2つ言っておくぜ

〜回想〜



予選トーナメント表が配られた次の日、火神は特別メニューが設けられた。



リ「DFもいぶし銀の水戸部先生よ!」

水「………」

火「!?」



火神はパパ対策に水戸部に教わることになった。
水戸部は186cm、火神190cmと火神のほうが慎重が高い。


リ「これから毎日水戸部君と練習して、自分より大きい相手を封じる方法を体で覚えるのよ!いい?シュートを防ぐのはブロックだけじゃない。落とさせるのよ!」



それから火神と水戸部の1on1が始まった。
しかし、身長が有利なはずの火紙のシュートは入らなかった。



火「んんっ!?(入らねぇ…!?普通の1on1ならともかく…インサイド限定だと全然うまくいかねー!!なんかスゲーやりづれぇ…!?………!)」



そこで火神は何かに気付いた。





〜回想終了〜





火「(やりたいことをさせない。行きたいとこへ行かせない)」



パパが自分がポジションをとりたいところへ行こうとすると、火神が立ちふさがる。



火「(そうやって相手の苦手な態勢に追い込んで、プレッシャーをかけて楽にシュートをさせない!そうすればもし届かなくても…)」



パパは苦し紛れにシュートを打つが、そのシュートも外れる。



観「またダメだ!!さっきから全然だぞ!?」

観「全然入んねーし、外国人っても大したことねーな」



観客はパパにあきれていた。



谷「(テキトー言ってんじゃねーよ!2mを今にもブロックしそうなジャンプ力!さっきともいえるような集中力!生半可なプレッシャーじゃねぇ!!)」



パパが再びシュートを打とうとするが、火神の尋常じゃないプレッシャーにたじろぐ。



パパ「(……!!ナんなんだヨコイツ…!)」



そのシュートも外れた。





観「また外した!!」

パパ「ナんだヨもうっ!ムカツク!!」

谷「クサるなよ、ブロックされてるワケじゃねーんだ」



そんな中、火神もフラストレーションが溜まっていた。



火「(こっちだってストレス溜まんだよ、このやり方は!やっぱもっとスカッと倒さねーと気がすまねー!…から決めた!)」



今度は誠凛のオフェンス。



火「ヘイ!2つ言っとくぜ」



火神はポストを取り、後ろにいるパパに話しかけた。



火「1つはこの試合中にぜってーオマエのシュートたたき落とす!」

パパ「ソんなの…ナいじゃん、でキるワケ!子供がイるチームなンかに負けなイ!」



パパの言葉を聞く前に火神はパパの後ろに走りこんだ。
その瞬間、伊月はパパにパスを出した。



パパ「…!?」



パパはパスミスだと思い、手を伸ばす。
が、パパの前には雪乃がおり、パパの後ろにいる火神にパスを出した。
パパが呆気にとられている間に、火神はダンクを決めた。



火「雪乃(子供)もけっこーヤバいかもよ?」



パパは目を見開いた。



『てゆーか子供で話し進めるのやめて下さい』



まだ子供といわれることに雪乃は不服だった。





『2つ言っておくぜ』完