改めて思いました
≪…国的に晴れ。さわやかな一日となるでしょう。つづいては―――おは朝占〜〜〜い!!≫
黄瀬と笠松は試合会場へと歩いていた。
黄瀬はipodでニュースを聞いている。
笠「…?何見てんだよ?」
黄「今朝のおは朝の録画っス。朝は最近ロードワークで見れないんで」
笠「ずいぶん勤勉になったなオイ。前はサボってばっかだったのに」
黄「いや、ウチの練習ちょっとアレやりすぎ…」
笠「チョ〜シ乗んな!シバくぞ!}
黄「いて」
笠松は歩きながら黄瀬の足を蹴った。
笠「つかオマエ、おは朝なんていつも見てんの?」
黄「今日だけっス。これの結果いいと緑間っちもいいんス」
笠「あぁ帝光の。で、何座?」
≪一位とビリは同時に発表…≫
黄「かに座っス!ちなみに雪乃っちはみずがめ座…」
笠「そこまで聞いてねぇよ」
≪一位はかに座!!おめでとう、今日は文句なし!…最下位は残念、みずがめ座です。今日は大人しく…≫
黄「げ…」
笠「?なんだよ」
占いの結果をイヤホンで聞いて、黄瀬は顔を歪めた。
黄「……最悪っス」
日「ソーエイ!」
誠「オウ、エイ、エイ、オウ」
試合会場では誠凛と正邦がアップを始めていた。
降「やっべぇ〜超ビビってきた…」
河「会場も今までの学校体育館じゃねーし」
降旗と河原は会場の大きさと観客に顔を青ざめる。
降「しかも二連戦で相手は北と東の王者…」
河「連戦以前に…一つ勝てるかもキツいよ…」
反対側のコートでは秀徳もアップをしており、雪乃と火神、緑間はにらみ合う。
日「ガン飛ばす相手が違ぇよ、だアホー」
火「いてぇ!!」
緑間をにらんでいた火神を日向が無理やり自分のコートへと首を回した。
日「いくら飛ばしても次負けたらただのアホだろが!」
火「ちょっと見ただけ!ですよ!ちゃんと次の相手に集中しているす」
もう半分でアップをしている正邦を見ると、淡々とレイアップシュートの練習をしていた。
火「(…けどなんだコイツら…?確かにフンイキはある…けど、秀徳とは全く種類が違う…!?)」
火神は違和感を覚えていた。
福「けど正邦って思ったより普通っていうか…大きい人あんまいないんですね」
福田はリコに話しかけた。
リ「まあ全国クラスにしては小柄かもね。一応一番大きいのは187cm、主将(キャプテン)の岩村君ね」
福「じゃ、水戸部先輩と同じくらい…?けっこー…太っっ!?と言うかごつい!!すげぇパワーありそう!」
主将の岩村を見てみると、ガタイがいい選手だった。
4番 C 187cm
岩村 努
リ「あと司令塔の春日君…この三年二人がチームの柱ね」
岩村と違ってヒョロッとした印象の春日。
5番 PG 179cm
春日 隆平
?「あー君が火神君でしょ?」
その時、正邦のコートの方から火神が呼ばれた。
津「うっわマジ紙赤ぇ〜!こえぇ〜!」
呼んだのは津川で火神の髪を指さしながら笑っていた。
火「あん?(…コイツは)」
火神は津川を見ると眉をひそめる。
雪乃も黙ってみていた。
津「主将(キャプテン)ー!こいつですよね、誠凛超弱いけど一人すごいの入ったって」
津川に呼ばれた岩村はビックリしてツガウェアに振り向く。
リ「おーおー言ってくれるわね、クソガキ…」
リコは津川の言葉にキレかかっていた。
日「なんでオマエいつも他校さんとからむんだよ!」
日向はため息を吐きながらそういうと、火神は慌てて弁明する。
岩「チョロチョロすんな、バカたれ」
津「あいて」
岩村は後ろから津川をぶん殴り、頭をつかむ。
岩「すまんなコイツは空気読めないから、本音がすぐ出る」
岩村の『本音がすぐ出る』という言葉に日向は反応した。
日「謝んなくていいっスよ、勝たせてもらうんで。去年と同じように見下してたら泣くっスよ」
岩「それはない。…それに見下してなどいない。オマエらが弱かった。それだけだ」
岩村は津川を引き摺っていった。
津「ちょっ…ええ〜。主将もハッキリ言ってないですか?」
岩「バカたれ。オレはオブラートに包んで喋らんだけだ」
『改めて思いました』