『勝利』ってなんですか

緑「くっ…」



火神は緑間をドリブルで抜いた。



宮「(一体なんなんだよコイツは…!?)」

木「(ついこの前まで厨房だった奴に、ウチが押されてるってのかよ!?)」



火神はゴール下まで切り込み、ジャンプをする。



大「(全国でも見たことがない…なんだこの…常軌を逸した跳躍は…!?)」


火神は宮地、木村、大坪の上からダンクを決めた。



観「うわぁあ、高ぇえー!!信じらんねー、一人で秀徳を圧倒してるぞ!?」



観客が火神の圧倒的なプレイに沸く。
誠凛ベンチも火神のプレイに、驚愕していた。



小金「スゲーな、ナイス火神!!」

火「もっとガンガンボールくんねーですか」

小金「え?」

火「オレが決めてやる…!!」



しかし火神は、尋常じゃないくらい汗を掻き、息もだいぶ上がっていた。



中「(日本人ばなれした信じられんバネだ…これをくい止めるのは…容易ではないな…)」





2:01
誠凛 秀徳
45 56





秀「カントク…何か手をうたないと…このままだと……」

中「ん、んー…そうなんだけど……でもそうするとウチもかなりのリスクが出るんだよな…だから今はあえてこのままでいく」

秀「えっ」

中「まぁ…あわてるな。時間がたてばじきに、詰みだ」



秀徳ボール。
緑間にはもちろん火神がつき、先ほどのブロックが怖いせいか、ほかの選手でパスを回している


高「(信じらんねーぜ、まさか緑間を止めるんなんて…いくらモーションに時間がかかるって弱点があっても、あの高い打点をはたくとかありえねー!!)」

宮「緑間一度シメたぐらいで調子のんなよ。刺すぞ、もー」



宮地はシュート体制に入る。



高「!!宮地サンタンマ!!その位置は…」



高尾がホークアイで気づいたが、遅かった。
宮地のシュートは後ろにいた火神によって、ブロックされた。



宮「はぁ!?」

観「うぉお、また止めた!!」

観「カウンターだ!!」





火神が日向からボールをもらい、そのまま誠凛ゴールにドリブルで向かうが、そこには木村と宮地がすでに戻っていた。
しかし、二人のディフェンスもものともせずターンで宮地を抜くと後ろに飛びシュート体制に入る。
木村もブロックに跳んだ。

空中で、木村がジャンプの頂点に達し、どんどん地面へと下がっていく一方、火神はまだ空中にとどまっていた。



木「(……ふざけんな、いつまで跳んでんだテメー!?ワイヤーで上から吊ってんじゃねーのか!!しかも流れて跳んだのに空中で立て直すボディバランス…基本のジャンプシュート一つとってもコイツが撃つと…)」



火神のシュートが決まる。



木「(もはやブロック不可の無敵の必殺技だ…!!)」



火神は少し苦しそうに息を切らしていた。



観「入っ…た。まじかよ……てことは…」



誠凛のスコアに2店が追加される。





誠凛 秀徳
47 56





観「うぉお、一ケタ差!?」

観「この差なら分かんねーぞ!!」

中「ん〜…悪いが…そろそろ時間だ。もうこれ以上差が縮まることはない」



中谷と緑間は火神の異変に気が付いていた。。
緑間にボールが渡る。



緑「お前の力は認めるのだよ。だが…ここまでだ」

火「なんだと…!?」



緑間はフェイントも何もなくシュート体制には入る。



火「撃たせるか…!!」



火神はブロックに跳ぼうとするが、膝に力が入らずジャンプに跳べなかった。
そして、緑間はそのままシュートを放つ。



水「!?」

日「火神!?」



誠凛のメンバーは跳べない火神に驚愕する。
緑間の3Pシュートは決まった。



緑「悪いが…これが現実だ」



火神の体力は限界のようだった。



リ「(まさか…もう…なの!?早すぎる…!!)」

黄「ガス欠!!?」

笠「…多分な。おそらくアイツはまだ常時あの高さで跳べるほど体ができてねぇ…それを乱発して孤軍奮闘してたからな……しかも」

岩「途中交代したとは言え、2試合目…さらに津川のマークで削られていたからな…」

津「今ひびいてどーすんだよ!!あのヤロー!!」

春「いよいよマズいな。しかもガス欠間近は…一人だけじゃねぇぞ」



日向をはじめとする二年生たちもそろそろ限界が近いようだった。





『『勝利』ってなんですか』