行くぜ!!

10:00
誠凛 秀徳
47 61



火「センパイ…」



第4Qが始まる直前、ベンチから出てきた日向を火神が声をかけた。



火「さっきは…その…スイマセン」

日「ん?あぁ気にすんな…と言いたいが、さすがにあの口のきき方はね…それに雪乃を、女を殴ったよな。うん…あとでシバく。それにカントク、見てみろ。お前タヒぬぞ」

火「…う」



日向はクラッチタイムに入っていた。
日向が指さすリコも指をパキパキと鳴らしている。



伊「おい入っちゃってるよ日向!カントクも落ち着け!」

日「ま…それはあとな!泣いても笑ってもあと10分だ。行くぜ!!」



コートに誠凛と秀徳の選手が集まり、にらみ合う。



オフィシャル「第4Q始めます」



第4Qが始まった。



黄瀬「おっ」



黄瀬は雪乃の姿がコート内にあることに気づいた。



黄「雪乃っちでてきたっスね」

笠「火神をいきなりぶんなぐった時はどーなるかと思ったけどね」

黄「火神が雪乃っちを殴った時は、殺意が湧いたっスけどね」

笠「おい」



黄瀬は笑ってはいるが、目が笑っていなかった。



笠「(けど出てどーすんだよ。高尾がいる限り、透明少女はもはや切り札じゃねぇ…それとも何かあるのか?)

高「(やっと出てきたかよ。だが前半同様…やそれ以上に見えてるぜ!)」



高尾は鷹の目により雪乃の姿が見えている。
だが、特に雪乃は何をするわけではなかった。

その間に火神がドリブルで切り込み、大坪がヘルプに来たところで、フリーになった水戸部にパスを出す。
そして水戸部のシュートが決まった。



観「おお」





9:43
誠凛 秀徳
49 61





高「(一人で暴走してたさっきまでと違う…!そういやさっきのインターバル…)」

緑「雪乃に殴られて頭は冷えたか。(雪乃を殴るとは気に食わんな)だが…お前の体力は残りわずかだ」



スローインボールを緑間が受け、そのままシュート体制に入る。



緑「もうお前にオレのシュートは止められない」

河「げぇ!!リスタートが速い!!火神ー……!!」

火「確かにもうポンコツ寸前だ。けどまだ完全に打ち止めじゃねーよ!!」





―――第4Q始まる前


日「(名前)の新しいパス…!?なんで今まで……」

『捕れる人が限られるんです…けど今の火神君なら捕れるかもしれません。でもパスが火神君だけでは最後までもちません。やはり高尾君のマークを外して通常のパスも必要です』
               
伊「あ…けどもういけんじゃね?オレの目もつられそうだし」



鷲の目(イーグルアイ)を持つ伊月には雪乃の策略が分かっているようだった。


                     
リ「(大坪君はダブルチーム…あとは緑間君か……)火神君!!あと何回跳べる?」

伊「跳ぶ…?」

日「緑間を止めたあの超跳躍(スーパージャンプ)のことか?」

リ「あれは天性のバネを極限まで使うから消耗がハンパないのよ。加えて火神君はまだ体ができてない。一試合で使える回数は限られてるわ。本人も気づいてるはずよ。でしょ?」

火「そんなん…跳べるぜです。何回でも…」

リ「今は強がりとかいーから」



火神の足は震えている。
それをリコが数値で視る。



リ「よくて……2回ね」



あまりの少なさに火神は目を見開く。



り「筋肉値から推測するとこれが限界ね。もし2回目を跳んだらあとはコートに立ってるだけで精一杯だと思うわ」

降「2回…っでどうやって緑間を止めれば…」

リ「1回は勝負所にとっておいて、もう1回は…」




第4Q最初のシュートをひっぱたけ!!






『いくぜ!!』