約束しました

リコは焦っていた。



リ「(残り10秒切った…もうウチには延長を戦う体力はない―――!!)守るんじゃダメ!!せめて!!!」



残り7秒。



日向はフル出場の疲れか、膝に力が入らなかった。



日「(…っのヘタレ!!)しまっ…」



それを笠松は見逃さず、ジャンプシュートの態勢に入り、シュートを打った。
しかし、そのシュートは火神によってブロックされた。



笠「なっ…」



こぼれたボールを日向が拾い、もうすでに走っている火神にロングパスを投げた。
雪乃も火神の横を走っている。



観「うわぁあ獲った!!」

観「マジかよ!?」



しかしその前には黄瀬が立ちふさがっていた。
三人はにらみ合う。



火「雪乃!!」



火神は雪乃にパスを出した。



黄「!?(雪乃っちにシュートはない!二人だったら火神にリターンしかないスよ…!?)」



雪乃は火神にリターンしないで、ゴールに向かってボールを出した。



観「!?」

観「…パスミス!?」



誠凛メンバーが息をのんでいた。



残り1秒



笠「……じゃねえ!!アリウープだ!!」



ゴールの少し手前でジャンプした火神がボールを獲った。
しかしゴールの前にはブロックしようと黄瀬も飛んでいる。



黄「させねぇスよ!!」



しかし黄瀬は気づいた。
火神の方が自分より高く飛んでいることに。



黄「(―――まだ…!?いつまで…!?同時に跳んだのに先にオレが落ちてる…!?なんなんだ。オマエのその宙ににいる長さは…!?)」





『一回きりの単純な手ですけど…』



火「テメーのお返しはもういんねーよ!!なぜなら…」



『試合終了(ブザービーターと同時で決めちゃえばいいんです』



火「これで終わりだからな!!!」



火神は黄瀬をふっとばしながらダンクを決めた。
少し遅れて試合終了のブザーが鳴り響いた。



誠凛  海常
100―98





『約束しました』完