決着つけようぜ
再び青峰と火神の一対一。
なんとか火神は青峰のドリブルについていっていた。
火「っぐっ」
青峰はまだゴール下でもないにもかかわらず、跳んだ。
シュート体制にしては違う方向に体が向いており、角度がない。
観「ゴールと全然違う方向へ跳んだ!?」
火「(抜けてねーぞ!!そんな体制で打てるシュートはねーだろ!)」
シュートではないと誰もが思った瞬間、青峰は突然体制を変え、ボールをゴールへと投げた。
それはうまくボードとリングにあたり、ネットを潜った。
火「な!?」
降「なんだ今のシュート!?」
福「ジャンプシュート…じゃなくて…フック…!?」
リ「(なんであれが入るの!?ボールをただ投げているようにしか…動きが解析できない!!)」
シュートも動きも全く読めない青峰のプレイに誠凛メンバーは驚愕する。
緑「バスケットに限らずどんなスポーツでも、その歴史の中で洗練させてきた。基本の動きがあり、理想の型(フォーム)があるのだよ。洗練され、ムダがなくなったからこそ、選択肢は限られ逆に予測も成り立つ。そこにOF・DF共に駆け引きが生まれる。それが試合(ゲーム)だ
だが、青峰(アイツ)は物心つく前からバスケットボールに触れ、大人にまじりストリートでずっとプレイしてきた。もはや体の一部と化したボールハンドリング+天性のスピード。自由奔放なバスケットスタイル」
ドリブルもシュートも青峰の動きに型はない
無限…!!
ゆえにDF不可能の点取り屋(アンストッパブルスコアラー)
それが『キセキの世代』のエース、青峰大輝…!!
桐皇 誠凛
55−39
青峰は視線と体とは逆方向にボールをついた。
日「(スキだらけじゃ…!?)」
青峰の前にいた日向はカットできると思い、ボールに手を伸ばした瞬間青峰はボールをとり、日向を抜き去った。
日「(やっべ、変則のチェンジオブペースかよっっ!!)うぐっ!?」
火「っのやろォ」
青峰がシュート体制に入ると同時に、火神もブロックに飛ぶ。
黄「(今までより一段と!!)高い!!」
誠「止めてくれ火神〜〜!!」
今までよりさらに高い火神のジャンプに希望を託す誠凛ベンチ。
青「あ〜はいはい、確かに高ーよ、大したモンだ。けどもう飽きたわ」
青峰は上半身を倒し、シュートを放った。
火神の手は届かず、シュートが決まる。
伊「(なんだそれ!?上体ほとんど寝かせながら撃ってきた!?)」
日「(普通シュートってのは上手い奴ほど弧の高さがいつも変わらない…けど青峰はてんでバラバラだ。なのに落ちない…!!!)」
火「(くそぉっっ次何してくるかまったく読めねー!!だったら…取られる以上に点を取ってやる!!)」
火神にボールが渡り、ドリブルで抜きにかかる。
火「(平面の速さで勝てねーんだったら、高さで勝負だ!!届かなきゃ止められねーだろ!!)」
火神はシュート体制に入ろうと、頭上にボールを持ってこようとしたが、その前に青峰にボールを弾かれてしまった。
火「!?」
青「わりーな、ノロすぎて…ついとっちまったわ」
青峰はボールをとるとそのままゴールへと走り出す。
火「待てコラ…っっ」
観「うぉっ、火神速ぇ……!!」
火神も青峰を追って走り出す。
観「…が」
しかし一向に立っても青峰にの前に躍り出るどころか、青峰との距離は縮まらない。
観「追いつけない!!?」
日「(まさか…いくら速いっつっても…ドリブルしてて火神より!?)」
若「ったく止めろよそんぐれー。青峰ばっか目立ってんじゃねーか」
桜「えぇっ!?」
なぜか味方に疎まれている青峰。
火「(諦めてたまるか!!)うおぁああああああ」
青峰がシュート体制にはいると同時に火神もブロックのため跳ぶ。
しかし勢い余って青峰にぶつかって、青峰は体制を崩した。
審判の笛が無情にも鳴り響く。
青峰は背後にボールを持ってくると、そのままボールを放った。
ボールは綺麗な弧を描いて、ゴールに向かっていく。
『決着つけようぜ』