Tip off

中二の春、それまでくすぶっていたオレ…黄瀬涼太は

バスケ部に入部した。





超強豪らしいけど2週間で一軍に昇格。まあ当然だけど、オレだし

今日で一軍練習に合流して2日目。





一軍となるとさすがに別格。ここでレギュラーになるにはさすがに少しかかるかも





青「オス」





二年エース青峰大輝。

オレがバスケ始めるきっかけになった人。バスケ超うめーけど、やけに黒い。





二年シューター緑間真太郎

シュート超入るけど、いつも謎の小物持ってる変人。

よく語尾に『なのだよ』って付くけど、それなんなのだよ。





あと二人、すげぇ人いるらしいけど、まだ話してない。

その四人は『キセキの世代』って呼ばれてるらしい。





二年とは言え、途中入部だから一年と同じ扱い。

一軍にも雑務はある。





そんなオレに教育係がついた。





『黄瀬君、スコアボード出し忘れてます』





てゆーかなんで?ってカンジ。

だって…





黄瀬は後ろを振り返るが、だれもいない。
もう一度、逆方向の後ろを見て、だれもいない。



『こっちです』



自分の前に視線を戻すと、そこには雪乃がいた。
黄瀬はいつの間にか目の前にいた雪乃に驚愕する。





コイツがそう、ウスい。



しかも一軍レギュラー。

バカな





しかもコイツ、『キセキの世代』幻の6人目(シックスマン)と呼ばれているらしい。

バカな…しかも女の子だし…っていうか女の子が男に混じっていいの!?









一軍の練習が始まり、黄瀬は一軍の選手をいとも簡単に抜き去り、ゴールを決める。



一軍「おおし、黄瀬ナイシュ!」

黄「(トーゼン、これならレギュラーになるのも思ったより早く…)」



一方、ディフェンスのいないレイアップシュートを外した雪乃。



キャプテン「コラァ雪乃、レイアップどフリーで外すな!!」






バカな

黄「(で、なんでお前がレギュラーだよ)」



黄瀬はさらに雪乃に対する不信感が募る。









黄瀬「納得いかねーっス」





その日の練習が終わり、ストレッチ中にとうとう黄瀬の雪乃に対する不満が爆発した。



黄「なんであの人レギュラーなんスか!!」

青「教育係指さすなよ」



黄瀬は雪乃を指さしながら青峰に文句を言う。



黄瀬「オレとあの人、勝負したらどっちが勝つと思うっスか!?」

青「そりゃあオマエ…お前じゃん?」

黄「じゃなんで…」

青「アイツはそーじゃねんだよ、オレやオマエと真逆…だけど、試合では頼りになる奴だ。そのうちわかるよ。あいつのすごさが」

黄「(はぁ!?)」



青峰にそう言われるが、まったく納得ができない黄瀬。



緑「雪乃、黄瀬。監督から命令なのだよ。今回の二軍の練習試合、二人も同伴だそうだ」

黄「『!』」

黄「二軍なんでっスか?」

緑「保険なのだよ、二軍三軍の試合えも一軍選手数人を数人入れるのがウチの伝統だ」

黄「?」

緑「覚えておけ、帝光の唯一絶対の理念、それは勝つことだ。負けは論外。内容うんぬんの話はまず勝ってからだ。」

黄「へー」

緑「他人ごとのような返事をするな、万一負けたら二人は二軍降格なのだよ」

黄「げっっ」









二軍の練習試合当日―――



黄「(改めて見ると二軍だけでも数いるなー)」



黄瀬は雪乃の隣を歩きながら後ろにいる二軍選手を見渡す。



黄「’その先頭の一軍レギュラーが一番弱そーってどーよ!?)」



黄瀬は雪乃を怪訝そうに睨む。



黄「雪乃ちゃん、一つ提案なんスけど…」

『なんですか?』

黄「この試合、もしオレら二人出ることになったら、どっちが点多く獲れるか勝負しねっスか。もしオレが勝ったらそのユニフォーム下さい」

『嫌ですけど…もし負けたら勝敗はどうなるんですか?」

黄「そりゃあそれでも点を…嫌ですけど!?」

『というか無意味です」

黄「!?」



雪乃の言葉に黄瀬は目を見開いた。



『ガラではないですが、教育係になった以上、一言言わせてください。チームで大事なのは、自分が何をすべきか考えることです』

黄「(何をすべきか…?)」



黄瀬は雪乃の言っていることが分かっていない様子だった。



『でも負けん気は買いだと思います』





練習試合の相手の駒木中学校に来た雪乃達。



二階の観客席には多くの駒木中学校の生徒たちがおり、試合が始まると汚い野次を飛ばしていた。



駒「オラァいけぇ」

駒「ブッつぶせ―――」

黄「(けっこー強豪らしいけど…)」



駒木中の選手が、二軍の選手に強く当たりながらもシュートを決めた。




黄「(つかいまのファウルじゃ…!?ずいぶんいかがわしいジャッジっスね)」



審判も駒木中の選手で、明らかに不正をしているようにしか見えなかった。






『Tip off』黄瀬「オレとあの人、勝負したらどっちが勝つと思うっスか!?」

青「そりゃあオマエ…お前じゃん?」

黄「じゃなんで…」

青「アイツはそーじゃねんだよ、オレやオマエと真逆…だけど、試合では頼りになる奴だ。そのうちわかるよ。あいつのすごさが」

黄「(はぁ!?)」



青峰にそう言われるが、まったく納得ができない黄瀬。



緑「雪乃、黄瀬。監督から命令なのだよ。今回の二軍の練習試合、二人も同伴だそうだ」

黄「『!』」

黄「二軍なんでっスか?」

緑「保険なのだよ、二軍三軍の試合えも一軍選手数人を数人入れるのがウチの伝統だ」

黄「?」

緑「覚えておけ、帝光の唯一絶対の理念、それは勝つことだ。負けは論外。内容うんぬんの話はまず勝ってからだ。」

黄「へー」

緑「他人ごとのような返事をするな、万一負けたら二人は二軍降格なのだよ」

黄「げっっ」









二軍の練習試合当日―――



黄「(改めて見ると二軍だけでも数いるなー)」



黄瀬は雪乃の隣を歩きながら後ろにいる二軍選手を見渡す。



黄「’その先頭の一軍レギュラーが一番弱そーってどーよ!?)」



黄瀬は雪乃を怪訝そうに睨む。



黄「雪乃ちゃん、一つ提案なんスけど…」

『なんですか?』

黄「この試合、もしオレら二人出ることになったら、どっちが点多く獲れるか勝負しねっスか。もしオレが勝ったらそのユニフォーム下さい」

『嫌ですけど…もし負けたら勝敗はどうなるんですか?」

黄「そりゃあそれでも点を…嫌ですけど!?」

『というか無意味です」

黄「!?」



雪乃の言葉に黄瀬は目を見開いた。



『ガラではないですが、教育係になった以上、一言言わせてください。チームで大事なのは、自分が何をすべきか考えることです』

黄「(何をすべきか…?)」



黄瀬は雪乃の言っていることが分かっていない様子だった。



『でも負けん気は買いだと思います』





練習試合の相手の駒木中学校に来た雪乃達。



二階の観客席には多くの駒木中学校の生徒たちがおり、試合が始まると汚い野次を飛ばしていた。



駒「オラァいけぇ」

駒「ブッつぶせ―――」

黄「(けっこー強豪らしいけど…)」



駒木中の選手が、二軍の選手に強く当たりながらもシュートを決めた。




黄「(つかいまのファウルじゃ…!?ずいぶんいかがわしいジャッジっスね)」



審判も駒木中の選手で、明らかに不正をしているようにしか見えなかった。






『Tip off』