ちょっと見せてもらおうぜ

I・H予選5回戦
対白陵高校





誠凛 白陵
83−83



残り2分、同点で誠凛のオフェンス。



誠ベ「行け行け誠凛!押せ押せ誠凛!」



誠凛ベンチは声を張って応援する。
伊月がドライブでディフェンスを抜いた。



白陵「うぉっ…!?」



その時、伊月は足に痛みがあり、倒れこんでしまった。



審「レフェリータイム!!」

伊「足つった…」

日「大丈夫か!?」



メンバーは伊月に駆け寄る。



リ「伊月君、交代す…」

伊「大丈夫。あと2分ちょいだろ?鶴も足つるらしいし」

日「大丈夫だ!行くぞ!!すいません、審判(レフェリー)再開お願いします!」

伊「キビし!!」



伊月のダジャレを無視し、そのままメンバーは試合を再開した。



リ「(やっぱり一日二試合はハンパないわね…みんな相当疲れてる…!)」



試合に出た全員はいつも以上に息が上がり、苦しそうだった。



日「だアホ!!全員声出てねーよ!!」



そんな時、日向が喝を入れる。



日「疲れてんのは相手も一緒だ!!おとなしくなる前にもっとマシな言い訳を考えろ!!どいつもこいつも草食男子かバカヤロー!!」

火「草…!?」

全「おう!!」

『(ボソッ)男子ではないですが…』

日「雪乃聞こえてるぞ!!」

『ビクッ』

リ「(勝負所(クラッチタイム)はやっぱ頼りになるわー日向君)」



日向の喝が効いたのか、動きはよくなったがまだいつも通りとはいかない。
(主人公は)小金井にパスを出したが、パスミスで危なげに小金井はパスを取った



日「(……!雪乃も精度が落ちてる…!くそ…!)」




小金井のシュートがは落ちる。
しかし火神がジャンプをし、指先で軽く押し込んだ。



観「うぉお決まった!!」

観「押し込んだぁ!!」



試合終了のブザーが鳴った。



審「試合終了ー!!!」





誠凛 白陵
89ー87





I・H予選
誠凛高校準決勝進出―――!!





翌日―――



今日は試合もなく学校に登校していた。
午前の授業は終わり、昼休み。

火神の机の上には大量のパンが山積みになっていた。
その中の一つを手に取って大きな口でほおばる。



『いつにも増して食べますね』



火神の後ろの席の雪乃が、大量のパンを見て言う。
雪乃の机の上にはサンドイッチとお茶しかなかった。



火「むしろオマエの方がよくそんだけで足りんな。昨日二試合やってんだぞ。ハラ減ってしょーがねー。オマエもっと食った方がいいぞ。軽すぎだ」

『小食なんで。それにちゃんと筋肉痛ですよ』

火「『ちゃんと』ってなんだよ」



雪乃も火神も筋肉痛で苦しんでいた。



火「けど昨日の相手は、両方とも同格かそれ以下だった。それでも最後はマジぎりぎりだった。この調子だと次の二試合正直、相当ハードになるな」



そのころリコは段ボールを二個持って1年生の廊下を歩いていた。



リ「火神君!ちょーどいいわー、ちょっと来てっ」



リコの所にいく火神。
そのあとを雪乃もついていく。



火「なんスか?」

『手伝いましょうか?』

リ「悪いけどこの段ボール運んでくれない?」



嫌な顔をする火神だが、雪乃はリコの段ボールを受け取った。



リ「雪乃ちゃんはいいのに」

『いいんです』



雪乃はリコに笑いかけるとリコはキュンと胸がときめいた。



リ「雪乃ちゃん、男前〜」



そんな様子を見ていた火神はため息をつくと段ボールを受け取り、歩き出した。



火「筋肉痛なんだ…ですけど…鬼か!」

リ「ちょっと、乙女に荷物持たすの?雪乃ちゃんを見習いなさいよ!そこはやっぱり頼むよおっとこ〜の子!」

火「乙女なんて(ボソッ)雪乃しか見当たら…いでっ!!!」



失礼なことを言った火神にリコは脇腹を殴った。



火「つか、これ何?ですか?」



段ボールの中身は大量のDVDだった。



リ「部室から持ってきた去年と今年の試合のDVD!スカウティングにね。なんたって王者と二連戦だからね。分析しすぎなんてことはないわ!」





『ちょっと見せてもらおうぜ』