勝つんだ!!
ちくしょう…
オレは一年でこんなに…弱くなってたのかよ…!!
黄瀬との闘い・・・試合は確かに勝った…
けどそれは…雪乃がいたからだ……
雪乃がいなかったら…?
もしこの先雪乃が通用しない時が来たら…
負けるのか?
…いやだ!!
負けるのなんてまっぴらだ…!!
雪乃や先輩達に頼ってるだけじゃだめだ
強くなってやる!!誰かに頼らなくても勝てるぐらいに!
オレ一人でも勝てるぐらいに!!
9:11
誠凛 秀徳
29 48
誠凛ボール。
日向はパスをもらい、3Pシュートを決めた。
岩「緑間ほどじゃねーがホントよく入るな、あいつ」
岩村は日向のシュート精度に感心する。
高「そりゃ立派だけどウチの緑間はもっと止まんねーよ?」
高尾がスローインをし、緑間にパスを出す。
緑間が前を向くとそこにはすでに火神がディフェンスについていた。
観「オールコートでボックスワン!?」
『……!』
観「根性あるぜ!!まだアイツあきらめてねぇ!!」
日「…!!」
伊「火神!!」
黄「……!!」
見方が驚いているのに、緑間と高尾は冷静だった。
高「(けどムダだぜ!前半もやろうとして(名前)と二人がかりでも止められなかったろ…しかも)今は二対一だぜ!?」
高尾は火神にスクリーンをかけ、緑間がその間に高尾の横をドリブルで抜けた。
火「それでも止める!!さんざ見せられたおかげで、一つ見つけたぜ。テメーの弱点!!」
高「……!?(なっ…!?)」
火神は高尾のスクリーンを抜け、まだシュートのタメをしている緑間のもとへと行く。
緑間と火神はほぼ同時にジャンプをした。
火「距離が長いほどタメも長くなるってことだよ!!」
火神は再びボールに指先が触れた。
緑「(また触れただと!?バカな…!?)」
高「(確かに重いバスケットボールを20m以上放るだけでも普通ありえねー。通常よりはるかに長いタメが必要になる…けどオイオイ、一度スクリーンでマーク外したのに…)」
日「!!(この軌道…!?)」
同じシューターである日向がボールの軌道を見て気付いた。
日「(これは…まさか)」
緑間のシュートは初めてゴールに弾かれた。
降「うわぁ、ついに止めた緑間を!?」
しかし弾かれたボールを大坪がそのままダンクで押し込んだ。
日「うぉっ(そうだ、秀徳にはまだコイツがいた…!!東京屈指の大型センター、大坪泰介…!!)」
リ「(雪乃ちゃんのかわりに小金井&火神で緑間君をくい止めるつもりだったけど…これならむしろ…)小金井君…!」
リコは小金井に指示を出す。
誠凛ボール。
小金井はゴール下までドリブルで切り込み、レイアップシュートの態勢に入る。
大「させるか!!」
小金「むげっっ」
しかしその大坪にブロックされ、そのまま小金井の腹にボールが直撃し、外に出てしまった。
宮地がスローインで高尾にパスを出し、高尾が前を見ると驚愕した。
大坪には水戸部と小金井がダブルチームでディフェンスについていたからだ。
大「…むっ」
中「……!!」
高「こりゃ〜こっちかな〜〜」
高尾は冷静にドリブルでハーフラインを超えたところで後ろを振り返り、後ろにいた緑間にパスを渡す。
すぐに緑間はシュート体制に入る。
火神は不意を突かれ、緑間から少し離れている。
高「(さっきより近い分タメも短い!今度は間に合…)」
黄「(…片鱗はあった…オレとやった時の最後のアリウープ)」
高「(…うのかよ!?ウソだろぉ!?)緑間ァ!!!」
黄「(『キセキの世代』と渡り合える力、そしてバスケにおいて最も大きな武器の一つ…あいつの秘められた才能…それはつまり)」
天賦の跳躍(ジャンプ)力
火神はとうとう緑間のシュートを完全にブロックした。
『勝つんだ!!』