勝てねェぐらいがちょうどいい

誠「弱点…!?」



黄瀬に弱点があるという雪乃に誠凛メンバーは驚いた。



日「なんだよ、そんなのあんなら早く…」

『いえ…正直弱点と言えるほどじゃないんですけど…それよりもすいません、もう一つ問題が…」

日「え?」

『予想外のハイペースでもう効力を失い始めているんです』

誠「…!?」





黄「彼女のミスディレクションは40分フルには発動できないんス」



黄瀬が雪乃の弱点を言う。



笠「ミスディ…何!?」

黄「11番(雪乃っち)のカゲの薄さは別に魔法とか使ってるわけじゃなくて…ざっくり言えば他に気をそらしてるだけ。一瞬ならオレでもできます」



そういうと黄瀬はボールを右手でとった。



黄「オレを見ててください」



笠松は言われた通り黄瀬をじっと見る。
しかし黄瀬が右手に持っていたボールを上に投げると、笠松の視線はボールに行く。



黄「ホラ、もう見てない」

笠「あ!」

黄「雪乃っちは並外れた観察眼でこれと同じことを連続で行って、消えたと錯覚するほど自分をウスめてパスの中継役になる。
まぁやんなくても元からカゲはウスいんスけど…あんなに可愛いのに不思議っスよね。けど使いすぎれば慣れられて、効果はどんどん薄まっていくんス」



リコも雪乃の弱点を本人から聞き、愕然とした。



リ「そーゆー大事なことは最初に言わんかー!!」

『すいません、聞かれなかったんで…』

リ「きかな、なんもしゃべらんのかおのれはー!!」



リコは雪乃の肩を掴み、上下に激しく揺らした。



リ「(でも私もウカツだったー!!こんなトンデモ技がノーリスクでやれるって方が甘いわ…!!)」

オフィシャル「TO終了です!!」

リ「あー!!雪乃ちゃんシバいて終わっちゃったー!!」



黄瀬の対応策どころか、雪乃の弱点を知っただけでTOは終了してしまった。





火「このままマーク続けさせてくれ…ださい。もうちょいでなんか掴めそうなんス」

リ「あっちょ待っ…火神君!もう!」



火神はコートに戻っていく。
他の選手たちもコートに戻る。



リ「とにかくDFマンツーからゾーンに変更!中固めて黄瀬君来たらヘルプ早めに!」



試合が再開された。



リ「(あーもー、いきなりズッコけたわー。まだ第1QのTO使うなんてバカすぎてできないし……)」



※TOは前半(1Q、2Q)で2コ
後半(3Q、4Q)で3コまで



黄「お?」



誠凛がディフェンスのフォーメーションを変えたことに気づく黄瀬。
火神だけが黄瀬にびったりとつき、あとの4人が中を守るためにゾーンディフェンスだった。



観「お、中固めてきた」

笠「(てかほぼボックスワンだな。10番(火神)をみんなでフォローして、とにかく黄瀬を止めようってカンジか)………やんなるぜまったく」



笠松は3Pラインからシュートを放ち、決める。



観「おお一蹴の3P!!」

海「いいぞいいぞ笠松!!いいぞいいぞ笠松!!」



誠凛 海常
22−28



笠「海常レギュラーナメてんのか?ヌリぃにも程があるぜ」



リコは笠松の言葉に押し黙る。



日「…ふぅ…ったく…しんどいね…つくづく」

海「ディーフェンス!ディーフェンス!」

火「くっ…」



火神が黄瀬を抜こうとするが中々振り切れない。
苦し紛れに雪乃パスを出したが、それもカットされてしまった。
雪乃は目を見開いた。



笠「なるほど…少しずつ慣れてきたかも…」



誠凛は攻めあぐみ、その間も海常は点を入れていく。



福「くそ…」

河「ジワジワ……差がひらく……」



誠凛 海常
25―35





『勝てねェぐらいがちょうどいい』