勝つんだ!!

緑「なっ…」



いち早く伊月がボールに向かって走り出した。



伊「やっぱどんな凶悪な技にも欠点はあるか。もう一つあったな、弱点」



ボールはまっすぐに誠凛ゴールへと向かっていた。



笠「(…そうか!!より遠くから打てるということは、逆にもしブロックされたら、自陣のゴールはすぐそこ…絶好のカウンター機会(チャンス)になる…!)」



伊月はそのままフリーでレイアップシュートを決めた。





8;35
誠凛 秀徳
34 50





観「うわぁあ、すげぇブロック!!」

観「誠凛勢いに…」

大「乗られるわけにはいかんな、高尾よこせ」

高「へ?でも…」

大「かまわん!」



高尾は大坪に言われた通り、ゴール下にいる大坪にパスを出す。



観「なっ!?」



しかし、水戸部と小金井がふたりがかりでディフェンスにつくが、ものともせずに大坪はダンクを決めようとする。



観「二人の上からいったぁ!?」



しかし、うしろにいた火神によりダンクをブロックされてしまった。



大「…なっ!?(高い…!!)」

緑「…しかも(速いっ…!!一瞬であの間を詰めたのか!?)」

観「うわぁあ、なんなんだアイツは!?

審「ファウル、黒10番!!」



観客が湧く中、審判により火神はファウルを取られてしまった。



火「(勝つんだ!!オレ一人でも…!!)」

降「まじですげぇよ火神!!あいつがいれば…」

『……そうですか?』

降「え?」



降旗は雪乃を見ると、驚愕した。



降「ってか雪乃なんで泣きそうな顔してんの!?」



降旗の言う通り、雪乃は今にも涙がこぼれそうなほど涙を目にためており、若干体を震わせていた。



『このままだと…マズい気がします』



思い出されるのは海常との練習試合の後の黄瀬の言葉…








けどいつか必ず…『キセキの世代』と同格に成長して、チームから浮いた存在になる。
その時火神(アイツ)は…今と変わらないでいてくれるんスかな?








火神君、君まで…私を





光のない影にしないで……





『勝つんだ!!』完