いくぜ!!

緑間のシュートは火神によってブロックされた。



緑「なっ…!?(まだ跳べたのか…!!だが…体力がほとんどカラなのは確かだ。コイツ…最後まで保たせる気がないのか!?)」



火神がブロックしたボールを持ったのは伊月だった。
そのまま伊月はシュートを打つ。



伊「(入れ…!!)」



伊月の願い通り、シュートは決まった。





9:37
誠凛 秀徳
51 61



観「おおお来たぁ!!」

観「10点差だ!!」

降「カントク!いきなり2回のうち1回使っちゃっていいんすか!?」

リ「ハッタリだからね!」

降「ゲ!」

リ「こっからはフツーにマークしてるだけでやっとだからね。緑間君に撃たれたら止められない。けど緑間君はムリなシュートは打たない。予想を超える火神君のジャンプが『まだあるかも』と思わせれれば、少なくともシュートに行く本数を減らせると思うわ。
もう今できることは秀徳の得点力を少しでも落として、それ以上に点をとるしかない!だから…後は託したわよ…」



雪乃ちゃん…!!





高「なんかずいぶん期待されてるみたいじゃん?けど何かしよってもさせねーよ!(ホーク・アイからは逃げられねーぜ)」




高尾のホーク・アイは雪乃を捕えていた。



日「死角がない以上、高尾にミスディレクションは効かないぞ…!?(どうすんだ雪乃…)」

伊「いや…たぶん厳密には全く効かないわけじゃないぞ(高尾のホーク・アイはコート全体が見えるほど視野が広い。であから意識を他にsらしても雪乃を視界にとらえ続けるんだ)」



そこで高尾が異変に気付いた。



高「……!?(え…?あれ…近い…)」



高尾の視野はコート全体から雪乃にどんどん絞られ、コート全体が見えなくなっていた。



伊「だから雪乃は意識を自分からそらす前に、逆の誘導を入れた。つまり、自分へひきつけるようにしたんだ。前半パスカットされてからも出続けたのは、より自分を印象づけるため…。狭まった視野なら今度はそらせる」



そしてとうとう高尾は雪乃を見失ってしまった。



高「(……おい)いない!?(見失ったぁ!?ウソだろ!?)どこに…」



高尾は急いで雪乃を見つけるためにあたりを見渡すが、それも雪乃の思うつぼ。
雪乃は高尾の後ろをすり抜けた。

それに気づいた火神が動き出し、伊月が雪乃にパスを出す。






高「(落ち着け…!!雪乃は見失っても…火神の位置は分かる!!ボールと火神の間に入れば取れる…!!)」



高尾は冷静になり、コート全体をホーク・アイで視て、パスコースを塞ぐ。



『今度は取られません。今までは来たパスの向きを変えるだけでしたが、このパスは加速する…!」



雪乃はボールを掌底で押し出した。
ボールはさらにスピードをつけ、高尾の手を逃れた。
ものすごいスピードで火神のもとへボールが向かい、火神は何とかキャッチをする。



高「(ボールをぶんなぐっ…!?速すぎる!!なんだそりゃあ!?捕る方も捕る方だ、マジかよっ!!)」



雪乃の加速するパスに唖然とする誠凛メンバー。
パスをもらった火神が前を見ると、そこには緑間が立ちはだかる。



火「緑間!!?」

緑「絶対に行かせん!!」



火神の脳裏にリコの言葉がよみがえる。




跳べるのはあと2回よ

うち1回は勝負所にとっておくこと




火「(わかってるよ…けど、ここで決めなきゃ)」




火神は足に最後の力を入れる。



火「(いつ決めんだよ!!)うぉおおあ」



火神は緑間のブロックを上からダンクを決めた。





火神のダンクに観客、秀徳メンバーは驚愕していた。



観「うわぁあ」

観「スゲェエエなんだ今の!?」

黄「(やりやがったアイツ…ついに…緑間っちをふっ飛ばしやがった…しかも…)」



黄瀬は雪乃を見る。



黄「(今のパスは中学時代…『キセキの世代』しか撮れなかったパス…!!)って!じゃなくて、ガス欠寸前で大丈夫なんスか、アイツは!」

笠「まぁ…今のはムリしてダンクいく場面でもなかった、って見方もあるな。ってかそもそもダンクってあんまイミねーし」

黄「派手好きなだけスよ、アイツは!」

笠「まーな。けどじゃあ全く必要ないかって言えばそれも違うんだよ。点数は同じでもやはりバスケの花形プレーだ。それで緑間をふっ飛ばした」



中谷はタイムアウトを要求をした。





『いくぜ!!』