見送るのであった…

無事に小道具作りや教室の装飾も終わりみんなが「疲れたー」「腹減ったー」などと騒ぎながらぞろぞろ帰り出す。いやぁ…うだうだ言ってたけどなんか青春だなぁ。よし、青峰先生にも写メ送ってあーげよ。教室全体とー…おお夕焼けがいい感じ…あとこの力作イン◯タ風フレーム…んーもうちょっとこうして…てこれじゃ逆光だわこっちに移動させて…っておわっ…!!

上手く撮ろうとして立て掛けてある乾かし中のフレームを動かしたら思いっきり私のほうに倒れてきた。…やばい。やばい×100。全身で受け止めたから壊してはいないものの制服と顔面にペンキがついてフレームのほうもひどいことになっている。どうしようみんなで頑張って作ったやつなのに…。申し訳なさすぎてみんなに頼むこともできないし、でも1人じゃきっと間に合わない…ああでも時間ないしとりあえずやれるとこまでやらなきゃ…

下敷きでパタパタ乾かして、乾いたところから上塗りしていく。あーもうなにやってんだ私…泣きそう。

泣いてる場合じゃないのにじわっと滲んでくる涙を堪えながら作業していると教室のドアがガラッと開いたのでビクッと肩が震えた。あーやばい誰か戻ってきたのかな、とりあえず謝らなきゃ。

「名前っち…?」
「あっ…」
「わーちょっと…どうしたんスか!?」
「あー…これ…みんなで作ったんだけど、立て掛けて乾かしてあったやつ動かしたら倒れてきちゃって。ごめんね、明日までにはなんとかするから」
「大丈夫?ケガしてない?」
「あ、うん…そんな重いものでもないし。あんたは?」
「買い出し行ってたんスよ。あーもう、汚れちゃってんじゃないっスか…ちょっと待ってて」

黄瀬はフレームよりも真っ先に私の心配をしてくれた。黄瀬だってクラスの一員だ、責めたりこうなった経緯を問い詰めたっておかしくないのに。戻ってきた黄瀬は濡らしたタオルで私の顔を拭いてくれる。避けたり優しくしてきたり、よくわかんないやつ。

「それにしても…ぶはっ!!随分派手にやったっスねー」
「もう、笑いすぎだし」
「だってどうやったらこんなんなるんスかー名前っちある意味才能っスね」

こんだけ笑われると今自分がどんな顔晒してんのか気になってくる。でも、それより久しぶりに黄瀬が笑顔を向けてくれたことにほっとしてる。

「よかった」
「え?」
「黄瀬、私のこと避けてんのかと思ってたから…」
「別に、避けてねっスよ…」
「本当?」
「…本当っス」

なんだ今の間は。そしてなぜ赤くなる。そのせいで至近距離で見つめ合ってるってことに気づいた私までなんか赤面しちゃうじゃん!

「ほら、もう全部乾いたんじゃないっスか。2人でやればすぐ終わるっスよ、顔も綺麗になったし」
「ん、ありがとう」

頬に当てていた手を離した黄瀬は腕まくりをして当たり前のように手伝ってくれる。本当はさっき、一番に黄瀬の顔が浮かんだ。けどもし断られたら…と思うと怖くて連絡しなかったんだ。別にケンカをしたわけでもないのになんとなく話さなくなって、そんな時間が増えるにつれて私たちの関係も変わってしまうのかと思っていた。隣にいるのにすごく遠い人みたいに感じていたけど、私の考えすぎだったのかな。ああ、黄瀬といるこの空気、やっぱ好きだなぁ。黄瀬と一緒に文化祭の思い出ができてよかった。

「黄瀬、明日なんのコスプレすんの?」
「んー秘密っス」
「ウザ」
「あはは、名前っちは?」
「教えるわけねーじゃん」
「えーけちー!」
「よく言うわ。てゆーかわかんないんだよね、呼び込み係の人たちが買ってきてくれたのてきとーに着ることにしたから」
「呼び込み係って名前っち以外男じゃん」
「うん?だから?」
「いや…いいんスか?変なやつ着させられるかもしんないっスよ?」
「んーまあ大丈夫っしょ。そこまで親しい人いないし、気遣って無難な感じのやつ買ってきてくれるんじゃない?」
「ふぅん…」

…いや、だからなんでそこでまた機嫌悪くなんの。もう、誰か黄瀬のトリセツをください。

・・・

そんなこんなで文化祭当日。全校女子の投票により決定されたらしい貴族コスの黄瀬に朝から女子は大盛り上がり。これうちのクラス売り上げトップになれるんじゃない?と思ってしまうほど悔しいけど黄瀬貴族verはカッコイイ。私も呼び込みの男子が買ってきた黒猫コスを身にまとって準備をする。

「名前っち」

振り返るとそこには神々しく輝くキセリョ伯爵。

「なに?」
「見て見て、オレの衣装。似合ってる?」
「そんなん女子の反応見ればわかるでしょ。あんたも欲しがるねぇ」
「もー名前っちの意地悪!素直に一言「カッコイイ」って言ってくれればいいのに!」
「めんどくさー。はいはいカッコイイです眩しいですありがとうございますー」
「言葉と顔が合ってないっス。はぁ…もういいっス。それより名前っち、今日…」
「あ、黄瀬くーん!こっち来て一緒に写真撮ろー!」
「え、あー…」
「行ってくれば?私も青峰先生に呼ばれてるし」
「うん…じゃ」

相変わらずモテるなぁ、黄瀬。なんかちょっといらっとして青峰先生の名前とか出しちゃったし、別に呼ばれてなんかないのに。あーもう、仕事しよ!そんでもって今日はいっぱい美味しいもの食べるぞー!

「苗字」
「あ、私最初外だよね?これ全部配ってみせるから!」
「あ、ああ。あのさ、外行く前にちょっと話せる?」
「?」


まじか。今まで全然何とも思ってなかったクラスの男の子に告白されてしまった。もしかして、私のこと好きだから係決めのとき誘ってくれたのかな。それってすごく勇気のいることだよね…。気持ちには応えられないくせに、片思いするつらさがわかってしまうからつい「ちょっと考えさせて」なんて言ってしまった。ああ、私のバカ…

お祭りムード全開の中ひとり自己嫌悪でへこむ私。あー帰りたい。青峰先生じゃないけど地球滅亡しろ。

どんより、からの半ばやさぐれながらビラを配っているとスマホが震えた。

「たこ焼き。焼きそば。コーラ。いつもの部屋」

あ、青峰先生だ。そういえば今日はHR以来見てないけど宣言通りサボってたんだ。「りょうかいです」っと。ちょうどそろそろ休憩だし、急いで買ってかなきゃ。


「せんせー?」

社会科準備室のドアを開けて声をかけるといつものようにソファに寝そべる先生が不機嫌そうにこちらを見る。ぎゃああ!!青峰先生アメポリコスしてる激ヤバ!!!!

「買ってきた?」
「は、はい…!!」
「…んなキラッキラの目で見られてたら食いづれーんだけど」
「だって…だって…先生がかっこよすぎるから」
「惚れ直した?」

にやりと意地悪く笑う顔にさえ心臓を鷲掴みにされる。みんなが文化祭を楽しむ中で、こんな素敵な青峰先生と2人でいられるなんて、青峰先生がだるがりでよかった。地球滅亡しなくてよかった。

「クラスの女子に無理矢理着させられたけど、こんな格好で外出れねーし腹減りまくってたんだよ…」
「あはは、でも出なくて正解かも。こんなかっこよかったら女子に囲まれて身動きとれなくなっちゃいますよ」
「女子高生に囲まれる、か。悪くねーな」
「えー!?もう、たこ焼き没収です」
「はは、冗談だろ。ほら、食わせろよ」

青峰先生は私の肩を抱き寄せる。ずるい。ドキドキしすぎてやばい…!

たこ焼きを先生の口へ運ぶと、「うん、うめえ」と無邪気に笑った。可愛すぎる。こんな素の状態の先生を他の人に見せたくない。ずっと独り占めできたらいいのになぁ。

「お前も食う?」
「え!いいんですか!」
「じゃあ口開けろ」
「え…?」

青峰先生からのあーんやばい!しかも今日は青峰先生アメポリverというなんともスペシャルな仕上がり!鼻血もんや…

あーんと口を開けて見つめると、口の中に入る寸前でたこ焼きは私ではなく青峰先生の口の中へ放り込まれた。な、なんてベタなことを。

「もう、先生の意地悪!」

先生を叩いて責めようとすると私の手首を掴んだ先生はそのままソファに寝転び私は先生の上に倒れる。

「野良猫確保」
「…にゃん」

ふっと微笑む青峰先生に優しく抱き寄せられて私と先生の唇は重なった。一度離れてまた重なる唇は青峰先生にこじ開けられ舌を絡め合う。舌から伝わる熱がどんどん身体中に広がっていく。

「せんせ…私も先生に跡つけてもいい?」
「見えねーとこにしろよ」
「ん…」

先生の服の襟を開いて首筋の下の方に吸い付いた。先生の小麦色の肌、温かい体温、何度も身体を重ねてるのに好きでしょうがなくて全部が愛おしい。先生が「はぁ…」と色っぽい吐息をこぼすから私もドキドキして、どんどん自分も知らないえっちな自分になっていく。

ボタンを外して先生の乳首に舌を這わせる。ペロペロ舐めたり、チュッと何度もキスして吸ったりすると先生が「ん…」とか声を漏らしながら私の頭を撫でて気持ちよさそうにしていて嬉しくなる。そのまま下降しベルトをカチャカチャ外して先生のモノを取り出すと口に含んで手と一緒に扱く。涎をたくさんつけて、音を立てて…先生に気持ちよくなってほしくてたくさん舐めてあげる。

「あっ…その先んとこ…気持ちい…」
「ん…ここ?」
「ばかっ、出ちまうだろーが…」
「いいれふよ…出して」
「………!ぅっ…ああっ」

頭を押さえつけられて口の奥にドピュッと生暖かいものが吐き出された。う、まず…

飲み込めなくて思わず口から少し出てしまう。

「やべえ…」
「ん…?」
「エロい…」

先生の熱のこもった視線に気持ちがまた高まってゴクリと先生の精子を飲み込んだ。思わずゲホッ…とむせると先生がペットボトルを手に取り口移しで私にコーラを飲ませてくれた。

抱き上げられて先生の膝の上に跨り座らされると抱きしめられてまたキスをする。キスをしながらおっぱいを揉んだりさっき出したばかりなのに早くも硬くなっているそれを私の熱くなっているそこに押し当ててくる。

ストッキングを脱がすとワンピースの中に手を入れパンツをズラすと指で撫でてくる。

「んんっ…!」
「はっ……名前…こっち見ろ」

閉じていた目を開けて青峰先生を見つめるとグチュッと指を挿れられ思わず声が出てしまった。先生はワンピースをたくし上げるとブラのホックを外しておっぱいに吸い付く。涎をたくさんつけぢゅっ…ぢゅっ…と音を立てて強く吸われ余裕のない表情の青峰先生にめちゃくちゃにされて私もおかしくなっちゃいそう…

「ああっ…せんせ…ダメ…そんな…!声出ちゃうっ」
「我慢しろ」
「んんっ…無理…っ」
「ほら、自分で持って挿れろ…」
「やっ…ん…ああっ」

大きくなった先生の先を挿れると先生が下から突き上げてきて、私はギュッとしがみつきながら激しい揺さぶりにひたすら声を殺して喘いだ。

「ああ…お前のナカ、やべぇ…すっげー締め付けてくる…」
「だっ…て、せんせ…が…激し、からあ…っ」
「今日…すげーかわいい」

激しい揺さぶりにイキそうになると先生は一度自身を抜き私を四つん這いにさせるとパンツを膝までずりおろす。後ろから覆い被さるように抱きしめると、おっぱいを揉んだりクリを強く擦りながらまた私のナカに熱いソレをねじ込んで突き上げてくる。

「こうしてっと動物の交尾みてーだな…やらしいの太ももまで垂らして鳴いて…淫乱」
「あっあぁんっやだあ…先生っそれだめっ…!」

ソファがギシギシ鳴って肌がパンッパンッと音を立てて強くぶつかって、ソファに爪を立てながら悲鳴にも似た喘ぎ声を必死に抑える。

「あー…名前…イキそ…」
「わ、たし…も」
「こっち向け」
「んっ…」

振り向くと唇を奪われて後ろからギュッと強く抱きしめられ、奥を何度も強く突き上げられると自身を抜いた青峰先生は私のお尻に精子をかけた。


「名前」
「ん…せんせ、くすぐったい…」

事後処理をして服を整えた私たちは激しく求め合ったソファでいちゃいちゃする。今日の先生はかっこいい上に甘い。いつもは自分勝手でぶっきらぼうなくせに、たまにこーゆー面を見せてくるから私みたいなちょろいやつはまんまとその魅力にハマってしまうんだ。先生の膝の上に向かい合って座り何度もキスをしたりくすぐられたり至福の時を過ごす。

「先生」
「ん?」
「写真撮ってもいいですか」
「はあ?なんだよいきなり…」
「だって先生のコスプレ姿なんてもうきっと二度と拝めないし、今日の先生特別かっこいいんだもん」
「はぁ…女ってそーゆーの好きだよなぁ。じゃあほら、スマホよこせ」
「あっ…」

先生に乱暴に奪われた私のスマホはカシャリと音を立てて私たちを写した。

「これで満足かよ」

先生のコスプレ姿をもし撮影できたらそれを一生大事に保存しようと心に決めていたのにまさかツーショットを撮れるなんて…夢がひとつ叶っちゃったよ…!これ写真にして額に入れて部屋に飾ろう。絶対そうしよう。

「撮る前に一言くださいよー!私全然笑顔作れてないし…もう1回」
「無理」
「えー…まあいっか。来月、私誕生日なんです」
「…今度はなんだよ、写真の次はプレゼントよこせってか」
「プレゼントはいりません。ただ、よかったら先生と一緒に過ごしたいなーなんて思ったりして…ダメですかね」
「いいけど、別に。どっか行きてーとこでもあんの?」
「え!!いいんですか!?えーじゃあ、じゃあ夜景が綺麗なレストランとかっ!!」
「ベタすぎねえ?そんなんでいいの?つーか夜景ってただの電気じゃん」
「もーなんでそーゆーこと言うんですかー」
「ま、お前がそれで満足すんならいんじゃね?どっかてきとーに予約しとくわ」
「はい、お願いします!じゃあ、私そろそろ受付係の時間なんで行きますね」
「えー」
「あれ、もしかして私ともっと一緒にいたいんですか?」
「ばーか、調子のんな。さっさと行け」
「はぁい。先生、私来月すっごい楽しみにしてます。本当にプレゼントはいらないんで、当日寝坊したりしないでくださいね?」
「わーってるよ」

嬉しい気持ちを抑えきれずに自分から先生に抱きついてキスをする。「早く降りろ」と言われるのはわかってたけどなんだかんだキスを受け入れてくれる先生がやっぱ好きだなぁとか思ってにやにやしてしまう。こんな時間が続けば、私は一生幸せでいられるのに。今年の誕生日は初めて好きな人と過ごせるんだし、最高の一日にしたい。とりあえず今日は無理だから明日からダイエット始めるとして、週末は洋服も新しいの買いに行って…あ、帰りにデート特集が載ってる雑誌も買って帰ろーっと。よし、気分がいいから今いる受付係に差し入れも買って行ってやろう!

誕生日までの計画を立てながら教室へ戻ってくると案の定教室は黄瀬ファン女子で賑わっていた。

「お疲れー!交代するよ、これ差し入れのジュースどうぞ」
「お、気がきくじゃん!さすがモテる女は違うねー」
「えっ?」
「苗字告られたんだろ?あいつ係誘う前からずっとお前のこと好きだったんだぜ。まあお幸せに、これサンキューな!」
「あ、うん…」

告白、おっけーしてないんだけどなぁ。やっぱちゃんと早めに断らなきゃ…

「名前っちーもう助けて」
「わっ黄瀬…!」
「もうくたくたっスよーあ、これいただき!」
「ちょ、黄瀬それ私の…」

後ろからズシッと抱きついてきたかと思えば人が飲んでたジュースを奪い取る。てかそのストロー、今私が口つけてたやつなんですけど。黄瀬って潔癖そうに見えたけど案外そーゆーの気にしない人なんだ。てか喉渇きすぎてそれどころじゃないのか。

「あー生き返った!」
「そんなんで生き返れるんなら大したことないね」
「いやまじでしんどかったんスからー!もう撮影のとき以上の作り笑顔で表情筋つりそうっスわ」
「いいじゃん、それSNSにたくさん載せられたらまたファン増えるし黄瀬にとってもいい営業になるんじゃない?」
「…別に、ファンとかもういいんスけどね。モデルの仕事も最近あんまり入れてないし」
「そうなの?まあ大変だよね、黄瀬バスケもやってるし。お疲れさま」

ほんとすごいと思うよ黄瀬は。高校生のうちからこんなに忙しくて、将来ストレスでハゲるんじゃないかと私は心配だよ。

「なんか美味しいものでも食べて少し休みなよ」
「…いいっス。名前っちとここにいるっス」

…なぜ。そしてちゃっかり隣に座ってるし。

「あんたほんと働くの好きね」
「別に働くのは好きじゃねっスよ」
「…あーそっか!あんた私のこと大好きだもんねーなんつってあはは」
「そうっスよ」
「へ?」
「言ったじゃないっスか、名前っちといるときがオレは一番落ち着くって。だから、美味しいもんはここが終わってから名前っちと食べに行くっス」

あーなんだ友達として好きってことね。自分でボケたのに一瞬めっちゃドキッとしちゃったじゃんもうびっくりしたー。

「受付やることそんなないし、私も黄瀬が相手してくれたら助かるよ。それにさっき外でビラ配りしてたとき色々気になるお店あったんだよねー!」
「あ、オレパンフレット持ってるっスよ!」
「ほんと?見たーい!」
「これっス!」
「えーどれどれ…あ、ここだよさっき言ってたお店!」
「へぇ、じゃあ後で行こっか」
「うん!あ、ねぇでもここも気になるなー巨大パフェ制限時間内に食べ切れたらなんか貰えるらしいよ!あとお化け屋敷も面白そう!」
「怖いの平気だっけ?」
「あんま得意じゃないけど、学生が作ったもんだからそんな怖くないっしょ。あと、私より黄瀬がビビりそうだからそれが面白そうだなーと思って」
「それ楽しみ方間違ってるっス」
「あはは、いいじゃん行こうよ」
「別にいいっスけど…そういえば、名前っち告られたって本当っスか」
「あーまあ…。てか情報回るの早ー」

一度黄瀬に向けた視線をパンフレットに戻して苦笑いすると、黄瀬は腕を掴んできて「どうするんスか?断ったんスよね?」と顔を覗き込んでくる。

「断るよ、そのうち…」
「え?」

なんだその顔は。自分でもなんでこんなめんどくさくなるのわかっててすぐ断らなかったんだって後悔してるのにあんたにまで責められたくないんですけど。

「なんか、断りづらくて…濁しちゃって」
「ダメっスよ無理なら無理って早めに言わないと!こうしてる間にも向こうはその気になっちゃってるかもしんないし!そうなったら余計断りづらくなるの名前っちなんスよ!?」
「なんであんたがムキになってんの」
「なってねっス!オレは名前っちの為を思って言ってあげてるんスよ?そんなに言いにくいならオレが代わりに言ってあげてもいいっス!」
「意味わかんないし。結構です」
「まったく…優柔不断は良くねっスよ…」

あーもうまた黄瀬の生理が始まったよ…。うんざりしていると、スマホが震えて取り出すと噂をすればなんとやらの彼だった。

「ちょ、勝手に人のライン見るな」

隣から覗き込んでくる黄瀬の顔をぐいっと押すと「モデルの顔になにするんスかぁ!」とまたもプンスコしている。

自由時間らしい彼は教室でクラスメイトとわいわいしながら手招きしている。手招き好きだなぁ。ラインには、「せっかくコスプレしてるし一緒に写真撮ろう」と送られてきている。うー…ただの友達なら気軽にOKするところだけど好意を持たれているとわかるとなんだかなぁ…。でもまあ、写真くらいいっか。

「黄瀬、ちょっとここお願いしていい?」
「嫌っス!」
「一瞬写真撮ってくるだけだって、それに今暇だから大丈夫だよ」
「そーゆーんじゃないんスよねー…」
「え?」
「マジで行かせたくないんスけど、こーゆー場合どうしたらいい?」

黄瀬の真っ直ぐな目と握られた手にドキドキする。黄瀬って案外独占欲強いんだなぁ…

「黄瀬…」
「苗字ー早くー」
「あーもー…」

黄瀬はあからさまに顔をしかめると私の手をそのまま引っ張って彼のところへ。

「なんだよ黄瀬、お前は別に呼んでねーんだけど。大体お前なんで受付に…」
「いいからいいから、ほら俺が撮ってあげるっス!はいチーズ!」
「ちょ…っ」
「これでいいっスか。あ、あと名前っちは他に好きな人いるから無理っスよ」
「は…?」
「ちょっと黄瀬…!」

もう、どうしたってのよ黄瀬。本当に最近なんか変だよ…情緒不安定すぎ。

「ちょっと…黄瀬待ってってば!」
「はぁ…はぁ…」
「もう…あんな勝手なこと言って、今後気まずいじゃん」
「だって本当のことじゃないっスか」
「そうだけど、それをなんであんたが言うのよ」
「名前っちが言えないから代わりに言ってあげただけっスよ」
「頼んでないし」
「…だ、大体なんなんスか最近ちょっとモテ期だからって調子乗りすぎっスよ名前っちのくせに!」
「はあ!?あんたこそねーただでさえ男友達少ないくせにハブられても知らないからね!」
「「〜〜!!」」
「はぁ…もういいよ、パフェ行こ。お腹空いてるからイライラしちゃうんだよきっと」
「そうっスね…。ごめん、やっぱオレが悪かったっス」
「いいって。私も断るの気まずいなって思ってたし、正直ちょっと助かったかも」

黄瀬に微笑みかけると黄瀬も安堵したように笑った。

「わー!でか!!」

巨大パフェをやっている教室に着くと早々にお目当てのパフェが運ばれてくる。アイスやらクリームやら苺にバナナにいちばん上にはケーキまで…食べ切れるかよりもこのクラスの経費が心配である。

「これ2人で食い切れるんスかねー…?」
「いけるいける、だって私お腹ぺこぺこだし。それに黄瀬も忙しくて疲れてるんだから甘いものいっぱい食べたほうがいいよ」
「あはは、お気遣いどーもっス」
「じゃあ早速…私この上に乗ってるケーキ丸ごともーらい!」
「えーずるくないっスか!?オレもそれ食いたい!!」
「黄瀬はアイスのとこ食べなよー!」
「ケーキも食いたいっスー!」

ぎゃーぎゃー騒ぎながら取り合いしたり逆に押し付け合いしたりして食べてたら制限時間はとっくに過ぎてしまった。景品がもらえなくて残念だけど、まあ美味しかったし楽しかったから良しとしよう。

「もーアイス食い過ぎて寒いんスけど」
「あははっ、ごめんてばー。じゃあ次はあったかいもの食べに行こっか」
「もう食えないっスよ、名前っちの胃袋どうなってんスか」
「黄瀬おっきい割に少食過ぎ!」
「普通っスよー!とりあえずちょっと休憩して、なんか遊べるやつ行きたい」
「いいよ、どこ行こっか」
「とりあえず散歩がてら全部ぐるっと見て回るのどうっすか」
「そだね、賛成」

黄瀬と並んで歩いていると廊下から窓越しに保健室が目に入った。ここはあの人がいるから無意識に通るたび緊張して見てしまう。よかった、今日は1人…

「名前っち、脱出ゲームとかもあるっぽいっスよ!面白そうじゃないっスか?…名前っち?」
「あ、ごめん…なんだっけ」
「あれ、桃っち…と青峰っち一緒っスね。気になる?」
「ううん…別に」

もう一度保健室に目をやると桃井先生が青峰先生に抱きついていた。え…?桃井先生って彼氏いるんじゃないの?しかも相手青峰先生の親友なんだよね?どういうこと?意味わかんない…

混乱する私をよそに桃井先生をお姫様抱っこした青峰先生はベッドのほうに消えていった。

「なんか…やばいもん見ちゃったっスね」
「………」
「大丈夫っスか」
「…うん、平気」
「邪魔しに行こっか」
「あはは、ありがと。でもほんとに平気だから」
「そうは見えないっスよ」
「来月ね、誕生日青峰先生にお祝いしてもらうんだ。私好きな人に祝ってもらうの初めてだからすごい楽しみで…だからそれまでは波風立てたくないの」
「まあ名前っちがいいなら、いいんスけど…」
「うん。それに私彼女でも何でもないし、怒る資格とかないから」

そう自分に言い聞かせて未だバクバクしてる心臓を落ち着かせようとするけど、さっきの光景が頭から離れない。本当は、嫌で嫌でしょうがない。今この瞬間もあの2人がすぐそこで愛し合ってるんじゃないかと思うと、気が狂いそう。

でもこんなんじゃまた黄瀬に気を遣わせてしまう。黄瀬にとっても一年に一度の文化祭だってのに、私のせいでつまんないものにしちゃいけない。

「さ、行こ行こ!こっちはこっちで楽しもう!」
「……そうっスね!」

その後行ったお化け屋敷では女子かよってくらい黄瀬がビビって爆笑して、脱出ゲームっていうのも挑戦したけどうちら2人の頭で脱出出来るわけもなく散々な結果に終わった。黄瀬はどこに行ってもキャーキャー騒がれて、今日は一段とすごいモテっぷりだった。まあおかげで色々おまけとかしてもらって得したからラッキーだったけど。

文化祭一般公開の時間も終了になり後夜祭の放送が流れる。早いな、なんか今年の文化祭はいろんなことがあって忘れられないものになった気がする。

「後夜祭どうする?体育館ではカラオケ大会とバンド演奏、外ではキャンプファイヤーと未成年の主張とかいうのやるらしいっスけど」
「黄瀬は行きたいとこある?あ、その前に制服に着替えたいな」
「そうっスね、じゃあとりあえず着替えて俺らの教室集合しよっか」
「おっけー」

黄瀬と別れてトイレで制服に着替える。鏡を見ると首元には青峰先生に付けられたキスマークがくっきり映っていて今日のことを思い出す。あんなにいい雰囲気になれても、結局桃井先生には勝てないんだ…。教師と生徒だからじゃなく、単純に青峰先生は別に私を好きじゃないってこと。これが現実なんだ、少しでも期待とかしちゃってほんと私バカだ。

溢れてくる涙をティッシュで押さえて化粧を直す。とりあえず今は青峰先生のこと忘れなきゃ、家に帰るまでは平常心貫き通すんだ。よし。

「ごめんお待たせ」
「オレも今来たとこっス。名前っちほら見て、キャンプファイヤーやってんの見えるっスよ」
「わーほんとだ!キャンプファイヤーって木燃やすだけじゃんってバカにしてたけど、なんかちょっと感動するね…」
「あはは、そうっスねー」

外はすっかり暗くなり、同じく昼間とは違い暗く静かになった教室で黄瀬と窓の外を眺めた。

「今日、楽しかったっスか」

黄瀬が沈黙を破ってそんなことを聞いてくる。私の全てを知ってる黄瀬からのその言葉にまた、今日あった出来事が蘇ってくる。クラスの男の子に告白されて、青峰先生に呼び出されて2人の時間を過ごして、黄瀬と受付やって、ケンカして、パフェ食べて、途中青峰先生と桃井先生の見たくないとこ見ちゃって、それ考えないようお化け屋敷とか脱出ゲームで騒いで…

「うん、楽しかったよ。一緒に色々回ってくれてありがと。パフェ食べるのも取り合いしたりして笑ったし、お化け屋敷とか黄瀬ビビりすぎてほんとありえなかったよねー。もう、ダサすぎて思い出すとほんと笑っちゃう…」
「名前っち。無理して笑わなくていいから」
「………」
「もう、見てらんねっスよ…」

黄瀬にぎゅっと抱きしめられる。ああ、やっぱり黄瀬の腕の中って落ち着く。あったかくて、いつもの黄瀬のいい匂いに包まれて、張り詰めた糸が切れたように涙が次々溢れて止まらなかった。
結局後夜祭はどこにも行かず、誰もいない教室で黄瀬の胸でひたすら泣いた。