断然強ーわ!!

谷「ドンマイ、気にすんな!ボール回すぞ!」



谷村は言ったとおりに、パパにパスを出す。
パパはジャンプシュートの体制になるが、火神もブロックしようと跳んだ。
火神の威圧にパパはたじろぎ、後ろにいる味方にパスを出した。



谷「どうしたパパ!行けるぞ!!勝負勝負!!」

リ「(んんんー!?)」

観「もう一度パパだ!」



再びパパにボール渡り、フックシュートを打とうとするが火神が立ち塞がる。



パパ「ナンデ?ナんかドんドん高くナってル…!?」



火神は跳ぶ度にどんどん高くなっていっていた。





新協 誠凛
33ー45





谷「くそっ…差がつまらねーっ!!なんだってんだ!」

河「火神すげぇ!!こらえるどころか全然負けてねー。カントク、特訓の成果出てるっスよ!」

リ「ですぎ、かな?」

河「え?」



リコも火神のプレイにびっくりしていた。



リ「いや、すごいってのは知ってたケド…なんか黄瀬君とやってからパワーアップしたような…」



雪乃は黄瀬に言われたことを思い出していた。





黄「いつか必ず『キセキの世代』と同格に成長して、チームから浮いた存在になる。その時火神(アイツ)は…今と変わらないでいられるんスかね?」





そのとき、歓声が聞こえた。



観「新協学園3P来たぁ!!」

日「げっ!」



谷村が3Pを決めたのだ。





新協 誠凛
51ー60





リ「(てかヨユーこいてる時じゃないし!最後まで気は抜けないわ!!)雪乃ちゃん!ラスト5分行ける!?」

『…むしろけっこう前から行けましたけど…』

リ「ゴメン!じゃゴー!」

オフィシャル「交代です!!}



雪乃が再びコートに戻ってきた。
それから雪乃を起点にしたパス回しで得点を重ねていく。



谷「っくそ、また出やがった…どーなってんだあのパス!?」

日「最後まで気ィ抜くな!攻めるぞ!!」






パパがボールを持った。



パパ「ヤダ!負けルのゼッタイヤダッ!おおお!!」



パパはシュート体制に入る。



火「奇跡の世代にガッカリとか言ってたけどチョーシこきすぎだね!アイツらの方が……」



火神は足に力を入れ、ジャンプをした。
そのジャンプはパパより高く、シュートをブロックした。



火「断然強えーわ!!」



ほぼ同時に試合終了のブザーと笛が鳴る。



審「試合終了ー!!!}





新協 誠凛
67ー79





誠凛ベンチは喜ぶ。
会場の2階席には一つの影があった。



審「誠凛高校の勝ち!!」

全「ありがとうございました!!!」









一方、会場の2階席で見ていた緑間はリアカーに乗って会場を後にした。
自転車には海常との練習試合にも漕いでいた人物が乗っている。



?「ったく、今日も見たいとか…オマエ同中のアイツにどんだけ注目してんだよ!?あ、分かった。オマエ、惚れてんだろ?」

緑「なっ!?違うのだよ!ただ外国人留学生というのがどんなものか興味があっただけだ」

?「(珍しく慌ててんなww図星か)留学生ー!?興味あんのは誠凛の方じゃねーの?」



自転車に乗っている人物、秀徳高校一宇年、高尾和成は緑間をちゃかした。



高「てかオレも誠凛(アイツら)にちょっと興味出てきたわ。特に雪乃ちゃん。上がってこいよー」

緑「言ってるイミが分からないのだよ?的外れな憶測はやめてくれ」

高「あーへいへい」

緑「あと、雪乃に興味を持つのはいいが、惚れないほうがいいのだよ」

高「なに嫉妬ー」

緑「違う!!あいつにはまだ…」

高「?」









戻って試合会場―――



アナウンス「次の試合は…」



試合が終わり、誠凛メンバーはジャージを着てベンチを出ようとしていた。
そのとき、雪乃と火神のもとにパパが来た。



パパ「負けたよ…ボクの分まデがんばって下サイ…」

火「あ…ああ」



意外なパパの言葉に火神も呆気にとられた。



パパ「ナんてゆーか!バカバーカ!!次はまけなイ!!!」



結局パパは悪態をつきながら谷村に引き摺られていった。
火神はパパの言葉に青筋を立て、雪乃は呆れていた。





誠凛高校―――
I・H予選初戦突破!!





『断然強ーわ!!』完