行くぞ!!

リ「……あのね、だからって何もしないワケないでしょ!!ってわけで…火神君と雪乃ちゃん、二人は明日から別メニューよ」



名前を呼ばれた二人は不思議そうな表情を浮かべた。



リ「予選本番は5月16日!!それまで弱音なんてはいてるヒマないわよ!!」

全「おう!!」



それからさらに練習はハードメニューになっていき、どんどん日は流れていった。









5月16日朝8時―――




リコは携帯で時間を確認して携帯を閉じた。
校門の前には全員集まっている。



リ「全員揃ったわね!」


皆の目には闘志が溢れていて、火神は海常戦の時と同様、充血していた。



日「行くぞ!!」

『またですか』

火「うるせっ」









試合会場につくと誠凛は第一試合のため、すぐに支度をしてアップを始めた。
その時、もう半分のコートを使っている新協学園の選手の中にお父さんの姿がない事に気づく。



日「てかお父さんいなくね?」

伊「そういえば」



お父さんがいないことに火神はショックを受けた。



?「すみません遅れましたー、アイテ」



その時、コートの入り口から大声が聞こえ、そちらを振り向くと大きい黒人の外国人選手が入り口の天井に頭をぶつけていた。
パパ・ンバイ・シキ本人である。



パパ「日本低イ、ナんデモ…」

伊・小金「(デケー!!ってゆーかなんか…長ぇー!!!)」



間近で見た伊月と小金井、水戸部は驚愕していた。



?「なにやってんだ早く来い!」

パパ「すみません遅れましたー」

?「なんでそこだけ流暢なんだよ!!」



お父さんは新協学園の選手に怒られていた。





?「あ、そういえば海常に勝ったってマジ?」

日「いや…練習試合でっスけど」



お父さんを怒っていた選手、新協学園の主将の谷村祐介が日向に話しかけた。



谷「…なんだー、思ったよか大したことないんだ」

パパ「カイジョー?」

谷「『キセキの世代』入ったとこ!教えたろ!」



谷村の言葉に日向は青筋を立てる。



パパ「キセキノセダイ…負け…?キセキノセダイに勝ツため呼バれタのに、ソんなガッカリダよ。弱くて…」



お父さんは残念そうにため息を吐く。
お父さんが歩き出すと、お腹あたりに何かがぶつかった。
不思議そうにあたりを見渡し、下を見ると雪乃がいた。



パパ「ダーメですヨ、お嬢チャン。子供がコートに入っちゃあ。//可愛いデスね、お嬢チャン」



お父さんは雪乃を子供を扱うように抱き上げた。



谷「どっから連れて来…バッ…!そりゃ相手選手だよ」

パパ「……?センシュ…!?女ノ子が?」



お父さんに抱き上げられたことによって、Tシャツがめくりあがり下に着て言るユニフォームが見えた。
お父さんはそれを見てため息をつく。



パパ「あんな子供、しかも女の子いルチームに負け?キセキノセダイてミんな子供?」

谷「ハハッ、かもな!」



誠凛メンバーはというと、笑いを必死に堪えていた。



『正直…色々イラッときました』



怒っている雪乃に笑いをこらえていた全員は、ビクッと肩を震わせた。



火「何気に負けず嫌いなトコあるよなオマエ。んじゃまあ…子供を怒らせるとけっこー怖いってコト、お父さんたちに教えてやるか!」



誠凛のスタメンは着ていたTシャツを脱ぎ捨て、ユニフォーム姿になった。





誠凛対新協学園の試合が始まる。





『行くぞ!!』完