乗り越えたし

誠凛対正邦の試合の反対コートでは、緑間が3Pシュートを決めたところだった。



観「うぉお3本連続…!」

観「これが『キセキの世代』緑間真太郎か!!」



観客が沸いている中、緑間は特に喜ぶ様子もない。



緑「主将(キャプテン)」

大「あ?もういいのか?」

緑「はい感触は確かめられました」

大「ったく」

オフィシャル「交代です」



緑間は控え選手と交代し、ベンチに戻っていった。



観「5分もしないでもう温存!?」

観「やっぱ秀徳は層も厚い!!」





秀徳 銀望
16ー 2





黄「…緑間っちの方はヨユーみたいっスね」

笠「ま、当然だろ。相手もフツーの中堅校だし、波乱はまずねーだろ」



黄瀬と笠松は誠凛のコートに目を戻す。



笠「あるとすりゃコッチ…」

黄「なんだか…」



コートでは正邦がオフェンスだった。
正邦の選手たちはボールをもらった後、すぐにパスを出す。




『……!!』

火「このパス回しは…!?(もらってから投げるまでがメチャクチャ速ぇ!!)」

降「ええ!?なんだアレ!?」



そのとき、ゴール下にいる岩村にパスが通った。



日「水戸部、行ったぞ!!」



しかし、岩村は攻めずに火神を振り切りフリーになった津川にパスを出した。
津川はそのままレイアップシュートを打とうとしたが、火神がブロックする。
しかし、火神と津川の手が当たり、審判の笛が鳴った。



審「ファウル!白10番」

日「(オイオイ、てかもう3つ目じゃね!?)」

火「くそ…(動きが速いっていうより動作(モーション)が少ない…!構えないで投げてるってカンジだ。これも古武術かよ!?)」



火神はまだ第1Qなのにファウルが3つになったことに、日向と火神は焦っていた。



黄「火神っちの得点で誠凛もエンジンかかったと思ったんスけど、あと一歩うまくいかないっスねー」

笠「いくらなんでもDFだけじゃ王者名乗らねーよ。OFだって並じゃねー」

黄「ふーん」

笠「確かに正邦に黄瀬(オマエ)や火神みてーな天才型のスコアラーはいねーけどな、タイプが違うんだよ。OFもDFも古武術の応用してる。特に三年ともなれば相当のレベルでこなしてる。
正邦は天才のいるチームじゃねー。達人のいるチームなんだよ」



笠松の言葉に黄瀬は笑った。



黄「……達人ならいるっスよ。誠凛にも」



黄瀬は雪乃を見ていた。





審「アウトオブバウンズ!白(誠凛)ボール!!」





誠凛 正邦
 6ー15





津「9点差か〜、んー…ん?」



点差に不服そうな津川は雪乃にぶつかった。



『すいません。前にもぶつかりましたね』

津「キミは…!」



津川は雪乃を見て固まる。



津「誰!?てか出てたっけ試合!?うっそだー、マジ!?存在感なさすぎっしょー!!」

『黒子雪乃です。出てました』

火「(過去対戦済みなのに忘れられとる!!しかもフツーに名乗っとる!!しかも告った相手なのに!)」

日「ん?待て火神…告ったってどういう事だ?」



日向は火神の肩に手を置きながら火神に尋ねた。



火「なんか中学の時、試合をした後に津川に告られたらしい…っす」

誠「はぁっ!?」



コートの誠凛メンバーは驚いた。



津「よくわかんないけどホケツさん的な人?じゃあそのままがんばって出てよ!去年センパイ達、誠凛に第1Qで20点差つけてたらしーんだ!だからオレ30点差ぐらいつけたくてさ!」



津川は指を3本立てながら意気揚々と言う。



津「ガッカリしないでね!えっと…ホケツの人!」



津川はドンと雪乃の背中をたたく。



『……わかりました。ガッカリしないようにがんばります』



誠凛のオフェンス。



『……伊月センパイ』

伊「…ん?」



ドリブルでボールを運んでいる伊月に雪乃が話しかけた。





『乗り越えたし』