まかせて!
リ「ねえ日向君、海がいーかなー?」
日「あー、海もいいなー」
リコと日向は仲良さげに誠凛高校の廊下を歩いていた。
リ「それとも山かなー?」
日「あー山もいいなー」
リ「ちょっとーちゃんと聞いてるー?」
リコは頬を膨らませながら日向に問いかける。
日「んーあー…つーか、いーよどこでも。合宿なんてシゴければ」
小金・水・土「「「(地獄の行き先カップルみてーに決めんな!!)」」」
小金井達は隠れて二人の会話を聞いていたが、日向の言葉にショックを受ける。
期末テストを無事終え、誠凛バスケ部は創始者である二年生、木吉も復帰し
敗戦のショックから立ち直りつつあった
そして―――
―――夏休み
いよいよウインターカップに向けて本格的に動き始めようとしていた―――
部活の練習後、リコはみんなを集めて合宿の話を始める。
リ「今年は夏休みの始めと終わり、海と山で合宿2回目よ!」
2年生ー日・木「「「(両方きちゃった!!!)
リ「合宿は主に予選およびこの前の練習試合で感じた弱点克服が目的よ。さらにウチは少人数だから体力向上は不可欠。通常練習は今まで以上に走るわよ」
日「夏休み明けたらウインターカップ予選はすぐそこだ。この夏休みをどこまで有効に使えるかが大事だ。気合入れていくぞ!!」
日向の一喝に全員の表情が引き締まる。
日「以上!解散!!」
誠「「「っつかれしたぁ」」」
伊「そだカントク、武田先生が練習、来てくれってさ」
リ「あ、そう?じゃゴメン、先あがるわ。おつかれー」
リコは体育館を後にする。
1年生は使用した備品をそれぞれ片付けていた。
すると火神の左足に痛みが走る。
火「いてっっ」
『あ、すいません』
火「ってーなー、ちゃんと前見ろよ!!」
スコアボードを片付けていた雪乃が火神にぶつかってしまったようだ。
雪乃が謝っても火神はまだ突っかかってくる。
小金「なんか最近また口きくようになったけど、前よりケンカ増えてね?」
土「大丈夫か、あいつら…」
その二人を見て小金井と土田は心配そうにしていた。
木吉もそれに気が付く。
木「いやー大丈夫だろ」
小金「木吉…けど今日の練習も火神、全然パスとかなかったけど?」
木「まあ今だけだって。冬にはまたやってくれるさ」
伊月と日向も木吉と同じ考えのようで、特に心配はなさそうだった。
伊「ま…それはいいとして」
伊月と日向は目線を合わせる。
日「全員!もっかい!!集合―――う!!!」
火「!?」
『?』
突然の日向の大声の集合にびっくりするメンバー。
福「なんすか一体…?」
降「今日はもう練習終わりじゃ…」
日「いいか…さっき合宿の話が出たが、それにあたって…オレ達は今…重大な危機に直面している」
誠「!?」
誠凛メンバーに緊張が走る。
日「今年、合宿を2回やるために宿は格安の民宿にした。よって食事は自炊だ…が、問題はここからだ。
カントクがメシを作る!」
日向の言葉に拍子抜けをしてしまい、静寂が流れる。
降「…え?ダメ…なんですか?」
日「あたり前だ!レモンはちみう漬けとか見たろ!!つまりその…察しろ!!」
誠「…!!」
頭に浮かぶのはI・Hでの桐皇戦でのハーフタイム中にリコから振舞われたレモンはちみつ漬け。
いや、レモン丸ごとはちみつ漬け。
木「料理の域はもはや完全に超えてたな」
誠「(それ食いもんじゃねぇってこと!?)」
河「じゃあ自分らが作ればいいんじゃ…?」
日「そうしたいのはヤマヤマなんだが…」
伊「練習メニューが殺人的過ぎて夜はまともに動けん!!」
降・福「「(死ぬかもしれない…!!)」」
去年の合宿を思い出したのか、2年生たちは恐怖で震えている。
それを見た降旗と福田は自身の身の危険を感じた。
日「…つーわけでな…」
後日―――
日「ではカントク、そろそろ…いいかな?」
リ「まかせて!」
家庭科室を貸してもらい、合宿メニューの試食会が行われることになった。
リコは頭には三角巾、エプロンをきちんとし、料理をする気マンマンだった。
しかし試食する側としては恐怖でいっぱいだ。
家庭科室に包丁のトントンという音が響く。
降「…試食会?」
日「ただの名目だ。『マズいから練習しろ』なんていきなり言えねーだろ。食べてからアドバイスして上手くなってもらう!」
リコに聞こえないようにそれぞれ会話をする。
福「ちなみにセンパイ達、料理はできるんですか?」
伊「そこそこ」
小金「だいたいなんでもー」
日「できん!!」
水「一番はたぶん水戸部かな。雪乃は?」
『ゆで卵なら負けません』
リ「何ひそひそ話してるの?できたわよ!一品目は…カレーよ!!」
リコの言うカレーがテーブルに並べられる。
『まかせて!』