やることは決まった!!
火「できるけどよ…あれは左足で跳んで右手でボールを持ってた時だ。…が利き足(右)で跳ぼうとすれば、ボールを扱うのは基本左手だ。けど実は左手だと叩きつけるぐらいしかできねーっつーか…」
緑「つまり右手に比べて、左手のボールハンドリングが拙すぎるのだよ。高く跳べるだけでは空中戦とは呼べん。そこから滞空中の選択肢で戦ってこそ真骨頂だ」
火「冬までにやることは決まった!何度でも跳べる足腰を作ることと、左手のスキルアップ。オレは空中で自在に動けるようになる!」
火「ただそれを緑間に気づかされたのがムカツクぜ」
『………』
火「…けど、やっぱどいつもこいつも強ーな『キセキの世代』。緑間のDF一つとっても右で跳ばされてただけだ」
『いえ、逆に言えばそれだけ火神君の警戒してたとも』
そこで雪乃は黙り込んだ。
『おまえにできることは本当にそんだけか?』
『一人で戦えない女が、一人で強くなろうなどできるものか』
雪乃は何かに気が付き、目を見開く。
高「つーかいいのかよ?敵に塩あんな送っちゃって」
緑「それでも冬はオレが勝つのだよ」
高「いや、火神だけならまだしも、風呂で言ってたみたいに、もし雪乃も成長したらいよいよ…」
『…火神君は、『キセキの世代』に空中戦なら勝てるかもしれません。けど、地上戦で勝てないかもしれません』
雪乃は走っていた足を止める。
火「なんっっ」
『それに私はパスも通用しません。火神君がダメなら今誠凛で相手をできる人はいません。けど今思いつきました。火神君とみんなを活かすための…
新しい雪乃(私)のバスケ』
火「え?」
『パス以外に私だけのドライブを修得して、私が『キセキの世代』を抜きます』
火「!?」
火神は目を見開く。
緑「フン、望む所なのだよ」
高「オレは望んでねーつの!」
誠凛のみんなは走り込みをしたり、各々自主練習をしたり、ミーティングをしたりと各自の合宿最終日の夜は更けていった。
次の日の朝―――
日「よーし全員いるな、じゃあ行くぞ」
誠「「「ありがとうございました」」」
誠凛は合宿所を後にした。
小金「しゃー生きてるオレっっ。何度も死ぬかと思ったよ」
土「早く家の布団で寝て―」
それぞれ帰路につくため、駅へと歩き出す。
が、リコは横断歩道を渡ろうとせず足を止めたままだ。
リ「ちょっとどこ行くのよ?」
日「へ…?いや駅…だけど」
リ「なんのためにここで合宿したと思ってるの?今年はここっで開催でしょーが!」
リコの言葉にいち早く伊月が気づき、携帯を開く。
伊「(そういうことか)今日は準々決勝…組み合わせは…」
誠凛全員は伊月の携帯を見て驚愕する。
リ「このまま見に行くわよ。全国大会(インターハイ)」
伊月の携帯に表示されている全国大会の組み合わせは
海常 vs 桐皇学園だった。
『やることは決まった!!』完