燃えません?

そこに現れたのは緑間だった。



錦佳「げっ!緑間…」

緑「オマエらはさっきの…」



緑間は雪乃の肩に回されている腕を見て、眉をしかめた。



緑「その手を放すのだよ…」



緑間の威圧に錦佳の選手はたじろぐ。



錦佳「す…」

錦佳全「すみませんでしたー」



そういって錦佳の選手たちは走り去っていった。



『あ…ありがとうございました』

緑「お前はいつもそうだったな。一人にしておくと絡まれて…遅れてしまったな、すまない」

『いえ、珍しいですね。緑間君が遅れるなんて』

緑「高尾に絡まれてな…」



雪乃は緑間と一緒にいた選手を思い出した。



『そういえば話って何でしょう?』



秀徳の試合が終わった後、緑間はこう言った。
『話がある。2時に会場の出口で待つ』



緑「半信半疑ではあったが、口パクで通じるとはな…」

『人間観察が趣味ですから』

緑「まあいい。話とは…何故、誠凛という弱小校に行った」

『………』



雪乃は押し黙った。



緑「俺はてっきりアイツと同じ高校に行くと思っていたが…」

『……私も中学2年生までは、ずっとこの先一緒にいると思っていました。私の光はあの人しかいないと思っていました。あの日まで…』

緑「だがお前にはそれ以外にも選択肢があったはずだ。俺は…秀徳高校(俺の所)に来てほしかったが」

『!』



緑間の言葉に雪乃は目を見開いた。
緑間は目をそらした。



緑「//別にお前のパスは俺にとってはシュートを打ちやすいのだよ。勘違いするな」

『勘違いしてません』

緑「ガーン」



緑間はショックを受ける。



緑「(ゴホン)話を戻すが、なぜ誠凛に行ったのだよ」

『私は火神君と約束しました。『キセキの世代』(きみたち)を倒して日本一にすると。だから誰とも同じ高校へと行かなかった」

緑「俺たちを倒すか…それはアイツとも戦うってことだぞ」

『………』



雪乃は下を向いた。
しかしすぐに顔をあげ、自分より30cm以上高い位置にある緑間の目を見つめた。



『戦います。たとえ元光だとしても。今の光、火神君と一緒に』



まっすぐな雪乃の瞳に緑間は黙った。



緑「(そういうところに俺は惚れたのか)まぁいい。あいつとやる前にまずは俺だ。必ず上がって来い」

『はい、必ず』





『燃えませんか?』完