02.わかっていたのに虜になった※

松田side.

「なぁ、萩。最近零のやつ、なんかおかしくねぇか?」
「おかしい?」
「妙に機嫌がいいっつーかよ。かと思えばぼーっとしたり、なんか考え込んでたり…」
「あー。それはたぶん…恋煩いってやつだねぇ」
「恋煩い?なんだあいつ、いつの間にそんな女できたんだよ…!」
「面白ぇもん見れっから、週末空けときな」
「あ?別にいいけど…」


何かを知っているような萩に言われるがまま、週末俺は萩の行きつけの店とやらに連れ出された。ここが零と何の関係があるんだ…?

「名前ちゃん」
「あ、研二君!いらっしゃい。また友達連れてきてくれたの?いつもありがとう」

カウンターから入り口までやってきて出迎えたその女に、自分の中の高ぶりを感じた。こういう感覚は久しぶりだ。

「いやいや、名前ちゃんの料理美味いからさ。ダチにも食わせたくなんだよ」
「相変わらず口が上手いわね」
「本心だってー。あ、こいつ俺の幼馴染の陣平ちゃん。よろしくな」
「名前です。よろしくね、陣平君」
「おう…よろしく」

注文で呼ばれその女がいなくなった瞬間、俺は萩に問い詰めた。

「おい萩、あんないい女どこに隠してたんだよ…!つーかまさか、零の相手って…」
「ご名答〜!ほら、カウンターの奥で零がこっち睨んでるぜ」

マジかよ。ずっりぃ…!てか零のやつ、なんてツラしてこっち見てやがんだ…。

「よぉ、零。最近付き合い悪いと思ったらここに来てたのかよ」
「はぁ…まあな」
「んな顔すんなって降谷ちゃん。ほら、あっちで一緒に飲もうぜ」

むっとした顔で萩を睨みつける零。なんだよ、俺がここに来ちゃ悪いのかよ…。

ため息をつきながらも飲んでいた酒を持ってテーブル席に移動する零と3人で飲む。

零は優等生で非の打ち所がないって感じだが結構繊細だったりするからな。萩に事前に言われた通り、零のほうからカノジョの話を振られるまでこっちからは問い詰めないことにした。

まぁ、思ってた以上に可愛かったから本当は今すぐ根掘り葉掘り聞き出してぇとこなんだけど。

俺らと話している間も、零の視線はしきりに名前のことを追っていた。本人は無意識なんだろうが…こりゃあ事前に聞いてなくても一目瞭然だぜ、相当マジでハマってやがる。零はもう少しポーカーフェイスが上手いと思っていたが、こんな一面もあったんだな。

零の視線を辿っているせいで無意識に俺も名前って女のことを何度も見る形となり、興味は湧く一方だった。

「萩原が週末合コンに行かないなんて珍しいな」
「俺だってたまには男同士語りたい夜もあるわけよ。なぁ、陣平ちゃん」
「おうよ」
「あれだけ一緒にいてもまだ話し足りないなんて、本当に仲がいいんだな」
「別に今から女の子呼んだって構わねぇんだけどな、俺は」
「そしたら僕は向こうの席に戻るよ」
「冗談だって。ほんとああいうノリ嫌いだよねぇ降谷ちゃんは」
「じゃあお前、どういう女が好みなんだよ」

話の流れでちょっとそれっぽい話題を振ってみた。名前に当てはまることを言ってくるか、俺達の目をあざむくために違うことを言ってくるか…どうするよ零?

「あ、それ気になる〜!降谷ちゃん普段から下ネタとかも言わねぇし、その手のことに関しては特に秘密主義だからなぁ」

一瞬うざったそうな顔をするも、酒の力もあってか零は少し考えるようにした後口を開いた。

「あまり騒がしい女性は苦手かな。どちらかというと、年上のほうが好きかもしれない」
「やっぱ年上かよ。こう見えて結構スケベだよな、零って。むっつりっつーか」
「うるさいな。そういうお前はどうなんだ」
「俺?俺はまあ、美人でスタイルが良くて…」
「ただの面食いじゃないか」
「なんだ?やるか?表出ろ!」
「まあまあ」

いつものくだらねえ喧嘩がおっぱじまりそうになったところで萩の仲裁が入る。「まったく…」そう言ってため息をこぼした零がトイレに立つと、名前とすれ違い様に親そうに話しているのが目に入る。おーおー、さっきのふくれっ面が一瞬にしてかわいい笑顔に変わっちまってらぁ。にしても、立ち話にしては長ぇな…何話してんだ…?

「気になるか?」
「…ん?あ?何が」
「またまた〜とぼけなさんなって。名前ちゃん、お前のタイプだろ」
「はあ?いや、零が女とあんな風に喋ってんの珍しいから面白くて見てただけだっつーの。…まあ、いい女だとは思うけどよ」
「お前がこの間すっぽかした合コンに急遽降谷ちゃんが来てくれたのが始まりだからな、恨むなら自分を恨めよ?」
「あー、あの日か…」
「ま、どっちにしろ名前ちゃん他に彼氏いるしオススメはしなかったけどな。降谷ちゃんがあそこまでハマっちまうのは俺も想定外だったし」
「は?他に男いるってどういうことだよ」
「そのまんまよ、だから今は降谷ちゃんの片思いってワケ。まあ俺の見立てだと、もうオトナの関係にはなってると思うけどな」
「あいつ、そういうのに手出さなそうなのに意外だな…」
「そんだけ好きってことだろ。俺は別にいいと思うぜ?結婚してるわけじゃねぇし、名前ちゃんも降谷ちゃんのこと気に入ってそうだし」
「ふーん…」
「お前、降谷ちゃんの邪魔はすんなよ?」
「へいへい」

そのまま閉店まで飲み、次の店に行くかと話していると零は「僕はここで先に失礼するよ」と言ってそそくさと帰っていった。

「名前ちゃんの家に帰るんだぜ、きっと」
「あいつ大人しそうなツラしてなかなかやるな」
「尾行するか」
「いいねぇ、面白そうだ」

用心深い零にバレないよう距離をとって後を追うと、本当に名前と落ち合っていた。零のやつ、俺らには見せたことねえような満面の笑みで笑ってやがる。

「かーわい、降谷ちゃん」
「気持ちわりーくらいだぜ」
「男の嫉妬は見苦しいよ?陣平ちゃん」
「あ?誰が嫉妬なんか…!」
「あ…」

萩の声に思わず視線をそっちに戻すと、深夜の道端で2人がキスしているのを目撃してしまう。認めたくねぇけど…2人の光景はむかつくくらい絵になっていて、目にした瞬間胸が苦しくなった。

どうやら萩の読みは当たっていたようだ。2人が大人の関係にあることも、俺が嫉妬心を感じていることも…。

「なんかこれ以上追うのは降谷ちゃんに悪いし、俺らも大人しく帰るか」
「ああ…そうだな…」

零の野郎、この後あんないい女とあんっなことやこんっなことすんのかよ…クッソ…ずるすぎんだろ…許せねぇ…!!!

・・・

結局あの日の夜もその後もずっと名前のことが忘れられないままもやもやした日々を送っていた。案の定月曜に見た零は上機嫌で、週末さぞ楽しかったんだろうなと安易に想像がついた俺はますますイライラした。あーやめだやめ、忘れよう。最初こそ気に食わなかったが零はダチだ。彼氏持ちとはいえ、そいつが心底惚れてる女に手出すなんて野暮な真似…ありえねーだろ。ただ見た目がすげえタイプで興味が湧いてしょうがねぇってだけで、俺とあの女はまだ何も始まってねーんだから。

そう思っていたはずなのに、平日の講義後なぜか俺は寮を抜け出して名前のいる店へと足を運んでいた。いや…暇だっただけだし。ちょっと話してみてぇって思っただけだし…。ダチの惚れてる女が悪い女だといけねーからな、取り調べみてぇなもんだ。決して抜け駆けとか略奪目的ではない…!

「いらっしゃい。あれ、陣平君…だよね?平日に来ても平気なの?」
「へーきへーき。食堂の飯飽きちまってよ」
「飲んだら明日の朝つらいんじゃない?走ったりするんでしょ?あ、カウンター座る?」

よくご存知で。全部零から聞いたんだろうな。あいつが名前に楽しそうに話してんのが目に浮かぶぜ。

土日に比べて空いてたってのもあって、名前は俺の話し相手になってくれた。確かに聞き上手っつーか、警察学校にいる女子達とはなんか違うよな。綺麗に伸びた髪の毛も、丁寧に施されたメイクも、普段学校で見慣れねえからか色っぽくてそそるしつい異性を意識してしまう。そんな名前との時間は新鮮で楽しくて、零がああなるのも納得だった。


「そろそろお店も閉めるし、陣平君も帰ったほうがいいんじゃない?」
「そうだな…。あのさ、帰る前にアンタに聞きたいことがあんだけど」
「ん?なぁに?」
「この間…零とキスしてるとこ見た」

そのことを話すと一瞬驚いた表情を見せたが、さほど動じる様子もなく、「見られちゃったかぁ」と名前は少し照れたように笑った。

「萩から聞いたけど、彼氏いんだろ?こういうこと、よくしてんのか?」

それなりに踏み込んだことを聞いたつもりだったが、名前は「そんなこと聞いてどうするの?」と可愛く笑いながら質問で返してきた。

「俺が質問してんだよ、質問で返してくんな」
「じゃあ、ご想像にお任せします」

なんだよそれ…この女に変に駆け引きを持ちかけてもらちがあきそうにねぇ。まあ、もともとまわりくどいやり方は性に合わねーんだけど。

「俺もアンタが気に入ったって言ったらどうする?」
「ふふ、零の友達なのにそんなこと言っていいの?」

そういうわりに、俺にはどこか嬉しそうな顔に見えんだけど。都合のいい解釈じゃなきゃいいが。

「俺はバレるようなへましねぇよ」
「バレなきゃいいんだ?悪い子ね」

話が進んでるようで上手く躱されて、もどかしいのにゾクゾクする。一言一言交わすたび、言葉とは裏腹に俺を受け入れる気があるような表情をしやがるからこの先の展開を先走って想像しちまう。

「浮気してるやつに言われたかねぇな」
「あー、それ言う?でもね、私零のことは気に入ってるの。今の彼氏と別れて零と付き合っちゃおうかなって思う瞬間もあるくらい。零のこと、好きなのかも」

けど、それは俺の勘違いだとわからせるかのように突き落とすことを平気で言ってくる。何人男がいようが全員ただの遊びなのかと思っていた。そして零もその1人なのかと。いや、そうであれとどこかで願っていたのかもしれねぇ。

「へぇ…」
「嫌だ?」

いちいちむかつくぜ、その俺の反応見て楽しんでる感じがな。わかってんのに、絶対手を引いたほうがいいのに、むかつくほどかわいいこの女に触れたくて仕方ねぇ。

「別に」と精一杯のポーカーフェイスを見せるも、「私ね、やきもち焼いてる男の人の顔って可愛くて大好き」と嬉しそうにする彼女。誰がそんなツラしてるかよ…やっぱりこいつはクソビッチだ。

「はっ…いい趣味してんじゃねぇか」
「今すっごくいい顔してるから、もっと見せて?」
「お、おいっ…」

カウンター席に座る俺の足の間に太ももを入れると、ゆっくり顔を近づけてきてそのままキスされた。俺にわざと抵抗する隙を与えて、それでも俺が受け入れるのを見越してのことだろう。

一度唇が離れて近くで互いに見つめ合うと、何度も何度も角度を変えて唇を重ねた。

俺の上に名前を抱き上げて座らせると、ぎゅうっと抱きしめ合ってさっきのとは違う深いキスをする。密着して、名前のおっぱいが当たって、生温かい舌がゆっくり絡み合って…ヤバい。エロすぎてキスだけで早くも下半身が反応しちまってる。

くちゃ…くちゅ…と音を立てながらねっとりしたやらしいキスを続けつつ、名前の服に手を入れておっぱいを揉む。

「ん…陣平君…」

感じてる声で名前を呼ばれドキッと心臓が大きく反応した。名前の服をたくしあげるとブラをずらして大きなおっぱいを直接揉む。

「でけぇな…」
「や…恥ずかしい…」
「もっと恥ずかしくなることしていい?」
「ん…あっ…ダメ…あんっ…」

俺の指ですでに大きく膨れた乳首に舌を当て、舌先で刺激を与える。涎をたくさんつけて舐めたり吸ったりすると名前はやらしい声で鳴きながら身体を反らせた。

「胸押し付けてきてやらしいな…そんな気持ちいいかよ?」
「あっ…やぁ…きもちいっ…」
「かわい…」

涎でテカるほど濡れ、更に大きく腫れあがった乳首を指で摘みながら唇にキスをする。

「…ん……んっ…」

キスをされ感じながらも俺のズボンに手をかけパンツから大きくなったモノを取り出す名前は先端から出てる液を全体に伸ばしてゆっくりと扱く。

「…んっ……あ…やべ…」
「気持ちいい…?いいよ…もっとしてあげる」

俺の上からおりると、俺のを口に含み裏筋に舌を当てながら舐めあげてくる。やべえ…気持ち良すぎてどうにかなりそう。

「ん…陣平君の…どんどんおっきくなるね…口に入りきらない…」

俺を見上げながらちゅぱちゅぱ音を立てて先端を舐め、手で扱いてんのが可愛いしやらしいし気持ちいいしでたまんねぇ…。名前の頭を撫でながら、気を抜くとすぐ持ってかれちまいそうな快感になんとか耐える。

するとチュッ…と音を立てて唇を離した名前が豊満な胸に俺のパンパンにデカくなったソレを挟んで揺らす。ちんこも気持ちいいけど視覚的にもかなりエロくてやばい。

「陣平君…気持ちいい…?」

上目遣いでめちゃくちゃ可愛い顔でエロいこと聞いてきやがって…ああ、もう爆発しそう…!名前の涎がたっぷりついたちんこが谷間に埋もれてやべえ…!

「あー…もう…出そう…挿れさせて…名前…」
「だぁめ…今日は挿れさせてあげない…」

は?嘘だろ…ここまで興奮させておいてそんな拷問ありかよ…!?

「口で気持ちよくしてあげるから…我慢しないで出して…?」

そう言って再び口に含むとわざとらしく音を立てて舐めあげながらさっきより強めに握って扱かれる。

「うっ……やめっ……ん…あーやべっ…出るっ…!」

名前の頭を押さえて腰を動かすと名前の喉の奥で達した。出される瞬間苦しそうな顔をしたが、俺の性液を飲み込むと服を整えてまた余裕な表情で水を渡してくる。

「零には内緒ね?」

そう言って微笑む名前に、悪い女だと呆れつつも惹かれてしまう自分がいた。こいつのことをもっと知りたい、もっと触れたい…。名前に気に入られている零に対する嫉妬や焦り、それと同時に感じる罪悪感、名前への強くなった気持ち…色んなものが邪魔をして、その日は帰ってからもなかなか寝付けず名前とのことを思い出しては悶えていた。

そして言うまでもなく、翌朝寝坊した俺はここぞとばかりに鬼公にしごかれたのであった…。