おまえのバスケ

三人は公園に戻って来た。



火「オマエは!何を考えてんだ!!あのままケンカとかになったら勝てるつもりだったのかよ!?」

『いや、100%ボコボコにされてました。見てください、この力コブ』



雪乃はほぼ平らな力こぶを見せる。



火「テメッ…」

黄「雪乃っちってたまにすごいよね…」

『それでもあの人達はヒドイと思いました。だから言っただけです』

火「だからその先を考えろ!」

『…忘れてました』



火神と雪乃が言い争いをしているところを黄瀬は静かに見ていた。
そして口元を緩ませた。



黄「じゃっ、オレはそろそろ行くっスわ」

火「『!』」



黄瀬は地面に置いていたカバンを手に持った。



黄「最後に雪乃っちと一緒にプレーもできたしね!」



黄瀬は心底嬉しそうに笑った。



黄「あと火神っちにもリベンジ忘れてねっスよ!予選で負けんなよ!!」

火「火神っち!?」

『黄瀬君は認めた人には『っち』をつけます」

火「やだけど!!」

黄「あ!!あと雪乃っちと一緒にプレーをすることは諦めたっスけど、雪乃っちは諦めてないスからね!!」

火「てめっ!」

『?』



そういって黄瀬は帰って行った。



リ「あっ!!いたー!もう!!」



雪乃がジャージを着ようとしていたとき、リコが二人を見つけた。



『火神君、一つだけ聞かせてください。あの話を聞いてましたか?』

火「決別するとかしないとかか?てゆーかそれ以前に、オレ別にオマエと気ィ合ってねーし。一人じゃ無理って言ったのはおめーだろ。だったらいらねー心配すんな。…それに
いつも主役(光)とともにある。それが雪乃(お前)のバスケだろ」



二人の間に風が吹き抜けた。
火髪の言葉に拍子抜けをしたような表情の雪乃。



『火神君もけっこう…言いますね』

火「うるせーよっ」





光と影はまだくっついたばかり





公園に入ってきたリコは逆エビ反りの刑をした。
しかし技をかけらたのは火神だった。



火「なんでオレー!!」

リ「雪乃ちゃんを見つけたのに知らせなかったアンタが悪いのよ!!それに聞けば雪乃ちゃんは黄瀬君に拉致られたそうじゃない!」

『(スイマセン、火神君…)』





『おまえのバスケ』完