おまえのバスケ

黄「けど一つ言えるのは…雪乃っちが火神を買う理由がバスケの姿勢だとしたら…」



その時、火神が来た。



黄「雪乃っちと火神は…いつか…決別するっスよ」

火「……?」



影で聞いていた火神は眉をひそめた。



黄「オレと他の4人の決定的な違い…それは身体能力なんかじゃなく、誰にも…オレにもマネできない才能(センス)をそれぞれ持ってることっス。今日の試合で分かったんス。火神(アイツ)はまだ発展途上…
そして『キセキの世代』と同じ…オンリーワンの才能(センス)を秘めている。いまはまだ未完成な挑戦者っス。ただガムシャラにプレイして強敵と戦うことをたのしんでるだけのね」

黄「けどいつか必ず…『キセキの世代』と同格に成長して、チームから浮いた存在になる。その時火神(アイツ)は…今と変わらないでいられるんスかね?」



黄瀬の言葉に雪乃は黙っていた。



火「テメー、何フラフラ消えてんだよっ」



火神が雪乃を突き飛ばして現れた。



火「…よう」

黄「…聞いてたんスか?」

火「聞いてたかじゃねーよ。オマエ何いきなり雪乃ラチってんの!?」

黄「は?ちょっとぐらいいいじゃないっスか!」

火「帰れねんだよ!!」

?「んだよクソ。なんかウジャウジャいんじゃん」



その時、バスケットコートから怒鳴り声が聞こえてきた。



?「オラ、もう十分遊んだろ。代われ代われ」



柄の悪い不良たちが、さっきまでバスケットで遊んでいた男子たちに絡んでいた。



男「こっちだって来たばっかだよっ。順番を…」

不良「ああ!?」

不良「まあまあ…ココはホラ、バスケで決めるとかでどう?」

火「(なんだアイツら、ガラ悪ーな…)」



火神はその様子を横目で見ていた。





不良対男子生徒の試合は始まり、男子生徒チームが決めた。


男「よっしゃあ!!」

不良「あらー、やるなー」

男「よしこれで勝っ…」

不良「はいブローック!!」

男「って!!?」



男子生徒がシュートを打とうとすると、不良がもう一人加わり、わざと体を当てながらブロックをした。



男「…っちょ、なんだよ今の!?3対3だろ!?」

不良「はい?」

不良「バスケでっつったろ。3対3なんて一言も言ってねーし」

男「なんだよソレ…んなヒキョ…」

不良「え?なんて?」

男「がっ…!?」



男子生徒が煩労をしようとしたが、不良が腹に蹴りを入れた。



不良「悪いよく聞こえなかったわ。なあオイ、もっかい言ってくれ」



そのあとも不良は男子生徒を蹴り続ける。



火「……!?」

黄「そういえば雪乃っちは!?」



火神と黄瀬は雪乃がいないことに気づく。



『どう見ても卑怯です』



雪乃は蹴り続けている不良の前におり、指で回しているバスケットボールを不良の鼻に当てた。



不良「アッツ!!?ってかなんだテメ…どっからわいた!?」

『そんなバスケはないと思います。何より暴力はダメです』

火「(なぁああにをやっとんじゃあー!!)」

黄「(雪乃っちー!!?)」



火神と黄瀬は驚愕した後、ため息を吐いた。



不良「はあ!?いきなりなんだテメー!?」



不良の一人は雪乃の胸ぐらをつかむ。



不良「ハッ、ハハッ。いんだね今ドキ。いーぜ、じゃあバスケで勝負してやるよ。結構可愛−じゃん。負けたら俺等と遊ぼーよ。……て」

黄「あのー、オレらもまざっていっスか?」

火「つーか何いきなりかましてんだテメー」



黄瀬と火神が雪乃の後ろに現れた。



不良「(ででででケェー!?)」



不良たちは火神と黄瀬の身長の高さに驚愕する。



火「5対3でいーぜ、かかってこいよ」

不良「なんだとっ!」



試合は始まったはいいが、キセキの世代、幻の6人目、黄瀬を倒した男に勝てるわけもなく、一瞬で試合は終わった。



不良「(瞬殺ーっ!!!?)」



不良たちはその場に倒れた。





『おまえのバスケ』