そんなもんじゃねえだろ

火「(クソッ…!!雪乃のバックチップはムリだ!オレが…)」

緑「止めるか?ムリだな」



緑間は右側に抜こうとするが、火神が止めた。
しかし、緑間はターンをし、シュート体制に入る。
火神は緑間の速さについていけなかった。



火「なっ…(速ぇ…!!こいつ…3Pだけじゃねぇ…速さも…!?)」



緑間のシュートは入る。



緑「余計なことをするな、高尾」

高「照れんなって、つれねーなオーイ」

火「(勝てんのか!?こんな化け物に…!?)」





7:45
誠凛 秀徳
14 23





誠凛ボールになり、火神がボールを持つ。
火神は雪乃にパスをだし、ゴールに走り込む。



降「いけぇ、雪乃と火神のコンビネーションアタック!!」



雪乃が火神にリターンパスを出したが、それも高尾にカットされてしまった。



火「『!?』」

リ「(ダメだわ…高尾君のせいで、雪乃ちゃんを組み込んだ作戦が全部効かない…!)」



カットされたボールを緑間が拾い、そのままシュート体制に入る。



火「(しまった…どっからでも撃てるってことは…一瞬でもマーク外したらアウトかよ!!)」



シュート体制に入る緑間は帝光時代をを思い出す。





〜回想〜



帝光時代、部活帰りに雪乃と緑間と黄瀬はコンビニにより、アイスを買い食いしていた。



黄「バスケで一番カッチョイイシュート?そりゃダンクっスよ。やる方も見る方も一番スカッとするじゃないスか!」

緑「だからお前はダメなのだ。より遠くから決めた方が良いに決まっているのだよ、なぜなら3点もらえるのだから」



緑間の言葉に雪乃と黄瀬は言葉を失った。



『緑間君って頭いいのに、たまにアホですよね』

緑「何ィ!?2点ずつと3点ずつなら多い方がいいに決まっているだろう」

『子供ですか』



(名前)の言葉にショックを受ける緑間。



緑「フン…単純(シンプル)だからこそ真理なのだよ。いずれオレが証明してやろう」



〜回想終了〜





緑間のシュートは綺麗に決まる。



観「おおお、きたぁ緑間2連続!!マジで落ちねぇ!!」



緑間のシュートに観客が湧く。



日「伊月、ボール回せ!!あいつらだけに頼ってねーで、オレらも攻めるぞ!!」



日向にボールが渡り、シュート体制に入るが宮地が反応する。
しかし、それはフェイントで、ゴール下にいる水戸部にパスを出す。
水戸部はフックシュートを打った。



大「!!(フックか!!)」



水戸部のフックシュートが決まる。



観「おおお、精凛んもなんとか食い下がる…!!」

緑「悪いがそれは無理なのだよ。いくらか返した所でオレのシュートは止められない」



緑間はまたシュート体制に入る。
火神もブロック飛ぶが、届かない。



観「うわぁあ、また緑まだ!!」

火「(ダメだクソ…打点が高ぇ…!!モーションに入られたら止められねぇ…)」



ボールはゴールよりもはるかに高く上がり、一直線にゴールに向かっている。



日「(しかもキツすぎるぜ、この滞空時間…精神的にマジでくる…このままじゃ点差以上に…)」



心が―――





シュートが綺麗に決まった。





折られる―――…!!



精凛メンバーの表情は絶望に変わりつつあった。

その表情を緑間が見下ろしている。



観「うわぁあ3連続!!緑間が止まらねぇ!!差が開く一方だ」





7:05
誠凛 秀徳
16 29





リ「(こんな…一体どうやって止めれば…いいの!?)」



リコもどうしていいのかわからない様子だった。



高「すげーすげー*」

木「つーかオレらは退屈だよ」

宮「木村試合終わったらやっぱ軽トラ貸してー」

笠「まじぃな、いよいよ誠凛万策尽きたって感じだ…」



笠松も誠凛の絶望的な状況に唖然としていた。



火「ハハッ(強ぇ…これが緑間…)」



そんな中、火神だけは笑っている。
火神を見た日向は背筋が凍った。



日「………!?(火神は強敵を目のあたりにした時笑う…けど…何か変だ…)」

『!?』



火神の異変に雪乃も気づく。



黄「いや…どうスかね(そんなもんじゃねぇだろ…まだまだ限界なんて程遠いっスよ)」



これからだ…

あいつの秘められた才能(センス)が解放されるのは…!!





『そんなもんじゃねえだろ』完