どちら様ですか
日「集合――――」
皆はリコの周りに集まる。
リ「みんな…入部の時やったこと覚えてる?」
『今年の目標を宣言してもらいます!!できなかったら全裸で好きなコに告ってもらいます!』
思い出されるのは入部当初の月曜日、朝礼中にやらされた、目標宣言。
全員は顔を青ざめさせた。
降「あれっ…!?」
福「やるの!?」
リ「次はもう負けられないわよ。わかってる?冬は…寒いわよ〜」
河「……え…」
福「…冬?」
高校バスケットボール三大大会、夏のI・H、秋の国体、冬の選抜
国体は都道府県対抗のため、すこし性質が異なり、高校の頂点を決める戦いは夏のI・Hと
そして冬の選抜。12月、東京で開催。その年の最強を決める最大最後のタイトル
全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会、通称―――
リ「ウィンターカップ!全てをぶつけるのはそこよ!!」
一年生たちは目を見開く。
福「そうか…そこで勝てば…」
伊「最後のチャンスだぞ」
日「今までも必死だったけどな、これで冬も駄目だったら全裸やるぞ、マジであの女は」
キラキラと輝いているリコの笑顔が逆に恐怖を与える。
日「つーわけで、まだ今年は終わってねぇ。むしろこれからが本番だ」
福「けどI・Hと同等レベル…だろ?」
降「やっぱ正直…キツい…よな」
リ「それなんだけど日向君、もうすぐ帰ってくるわ………鉄平が」
日「え……マジ?」
リコの『鉄平』という人物に2年生たちは心当たりがある様子だった。
日向は呆然としている。
伊「心強い…けどこりゃあちょっと色々あるかもな」
降「センパイあの…鉄平…さんて?」
伊「あぁそうか、一年はまだ会ってないか」
一年たちは鉄平という人物を知らないため、降旗が伊月に聞く。
伊「ウチは7番いないだろ。そいつの番号なんだ。誠凛のエース」
降「えっ…」
リコHと時計を見て、もうすぐ7時になることに気づいた。
リ「…あ、ヤバイっ、もう体育館閉める時間だわ。その話はまた今度ね」
日「おーし、じゃあ上がんぞ」
誠「ウィス」
―――1週間後
今日も練習が終わり、みんなは部室で着替えていた。
伊「つか鉄平のことも気になるけどよ。火神、大丈夫か?」
小金「そういえばもう1週間見てねぇな」
土「安瀬らしいけど、見学には来いって言ってあんだけどな」
日「いくらケガでもバックレとはいい度胸だ…こんどシバく…!!」
日向Hクラッチタイムに入っていた。
ちょうど小さくノックされ、隣の更衣室から雪乃が現れた。
小金「雪乃、なんか知らねー?」
『え?』
そんな雪乃に小金井は声をかけた。
小金「クラス一緒だろ、つか席前後じゃん」
『いえ…喋ってません』
日「1週間一言も!?」
『はい』
誠「(確かに自分からは喋んねーからなー、コイツ)」
日「いや…聞けよ、少しはなんか!!」
『すみません、けど最近ちょっと火神君、話しかけ辛いので』
それだけ言うと、雪乃は部室を出ていってしまった。
伊「……大丈夫か?」
日「火神か?」
伊「いや、それもあるけど…」
伊月は雪乃の違和感に気づいていた。
伊「雪乃(アイツ)…なんか変な…気がする。ぶち当たってるんじゃないかな、なんか…壁みたいなものに…」
部室を後にした雪乃は体育館へと戻ってきていた。
小金「え!?そうなの!?好調そうだったじゃん!?てかなんえわかんの伊月」
伊「いや、まったく自身はないが、なんとなく」
みんなも帰り支度を終え、部室を後にする。
日「鉄平といい火神といい、しかも雪乃もか。悩みは尽きねーなー」
福「あの…センパイ、鉄平さん…て、どんな人なんですか?」
日「ん?」
福田は日向に『鉄平』について聞く。
雪乃は桐皇戦で青峰に言われた言葉を思い出す。
同じってことは成長してねぇってことじゃねぇか
雪乃(オマエ)のバスケじゃ、勝てねぇよ
雪乃は膝に沈ませ、シュートを打つ。
が、ボールはリングに弾かれてしまった。
ボールはいつの間にか、体育館に入ってきていた男子生徒の元に転がっていき、男子生徒はボールを拾上げる。
?「わははは、聞いてた通りっつかー、ホントパス以外はからっきしなんだな。リコから試合のビデオ見せてもらったよ。いんじゃね?オレは好きだよ、キミのバスケ」
男子生徒はボールを雪乃に放る。
?「間違っちゃいねー。ただまだ未熟。そんだけじゃん?」
雪乃はボールを受け取り。男子生徒をまじまじと見る。
男子生徒は色素が薄い髪を短くそろえ、身長も火神よりありそうなくらい高身長。
太い眉毛が印象的な好青年の顔だちをしていた。
日「鉄平?あぁ、あいつは…変人。」
福「え!?」
日「でも恩人。オレをバスケに誘ってくれた奴でもある」
降「えぇ!?いよいよ分からん」
『…どちら様ですか?』
?「あぁ、まあだ言ってなかったな名前。鉄平…あ、アメちゃんいる?」
鉄平と名乗った男子生徒はどこからか取り出した黒アメを一つとる。
『…結構です』
鉄「あっそう?」
鉄平はアメを放り、口の中に入れた。
日「そして」
鉄「木吉 鉄平」
日「誠凛高校バスケ部を創った男だよ」
新生誠凛高校バスケ部が動き出す…
『どちら様ですか』完