始めるわよ
日「あー着いた」
誠凛メンバーは電車を乗り継ぎ、ある場所へと向かっていた。
伊「磯の香りが…・いそがねば!」
土「カントクは?」
日「いろいろ持ち込むものがあるから車だと。あと伊月だまれ」
福「いい所っすねー」
小金「すぐ地獄に変わりけどね…」
火「お」
小金「おお――――海だ!!泳ごう!!」
日「合宿だ!!ダアホ!!」
海を通り過ぎ、合宿の間使う民宿へと着く。
そこの民宿はだいぶ年季の入っていた。
小金「う〜ん…ビミョー…」
火「つーかぼれぇ〜…」
『すみませんトイレは』
日「うるっせーよオマエら!!」
それぞれ民宿に愚痴を零すメンバーだったが、一人だけは楽しそうにしている。
木「いやぁ…いいじゃねーか。もしかしたらいるかもしんねーぜ。まっくろくろすけが…!」
日「すげぇイラッとくるよ木吉。高校生なめんな!!」
その時一台の車が民宿に停まり、その中からリコが降りてきた。
リ「うん、時間ピッタリ。みんないるわね?」
リ父「じゃあリコ、あとこれをあそこに置いときゃいんだな」
リ「うん、ありがとーパパ」
車の運転席に乗っているのはリコの父のようだ。
リ父「おうガキ共、せいぜいがんばれよー」
日「あざーすっ」
リ父「あ…けどな、娘に手ぇ出したら〇ぞ」
誠「はいっっ!!」
リコの父は最後に一睨みをして去っていた。
あまりのリコの父の凄みに日向たちは怯える。
リ「ほらタラタラしない!行くわよー」
皆は体育館に向け歩き出す。
リ「どこ行くのよ?」
日「え…いや…体育館…」
リ「体育館借りるのもタダじゃないのよ。夕方から!」
日「へ…じゃあ昼は…?」
リ「海よ!!」
リコに連れられてきた場所は海がすぐそこの砂浜だった。
そこにはすでにリングが二つ置かれており、砂浜にはコートの線が描かれている。
誠「……!!?」
日「カントク…まさかここで…」
リ「そ、バスケするの。前にも言ったけどこの合宿の目的は弱点克服よ」
日「…弱点?」
リ「今誠凛に必要なもの…それは選手一人一人の個人能力の向上よ」
誠「…!!」
リコの言葉に誠凛全員の表情が引き締まる。
リ「けどカン違いしないでね。チーム力の向上がかけ算だとしても5人の数値が低ければ大きな数値にはならないわ。個人技を主体としたチームにするわけじゃなくあくまで束ねる力、一つ一つを大きくすることよ」
リ「誠凛というチーム一丸で勝つために」
リ「そしてシュート・パス・ドリブル…一つ一つの動作(アクション)の質を向上させるためにまず大切なのは土台となる足腰よ。そのための砂浜練習。まずはここでいつもにメニュー」
砂浜の足に砂が絡まり砂自体も重く、走るのにもキツそうだった。
リ「の、3倍よ♡」
リコは制服の上を脱ぐ。
3倍という言葉に誠凛メンバーは驚愕した。
リコは制服の上を脱ぐと、動きやすそうなタンクトップ姿になりいつもの笛を取り出す。
リ「さあ始めるわよ。(地獄の)合宿!!」
まずはアップのために、走り込みから始める。
が、火神は砂に足を捕られてしまう。
火「全然思うように動けねー!!想像以上にキチ―ぞこれ…!!」
雪乃はボールを受け取りバウンズパスを出すが、ここは砂浜。
当たり前がボールは跳ねず、砂浜に埋もれてしまった。
日「バウンズでパスしてどーすんだ雪乃ォ!!」
伊「(けどドリブルできないからパスで組み立てるしかない。もっと先を読んで動き出しを早くしないと…)」
火「っし!!」
火神はボールをゴール下で受け取り、そのままだんくをするために高く跳ぶ。
火「おおお、おぉっ!?」
しかし思ったより跳ぶことができず、ダンクはリングもかすりもせずにバランスを崩し火神は砂浜に埋まった。
火「…おぶっっ」
日「オマエの辞書にはまじダンクしかないんかダアホ!!」
火「くっそ…」
日「雪乃寝んなぁ!!」
あまりの練習のキツさについていけず雪乃は砂浜に倒れこんでいたが、日向に一喝を入れられる。
倒れてはいないが、苦しそうに息を切らしている木吉がいた。
リ「大丈夫?ブランク明けにはいくらなんでも…」
木「いや…大丈夫、なまった体たたき直すにはこんぐらいでちょうどいい」
『始めるわよ』