買ってきてv
黄「させねぇスよ!!」
火「お返しはもういんねーよ…」
火「これで終わりだからな!!」
ガッ
火「………ん?」
火神は昨日の黄瀬との練習試合の夢を見ており、ラストのダンクを決めるシーンだった。
ダンクを決めるはずがそこで夢が覚めてしまい、右手にはボールではなく先生の頭をつかんでいた。
そう、今は授業中である。
先「…ん?じゃないわ!」
火「あれ?」
先「何堂々と寝取るんだキサマ!!あとで職員室来い!!」
火神は怒鳴られているが、後ろの席の雪乃は寝ているが誰も気づいていない。
火「(…で、なんで雪乃(オマエ)はスルーなんだよっっ!?)」
2−C―――
日向は大きいあくびをした。
日「(ねっみー…一試合でここまで疲れたの初めてだな…)」
そんな日向を斜め前のリコは見ていた。
リ「(やっぱ…『奇跡の世代』がいるトコとの試合はハンパないわね…)」
リコはノートに『体力UP!』と書いた。
同じく2−Aの伊月や2−Dの水戸部、小金井も眠そうだった。
リ「…あ、そーいえばアレ、今日ね……じゃあ…」
リコは携帯を取り出し、一年生全員にメールを送った。
火「……?」
火神の携帯が震え、火神は携帯を開いた。
to カントク
件 緊急連絡
――――――――――
1年生全員、昼休み
2年校舎集合*
と書かれていた。
火「……!?」
リ「ちょっとパン、買ってきて*」
火「は?パン?」
一年生はメール通りに年校舎に来ると、リコに第一声からそう言われた。
二年生も全員いる。
日「実は誠凛高校の売店では毎月27日だけ、数量限定で特別のパンが売られるんだ。それを食べれば恋愛でも部活でも必勝を約束される(という噂の)幻のパン。
イベリコ豚カツサンドパン三大珍味(キャビア。フォアグラ・トリュフ)のせ!!2800円!!!」
火「高っけぇ!!…し、やりすぎて逆に品がねえ!!」
日「海常にも勝ったし、練習も好調。ついでに幻のパンもgゲットして弾みをつけるぞ!ってワケだ!」
リ「けど狙ってるのは私達だけじゃないわ。いつもよりちょっとだけ混むのよ」
リコはため息をつき、日向はリコの言葉に何故か苦笑いをしていた。
火「パン買ってくるだけだろ?チョロいじゃん、ですよ」
火神は得意げに言う。
日「ほい!」
火「?」
火神は日向から白い封筒を渡された。
日「金はもちろん2年生(オレら)が出す。ついでにみんなの昼メシも買ってきて。ただし失敗したら…
釣りはいらねーよ。今度筋トレとフットワークが3倍になるだけだ」
日向は怖い笑みを浮かべた。
一「(コエー!!!)」
一「(え!?お昼の買い出しに勝負所(クラッチタイム)!?)」
『(3倍とか死んじゃう…)』
一年生全員は冷や汗をかいた。
伊「ホラ、早く行かないとなくなっちゃうぞ。大丈夫、去年オレらも買えたし」
河「伊月センパイ……」
伊「パン買うだけ…パン…パンダのエサはパ」
一「行ってきます」
伊月のギャグにかぶせるように一年生は購買へと向かった。
心配そうな水戸部は落ち着かない様子だ。
水「………」
小金「いつも心配しすぎだよ水戸部ー、オカンか!」
日「…ったく何がちょっとだよ」
リ「えー?」
日「………;」
リ「これから毎年一年生の恒例行事にするわよ♪」
日「マジか…」
そんな二年の会話は雪乃たちには届いていなかった。
『買ってきてv』