懐かしい温もり by貴方視点

火神君が黄瀬君のシュートをブロックした後、マイボールになる。



火神君がロングパスを出そうと振りかぶったのを見た後、すぐさま自分も走ろうとした。



しかしその瞬間、自分の額に強い衝撃が走った。



頭がクラクラしその場に倒れこむ。



火・黄「あっ!!!」

リ「雪乃ちゃん!!」

審「レフェリータイム!!」



ゆっくりと体を起こすと額の左側がズキズキと痛み、血が流れているのか左目があかない。



リ「血が…!!」

日「大丈夫か雪乃!?」

『……フラフラします』



皆が駆け寄ってきて、私は立ち上がったはいいが平衡感覚がなくなっていた。



火「おい…大丈夫かよ!?」



火神君が心配そうな顔で駆け寄ってきてくれる。



『大丈夫です。まだまだ試合はこれからで…しょう…」



言葉を言い終わらないうちに私は立っていられなくなり、地面に倒れそうになった。
しかしその前に暖かい何かに包まれ、そのまま宙に浮く感覚に見舞われる。



そういえば…中学時代にも練習にキツくてよく倒れましたね。
その時は必ず、あの人が近くにいてお姫様抱っこして隅に寝かせてくれました。





『大輝…くん』





私のかつての光。

そして私が愛した人。

今は千切れてしまった光と影。



あんなことをした貴方を正直許せない。

それでも私はまだあなたのことを…



暖かい誰かの腕の中で、私の意識は途切れた。




『懐かしい温もり by貴方視点』完