行くぞ!!

降「GW明けたらすぐ予選かー。早っえーなー」

河「あと3週間ぐらい?」



日向の話が終わった後、降旗と河原はI・H予選について話をしていた。



降「けど先輩達って去年決勝リーグまで行ったんだろ?」

河「しかも今年は火神と雪乃もいるし1〜2回戦はまあ行けんじゃね?」



二人の話は日向の耳に入った。



日「だアホー、何言ってんだ」

降・河「あいてっ!!」



日向は二人の頭を後ろから殴った。



降「スイマセン…」

日「一度負けたら終わりのトーナメントだぞ。1回戦でも決勝でも気を抜いていい試合なんてねーよ」



日向の真剣な顔と言葉に二人は息をのんだ。



福「主将(キャプテン)ー、予選トーナメント表コピーしてきましたー」

日「サンキュー、じゃ、みんなに回して」


皆のもとにトーナメント表が配られ、目を通した。



火「『キセキの世代』のいる秀徳高校ってトコとやるには…決勝か……」



トーナメント表には50校以上の高校の名前が書かれており、誠凛高校はAブロックだった。
同じブロックには緑間がいる秀徳高校の名前もある。



河「こーやって表になるとやっぱ多いなー……って2枚目!?」



合計4枚配られた。



日「A〜Dまで4ブロックある。各ブロックの頂点一校のみが決勝リーグ進出。さらに決勝リーグで上位3チームに入って初めてインターハイ出場。
300校以上の出場校から選ばれるのはたった3校。1%の選ばれた高校生しか立てない夢の舞台。それが…インターハイ」

火「……なんとなく分かったけど、一つ間違ってるっスよ」



今までトーナメント表に目を落としていた火神が顔を上げた。



火「選ばれるんじゃなくて、勝ちとるんだろ…です」



火神の言葉に雪乃は黙って見つめていた。



リ「ただいまー」

日「カントク帰ってきたな」



丁度その時、偵察に行っていたリコが帰ってきた。





河「海常の時はスキップしてたけどしてねーな」

降「カントク、今日はスキップとか…」

リ「するか!!」



リコは二人の問いに青筋を立てながら即答した。
リコの怖い表情を見て二人は涙を流しながら謝った。



日「公式戦でもヘラヘラしてるわけねーだろ…にしても機嫌悪ーな、強いのか相手?」

リ「…ちょっとやっかいな選手がいるのよ。とりあえずビデオはあとで見せるとして、まず写メ見て」



リコは頭を抱えながら、日向に携帯を渡した。
皆も携帯を覗き込んだ。



日「…これは!」



画面には雪乃と猫が戯れている姿が映っていた。
猫は雪乃に抱き上げらていて、#主人#の唇を舐めている。



日「かわいいが……」

全「(猫がうらやましい//)」

『いつの間に撮ったんですか…//』



雪乃は珍しく顔を赤くしながら慌てていた。



リ「可愛いからつい…本題は次」

日「次?」



リコに言われた通り次の写メを見た瞬間、日向は固まった。



リ「名前はパパ・ンバイ・シキ。身長200cm、体重67kg。セネガル人の留学生よ」



写メには黒人の選手が映っていた。
その画像を見て二年は愕然とした。



日「セネガ…でかぁ!!」

伊「アリなの!?」

小金「留学って…てゆーかゴメン、セネガルってドコ!?」

火「でかいだけじゃん?」

『………』



そんな中、火神と雪乃だけは落ち着いていた。



日「このパパ・ンバイ…なんだっけ?」

小金「パパ・ンバ……」

リ「話が進まん!雪乃ちゃん、なんかアダ名つけて」



リコに言われ、少し雪乃は考える素振りをする。



『『お父さん』で』

リ「何そのセンス!!?だからこのお父さんを……聞けよ」



雪乃とリコを除く全員が笑いをこらえて震えていた。



リ「特徴は背だけじゃなくて、手足も長い。とにかく『高い』の一言に尽きるわ」



戦力アップに外国人選手を留学生として入れる学校は増えてるわ

次の相手の新協学園も去年までは中堅校ってカンジだったけど…



リ「たった一人の外国人選手の加入で完全に別物のチームになってるわ。届かない…ただそれだけで誰も彼を止められないのよ」



リコの言葉に全員黙り込んでしまった。





『行くぞ!!』